愛は重くてもろくて、こじれてる〜私の幼馴染はヤンデレらしい

能登原あめ

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パターン1 (わんこ系独占欲強いヤンデレ)

恋人を独り占めしたい


* 2人の関係をお読みになってからどうぞ。






******


「エリ――ン! おはよう! 一緒に学園に行こう!」

 私達の関係は変わらないまま16歳になった。
 幼馴染で、恋人で、そう遠くない日に結婚する2人。

 ブレーカーは朝の支度が全て終わると、私を迎えにくる。
 学園のある日は毎朝で、お休みの日も私の顔を見にやってくる……つまり会わない日はない。

「おはよう、ブレーカー。ごめんね、今日は髪が跳ねちゃって直らないからまとめるまで待ってくれる?」

「うん、もちろん! 髪の跳ねたエリンも可愛い! でも、みんなには見せたくないからそのまま外に出ちゃだめだよ!」

 ブレーカーは私がどんな姿でも褒めてくれる。
 嬉しいけど、外ではやめてほしいって思っている。

「恥ずかしくて髪が跳ねたままなんて、外に出られないよ……ん、と。これでいいかな?」

 簡単にまとめて毛先もくるりと内側に仕舞い込んだ。

「エリン……! キリッとしてカッコいい。やっぱり今日は休んだ方がいいんじゃない? 今日のエリンをみんなに見せたくないなぁ」
「もう……ブレーカーってば! そんなこと言う人、他に誰もいないんだからっ」

「いたら困る! もしそんな奴が現れたら、すぐに僕に言って。絶対に、約束だよ!」
「うん。大丈夫だよ……そんな人、現れない、し……私はずっとブレーカーが好きだもん」

ブレーカーがキラキラした目で私をみつめる。

「…………エリン、可愛いっ。早く結婚しよ!」
「大人になったらね」
「学園を卒業して、すぐ結婚するとしてもまだ、2年もある……長いっ」

「そうかな? 私達、16年も一緒にいるんだから、2年くらい待てるよ。それに働いてからじゃないと一緒に暮らせないと思う」
「そ、そうだね! 生まれてからず――っと一緒だもんね! これから先も死ぬまで、いや、永遠に!」

 ブレーカーが嬉しそうにこれから先の計画をたてる。子どもは3人欲しいとか、海の見えるところに家を建てたいだとか、毎朝私を起こしたいんだって。

「私は朝が弱いわけじゃなくて、準備に時間がかかっちゃうの。ブレーカーと同じくらいの時間に起きているよ!」
「……エリンは誰のためにキレイにしてるの?」

 ほんの少し、ブレーカーの声が低くなった。
 長い付き合いだから、わかる。
 放置すると、ひっついて離れなかったり、誰にも会わせないようにしたり、ものすごく面倒くさいことになるって。

「……ブレーカーのため、でしょ?」

 そう言うと嬉しそうに笑って、私の手を取る。

「大好き、エリン。僕、エリンがいれば幸せだよ」
「私も……ずっと大好きよ」
 
 そうして手をつないで学園に向かう。






「おはよう、ブレーカー」
「……おはよう」

 最近転校してきたルビーは明るくて綺麗であっという間に男の子達の人気を集めた。
 都会からやってきたから流行りとかいろんなことを知っていて、女の子達も一目置いている。

 そんな女の子が、ブレーカーに恋をしたらしい。
 毎朝私を無視して声をかけるけど、ブレーカーは挨拶だけしてあとはすぐに私に話しかける。

「エリン、今日一緒に帰ろう。今週中に終わらせないといけない課題があったから、一緒にやれば早いよ」
「それなら、私に教えて。まだ学園のこと慣れていないの。行ってもいいよね」

 ルビーは私に向かってそんなことを言う。
 彼女は転校してきたばかりだし、断りづらくて頷こうとした私に、ブレーカーが先に答える。

「ごめんね、2人きりがいいんだ。じゃあね!」

 ブレーカーは私の手を引いて歩き出したけど、私はルビーに睨まれて無言になる。
 ごめん、と謝るのも違うような気がしてそのまま視線をそらしてしまった。

 あんなに悪意を浮かべた視線なんてこれまで感じたことがなかったから、どうするのが正しいかなんてわからない。

「ブレーカー……あのね、あんまり他の女の子に冷たくしすぎないで……」
「エリン、僕はエリンさえいればいいんだ! それに他の子に僕らの時間を邪魔されたくない。エリンに浮気とか疑われるのも嫌だし、エリンのこと以外考えたくないよ」

 両手を握られてそんなことを言われて、私は口をぱくぱくさせる。

「……なに、その可愛い顔。わかった、女の子達にこれまでより優しくする。だけど僕の一番はエリンだし、それはこの先も死ぬまでずっとずっと変わらない。……これでいい?」

 頷く私に、かすかに声が聞こえた。
 
「あいつ、女の子っていうか、エリン以外、男にも冷たいよな……」
「シッ、その名前を出すな! ほら、睨まれた! お前のせいで残りの学園生活が灰色だ……」

 学園でする話じゃなかったかもしれない!
 ブレーカーにもう一言告げようとしたのに、ぎゅっと抱き込まれた。

「エリンの顔、他の奴らに見せたくない。今日はさ、家で勉強しない? 僕色々教えてあげるから」
「……授業出るよ、だってちゃんと卒業したほうが、ブレーカーとの結婚も早くなるでしょ……?」

 モゴモゴといったけど、ちゃんと聞き取ってくれたみたい。

「うん! そうだね! 授業はしっかり出よう! ぼくがこのままエリンを運ぶね!」
「……お願いします」

 私の幼馴染で、恋人で、そう遠くない未来に結婚する彼はとってもやきもち焼きで、時々拗ねて面倒くさいこともある。
 でも、そんな彼を私は大好き。








******


 お読みくださりありがとうございます。
 ヤンデレ寸止め、微ヤンデレ、ヤンデレ化させない、ぎりぎりくらいでしょうか。
 もうちょっと大丈夫な方はおつきあいくださると嬉しいです。
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