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番外編
私の前に現れた運命の相手 ※
しおりを挟む* グレイソン視点
フレイア様のことは、生まれた時から知っている。
初めてお会いしたのは私が四歳だったけれど、小さな彼女が私の指をぎゅっと握った時、この子は私のものだと思った。
他にも王女様はいるし、その後に生まれた王女さまもいたけれど、私の目にはフレイア様が誰より可愛く、美しく見えた。
言ってみれば運命を感じた。
だから幼い頃から父親に彼女と結婚したいと言っていたけれど笑ってかわされてきた。
本気なのに。
さらに、歳の近さで第四、第五王女はどうかと聞き返されたくらいで。
ちなみに第四王女は王妃の子、第五王女は即妃の子で、二人とも同じ年に生まれた。
実際、私が十四、五歳の時第五王女との婚約の話が浮上したが、お互いに望まなかった為、すぐに立ち消えたしその後第五王女は新興国へ嫁いで行った。
フレイア様はいつ見ても愛らしい。
婚約も決まる前から、彼女に似合うだろうと密かにプレゼントを用意していたし、お会いできた日は日記に書いた。
それから、粘り強く待った甲斐があり、私が十九歳の時に婚約が整った。
「グレイソン、よろしくね」
差し出されたフレイア様の小さな手に、何でもないような顔でそっと口づけ、一緒に庭園を歩いた。
十六歳の少女を怖がらせまいと近づきすぎないよう節度を保つ。
婚約のことも納得しているようだし、嫌がる様子もないことにほっとした。
もし嫌がられたら、結婚後は部屋に閉じ込めてしまえばいいと思っていたけれど。
婚約して半年ほどした頃、結婚式に着るドレスのデザインを決めると聞いた。
楽しそうに話すから、だんだんと実感がわいてくる。
フレイア様はあまり、恋愛ごとに興味がないのか他の男に目を向けないのも好ましい。
ちゃんと私の目を見て話してくれる。
幼いと言うわけでもないし、誠実な人柄なのだと思う。
政略結婚前に他の男とハメを外すご令嬢もそれなりに見かけたから、監視が必要かと思ったけれど全くそんなこともなく。
少し驚いたのは成人してからお酒をたしなまれるようになったこと。
人前で醜態を晒すことはないから、黙認していた。
結婚後に一緒に楽しめると想像して。
ただ、大量の酒を部屋に用意させて、最近仲良くなった男爵令嬢と人払いをして部屋にこもっていると聞いた時は、いてもたってもいられなくなった。
その令嬢におかしなところはないものの、あやしげな茶色い液体を持っていたとフレイア様の侍女から連絡があった。
しばらく近くに控えていると、顔を赤くしてご機嫌の男爵令嬢が出て来た。
通りがかった風を装った侍女に何か伝えて去っていく。
「彼女は何と?」
「フレイア様が飲み過ぎたようだから、世話をしてほしいと」
「……私も行く」
部屋の中はすっきりと片付いていて、彼女がいない。
初めて入ったから部屋の中をじっくり見たかったが、まず彼女の無事を確認しないとならない。
テラスのテーブルに突っ伏している彼女をみて慌てて近づいた。
「……フレイア様」
すやすやと眠る彼女に脱力する。
しかし、落ち着いて周りを見ると転がる大量の酒瓶に口元が引きつる。
過度のアルコール摂取で万一があってはいけないと、侍女に寝室に案内させてベッドに寝かせた。
隣の部屋で待機するよう声をかけて、彼女の寝顔を見守る。
初めは本当に見守っていただけだった。
誘惑に勝てず、彼女の頬を撫で唇を重ねた。
甘くて、変わった香りがする。
彼女自身がまるで媚薬のようだ。
いや、本物の媚薬か?
吐息を漏らしたから、ベッドサイドの水差しから水をグラスに注ぎ、一口含んで彼女に飲ませた。
「んっ……」
こくんと喉が動き、また薄く口を開けるから喉の渇きが癒えるまで何度も何度も水を飲ませた。
可愛くて、愛しい婚約者。
思わず舌を差し込み、愛らしい口内を探る。
「んっ……? ふぅ……、んんっ」
彼女が無意識に舌を動かす。
もしかして口づけた経験がある?
全部上書きしようと口内を余すところなく探る。
そうしてるうちに息苦しくなった彼女が目を覚ました。
それからは彼女に触れることをためらいはしなかった。
「いい、ですね……」
横たわった私にまたがったフレイアが陰茎を脚の間に当てた。
ずぶずぶと飲み込む様は痛々しくもみえるのにみだらでいやらしい。
「んっ……はぁ……」
「動いていいですか?」
軽く下から突き上げると、潤んだ瞳で見つめてくる。
「あっ……待って……! ぁあっ!」
彼女は快楽に弱い。
私のせいでこうなるんだと持ち上げるから、ますます彼女を乱してしまう。
きっと体の相性もいいのだろう。
とはいえ本当はベッドに縛りつけておきたいくらいなのに。
一緒に出かけたいと望むから、それならと二人でどこへでも行く。
楽しそうにする彼女の顔を見ているとこれも悪くないと思う。
フレイアが私の隣で笑っている限り。
「グレイっ、動いてっ……」
物足りなくなった彼女が私の唇を求めた。
「かわいい、私の最愛の人」
舌を絡めながら下から突き上げる。
口の中で彼女の嬌声が漏れる。
達して蠢く内壁を味わいながら突き上げるのは止めない。
「グレイ……奥にっ、ちょうだい」
「フレイア、もう少し」
彼女をもう一度、絶頂に追い上げてから望みどおり奥に叩きつけるように吐き出した。
「……っあぁ……、グレイ、すき……」
彼女の心からの声が私を満たしていく。
「私も、愛してます」
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