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雪女、vs???
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モエを雷で射抜いたエレナは虚しい気持ちに包まれていた。もしかしたら自分のことを救ってくれるかもしれない。ほんの僅かだか、そう期待していた。
そんないつも優しくて一生懸命な可愛い後輩は、自分の魔法一発であっさり死んでしまった。
「あははははは…。」
エレナは笑った。もう笑うしかなかった。どんなに嫌な出来事も、笑っていれば吹き飛ばせると思った。
そんなエレナの姿を、バラとサボテンの魔物はじっと見つめていた。モエが魔法で生み出した魔物だった。主人が死んだというのに、まだこの場に立ち尽くしているままだった。
「…何見てんだよクソが。」
エレナはイラッとして植物の魔物に毒を吐く。言葉が通じるかどうかも分からない相手に声を掛けてしまい、心底馬鹿馬鹿しくなった。
「……え?」
…おかしい。エレナは違和感に気付いた。モエの魔力で作られた魔物だ。モエが死んだのに、魔物が生きているままなのはありえなかった。
「なんでこいつらまだ…。」
頭が混乱して狼狽えるエレナ。次の瞬間。
「いぎっ!?あがぁッ!!」
突然バラとサボテンの魔物がエレナに抱きついてきた…!エレナの体に複数のトゲが突き刺さる。痛みで悲鳴を上げる。
「痛っ…痛いッ…!!
クソッ…!!」
エレナは振り解こうとするが、体を動かせば動かすほどトゲが体に突き刺さる。両腕も魔物にガッチリホールドされている。反撃も逃走も出来ず、今度こそエレナは完全に拘束されていた。
「……。」
モエがゆっくりと立ち上がる。エレナは青ざめていた…。心臓を狙ったのだ。ショック死するに決まっている。目の前で立ち上がるモエはゾンビか幽霊かとすら思っていた…。
「な…なんであなた…。」
震える声でモエに尋ねる。顔を見るのが怖かった。自分のことを呪い殺そうと睨み付けてくるんじゃないかと怯えていた。
モエは力強い顔でエレナを見ていた。
「私を、なめるなッ!!」
…今のは誰の声だ…?エレナは硬直した…。目の前にはモエしかいない。だが、モエはあんな声でも喋り方でもなかった…。あまりの迫力に気圧されていた。
モエは突然、制服のブレザーを脱ぎ捨てた。
「き…木の枝…!?」
モエの体には木の枝がぐるぐる巻きに巻き付いていた。
「木は絶縁体っす…。
雷を通さないんすよ…。」
モエはエレナと戦うことになるだろうと予想していた。雷対策に木の防具をあらかじめ身に付けていたのだ。
「私はSランクの
あなたに勝った。」
「私はあなたより
強い…ッ!!」
「…うぐっ!?」
力強い口調でエレナに勝利宣言するモエ。エレナは手も足も、ぐうの音も出なかった…。
「だから…私も
Sランクになるっすよ。」
「……え?」
「Sランクにもなるし、
魔物にだって一緒に
なってやるっす…!」
「地獄にだって一緒に
落ちてやる…!!」
「私はそんなの全然
怖くない…ッ!!」
ここに来てモエは限界を迎えてしまった。涙が止まらなくなる。でも最後までちゃんと、自分の気持ちを伝えたかった。
「…私は……ッ!!」
「一人になるのが…
一番怖い…っ!!」
「……!!」
エレナの目からも涙が溢れる。モエの言葉はトゲよりも深く心に突き刺さっていた。魔物になるのを怖がっていた自分が急に情けなくなった…。
「で…でも私…あぁ…
あなたにひど…ひぐッ…
酷いことを…うぅッ!!」
「エレナ先輩…。
お願いします…。」
「私たちの元に…
帰ってきてください…。」
そう言い終えるとモエはその場に倒れた。バラとサボテンの魔物は一気に枯れてしまった。
「モエっ…!!」
エレナはモエに駆け寄る。急いでモエの脈を測る。自分の心臓の鼓動でモエの脈がよく分からなかった…。気持ちを落ち着けてモエの脈を確認する…。
モエは気絶しただけのようだった。
「モエ…ごめんっ…!!
本当に…ごめんね…!!」
「ううううううッ…!!
うわああああああッ!!」
エレナはモエを抱き締めながら号泣していた。人間の感情を取り戻したかのようであった…。
その頃、モエのおかげでユキは怪しい通路の奥の奥へと突き進んでいた。一体ここはなんなのか。リンはどこにいるのか。何も分からなくて不安な気持ちに襲われていた。
その時、少し広い空洞が見えた。岩肌にドアがいくつか設置されている。部屋の入口のようであった。
その空洞にはよく見知った人物が立っていた。
「ロ、ローグ先生…!」
「…ユキさん!?
何故ここに…!?」
特に隠す必要も感じず、ユキは正直にローグ先生に自分の目的を話そうと思った。経緯を聞いたローグ先生が味方になってくれればこれほど頼もしいことはなかった。
「なるほど…リンさんの
様子がおかしいのを
心配してここまで…。」
「先生こそこんなところで
何をしてるんですか…!?」
当然の質問だった。こんな怪しい場所に先生がいるのはどう考えてもおかしい。ローグ先生は事の経緯の説明を始めた。
「私は何やら学校で不穏な
動きがあることに
気付いていました…。」
「独自に調査を
していたのですが、
ミスティ先生が
学校の外に出ていくのを
見てしまったんです…!」
「それで気付かれぬよう
慎重に後を付けたら、
この謎の施設に
辿り着いたのです…!」
「ミスティ先生が…!?」
ミスティ先生は確かにいつも怪しかった…。どんな人物なのか。何を考えているのかもユキには見当もつかなかった。
「彼女がここで一体
何を企んでいるのか…。
一刻も早く突き止め
なくては…。」
ミスティ先生がリンを酷い目に遭わせているかもしれない…。考えたくはなかった。でもそれが本当なら、絶対に食い止めなくては…!ユキは闘志を燃やしつつ空洞を再度確認する。
「いくつか扉が
ありますよね…?手分けして
探しましょうか?」
「そうですね…。
では私は向こうを…。
ユキさんはあちらを
お願いします…!」
「はい!分かりました…!」
ユキは力強くドアノブに手を掛けた。
『ガキィンッ!!』
…ユキは氷の壁を背後に作り、ナイフを受け止めていた。
「困りましたね…。」
「今ので信じてもらえると
思っていたのですが。」
ナイフを構えながらローグ先生は酷くガッカリしているようだった。ユキは背を向けたままローグ先生を睨み付けて言い放つ。
「…昔、ある親友が
教えてくれたんです。」
「大人の言うことは
信じちゃ駄目だって…。」
「いけませんねそれは…。
…悪いお友達です。」
ローグ先生は醜悪な笑顔で、ユキの親友を侮辱していた。
そんないつも優しくて一生懸命な可愛い後輩は、自分の魔法一発であっさり死んでしまった。
「あははははは…。」
エレナは笑った。もう笑うしかなかった。どんなに嫌な出来事も、笑っていれば吹き飛ばせると思った。
そんなエレナの姿を、バラとサボテンの魔物はじっと見つめていた。モエが魔法で生み出した魔物だった。主人が死んだというのに、まだこの場に立ち尽くしているままだった。
「…何見てんだよクソが。」
エレナはイラッとして植物の魔物に毒を吐く。言葉が通じるかどうかも分からない相手に声を掛けてしまい、心底馬鹿馬鹿しくなった。
「……え?」
…おかしい。エレナは違和感に気付いた。モエの魔力で作られた魔物だ。モエが死んだのに、魔物が生きているままなのはありえなかった。
「なんでこいつらまだ…。」
頭が混乱して狼狽えるエレナ。次の瞬間。
「いぎっ!?あがぁッ!!」
突然バラとサボテンの魔物がエレナに抱きついてきた…!エレナの体に複数のトゲが突き刺さる。痛みで悲鳴を上げる。
「痛っ…痛いッ…!!
クソッ…!!」
エレナは振り解こうとするが、体を動かせば動かすほどトゲが体に突き刺さる。両腕も魔物にガッチリホールドされている。反撃も逃走も出来ず、今度こそエレナは完全に拘束されていた。
「……。」
モエがゆっくりと立ち上がる。エレナは青ざめていた…。心臓を狙ったのだ。ショック死するに決まっている。目の前で立ち上がるモエはゾンビか幽霊かとすら思っていた…。
「な…なんであなた…。」
震える声でモエに尋ねる。顔を見るのが怖かった。自分のことを呪い殺そうと睨み付けてくるんじゃないかと怯えていた。
モエは力強い顔でエレナを見ていた。
「私を、なめるなッ!!」
…今のは誰の声だ…?エレナは硬直した…。目の前にはモエしかいない。だが、モエはあんな声でも喋り方でもなかった…。あまりの迫力に気圧されていた。
モエは突然、制服のブレザーを脱ぎ捨てた。
「き…木の枝…!?」
モエの体には木の枝がぐるぐる巻きに巻き付いていた。
「木は絶縁体っす…。
雷を通さないんすよ…。」
モエはエレナと戦うことになるだろうと予想していた。雷対策に木の防具をあらかじめ身に付けていたのだ。
「私はSランクの
あなたに勝った。」
「私はあなたより
強い…ッ!!」
「…うぐっ!?」
力強い口調でエレナに勝利宣言するモエ。エレナは手も足も、ぐうの音も出なかった…。
「だから…私も
Sランクになるっすよ。」
「……え?」
「Sランクにもなるし、
魔物にだって一緒に
なってやるっす…!」
「地獄にだって一緒に
落ちてやる…!!」
「私はそんなの全然
怖くない…ッ!!」
ここに来てモエは限界を迎えてしまった。涙が止まらなくなる。でも最後までちゃんと、自分の気持ちを伝えたかった。
「…私は……ッ!!」
「一人になるのが…
一番怖い…っ!!」
「……!!」
エレナの目からも涙が溢れる。モエの言葉はトゲよりも深く心に突き刺さっていた。魔物になるのを怖がっていた自分が急に情けなくなった…。
「で…でも私…あぁ…
あなたにひど…ひぐッ…
酷いことを…うぅッ!!」
「エレナ先輩…。
お願いします…。」
「私たちの元に…
帰ってきてください…。」
そう言い終えるとモエはその場に倒れた。バラとサボテンの魔物は一気に枯れてしまった。
「モエっ…!!」
エレナはモエに駆け寄る。急いでモエの脈を測る。自分の心臓の鼓動でモエの脈がよく分からなかった…。気持ちを落ち着けてモエの脈を確認する…。
モエは気絶しただけのようだった。
「モエ…ごめんっ…!!
本当に…ごめんね…!!」
「ううううううッ…!!
うわああああああッ!!」
エレナはモエを抱き締めながら号泣していた。人間の感情を取り戻したかのようであった…。
その頃、モエのおかげでユキは怪しい通路の奥の奥へと突き進んでいた。一体ここはなんなのか。リンはどこにいるのか。何も分からなくて不安な気持ちに襲われていた。
その時、少し広い空洞が見えた。岩肌にドアがいくつか設置されている。部屋の入口のようであった。
その空洞にはよく見知った人物が立っていた。
「ロ、ローグ先生…!」
「…ユキさん!?
何故ここに…!?」
特に隠す必要も感じず、ユキは正直にローグ先生に自分の目的を話そうと思った。経緯を聞いたローグ先生が味方になってくれればこれほど頼もしいことはなかった。
「なるほど…リンさんの
様子がおかしいのを
心配してここまで…。」
「先生こそこんなところで
何をしてるんですか…!?」
当然の質問だった。こんな怪しい場所に先生がいるのはどう考えてもおかしい。ローグ先生は事の経緯の説明を始めた。
「私は何やら学校で不穏な
動きがあることに
気付いていました…。」
「独自に調査を
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ミスティ先生が
学校の外に出ていくのを
見てしまったんです…!」
「それで気付かれぬよう
慎重に後を付けたら、
この謎の施設に
辿り着いたのです…!」
「ミスティ先生が…!?」
ミスティ先生は確かにいつも怪しかった…。どんな人物なのか。何を考えているのかもユキには見当もつかなかった。
「彼女がここで一体
何を企んでいるのか…。
一刻も早く突き止め
なくては…。」
ミスティ先生がリンを酷い目に遭わせているかもしれない…。考えたくはなかった。でもそれが本当なら、絶対に食い止めなくては…!ユキは闘志を燃やしつつ空洞を再度確認する。
「いくつか扉が
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探しましょうか?」
「そうですね…。
では私は向こうを…。
ユキさんはあちらを
お願いします…!」
「はい!分かりました…!」
ユキは力強くドアノブに手を掛けた。
『ガキィンッ!!』
…ユキは氷の壁を背後に作り、ナイフを受け止めていた。
「困りましたね…。」
「今ので信じてもらえると
思っていたのですが。」
ナイフを構えながらローグ先生は酷くガッカリしているようだった。ユキは背を向けたままローグ先生を睨み付けて言い放つ。
「…昔、ある親友が
教えてくれたんです。」
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