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プロローグ
明日、世界が終わるなら
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それは、図書館で雑誌を読んでいるときだった。
向かいの席で本をやけに大きな音で閉じると、幼なじみで親友でもある彼は一言呟いた。
「明日世界が終わるなら、葵はどうする?」
「それ、そんなお話だったの?」
私が彼が置いた本を指差す。
「うーん、まあ、そんなとこかな。」
彼は鼻の頭をぽりぽりと掻きながら答えた。
今、嘘をついたな。これは彼が嘘をつくときにする癖だ。私に嘘が見破れないとでも思ったのか。かれこれ十数年も幼なじみをやっている、この私が。
嘘を突きつける代わりに彼の本をひょいと取り上げるとペラペラと軽く中身を確認する。
やっぱり全然違う。一国の王子が盗賊にさらわれたお姫様を助けに行くお話じゃん。世界が終わるどころか、二人の世界が出来上がっちゃってるよ。
質問した意味に大体の見当はついているので、私は溜め息をつき小声ながらも強い口調で言った。
「で、なんでそんな話?また、変な番組なんか見て心配してるわけ?」
「・・・えへへ」
「図星かい。も~・・・まぁた心配して眠れなかったんでしょ。世界が終わるわけないじゃない。もし終わるんだったら、今頃ニュースでもばんばん流されてるでしょ」
彼はあー、確かに、と感心したように呟く。全く、私よりも成績はいい癖に、オカルト系は何でもすっと信じて怖がってしまうのが彼の悪いところだ。まあ、そんなところがクラスの皆から慕われるのだろうが。
私がそんなことを悶々と考えていると、彼は小声でぼそりと呟いた。
「もう怖くはないけど、葵が最後の日に何するかは気になる」
彼の恐怖心は興味心へと変わっていた。毎回切替が早すぎる彼に呆れながらも、私は照れ隠しのつもりで雑誌へと目を向けて言った。
「別に、私はこうやって二人で本を読んで、他愛ない話していられれば、それでいい」
「・・・そっか」
沈黙が続いた。私は雑誌を読んでいるふりをしながら、同じ質問を返してみる。
「そういうあんたは?何するの?」
「僕?僕は、うーん、何だろうな~・・・」
彼はいつものように、ふわふわとした声で呟いていた。彼がどんな仕草を、顔をしていたのかは分からない。
でも、分かったことが一つだけある。彼が、北野奏[きたのかなで]が消えてしまったということ。私との一日が、奏にとっての世界最後の一日となってしまったこと。それだけだ。
向かいの席で本をやけに大きな音で閉じると、幼なじみで親友でもある彼は一言呟いた。
「明日世界が終わるなら、葵はどうする?」
「それ、そんなお話だったの?」
私が彼が置いた本を指差す。
「うーん、まあ、そんなとこかな。」
彼は鼻の頭をぽりぽりと掻きながら答えた。
今、嘘をついたな。これは彼が嘘をつくときにする癖だ。私に嘘が見破れないとでも思ったのか。かれこれ十数年も幼なじみをやっている、この私が。
嘘を突きつける代わりに彼の本をひょいと取り上げるとペラペラと軽く中身を確認する。
やっぱり全然違う。一国の王子が盗賊にさらわれたお姫様を助けに行くお話じゃん。世界が終わるどころか、二人の世界が出来上がっちゃってるよ。
質問した意味に大体の見当はついているので、私は溜め息をつき小声ながらも強い口調で言った。
「で、なんでそんな話?また、変な番組なんか見て心配してるわけ?」
「・・・えへへ」
「図星かい。も~・・・まぁた心配して眠れなかったんでしょ。世界が終わるわけないじゃない。もし終わるんだったら、今頃ニュースでもばんばん流されてるでしょ」
彼はあー、確かに、と感心したように呟く。全く、私よりも成績はいい癖に、オカルト系は何でもすっと信じて怖がってしまうのが彼の悪いところだ。まあ、そんなところがクラスの皆から慕われるのだろうが。
私がそんなことを悶々と考えていると、彼は小声でぼそりと呟いた。
「もう怖くはないけど、葵が最後の日に何するかは気になる」
彼の恐怖心は興味心へと変わっていた。毎回切替が早すぎる彼に呆れながらも、私は照れ隠しのつもりで雑誌へと目を向けて言った。
「別に、私はこうやって二人で本を読んで、他愛ない話していられれば、それでいい」
「・・・そっか」
沈黙が続いた。私は雑誌を読んでいるふりをしながら、同じ質問を返してみる。
「そういうあんたは?何するの?」
「僕?僕は、うーん、何だろうな~・・・」
彼はいつものように、ふわふわとした声で呟いていた。彼がどんな仕草を、顔をしていたのかは分からない。
でも、分かったことが一つだけある。彼が、北野奏[きたのかなで]が消えてしまったということ。私との一日が、奏にとっての世界最後の一日となってしまったこと。それだけだ。
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