異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈

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#102 鰹節削り器を作って貰おう

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 問題は鰹節の削り方だが、これは木製工房に道具作成を頼もうと思っていた。それしか手が無かった。

「ありがとうサユリ。じゃあ、あ、卵。もう出来てるかな」

「良いのでは無いカピ? 取って来るカピよ。あ、鰹は見られない様に袋に入れるカピ」

 鰹は言われた通りにして、壱はまた燻製小屋に入り、茹で卵のトレイを取って来る。煙で眼が痛いのを我慢して。

 良い色になっていた。美味しそうである。

「何で4つも?」

 サユリに聞くと、しれっと答えられる。

「アリバイ作りみたいなものカピ」

 どういう事かと思っていると。

「あ、サユリさん、そちらはイチさんですよね? さっきはご挨拶出来なくてごめんなさい。卵は出来ました?」

 マゼラが姿を現した。

「出来たカピ。まぁ、マゼラもひとつ食べるカピよ」

「ええっ? 良いんですか? わぁっ! ありがとうございます! いただきます!」

 マゼラは嬉しそうに笑みを浮かべると、燻製卵を手にし、躊躇いなく口にした。

「あああ~美味しいですねぇ~。なかなか食べられないですから~。しかも半熟~」

 元から下がり気味だった目尻を更に下げて喜ぶマゼラ。

「なら良かったカピ。では我らは帰るカピ。助かったカピ」

「いいえいえー。こちらこそご馳走様でした」

 マゼラに見送られながら、燻製小屋を離れ、牧場を出る。

「そっか。卵は注意を引きつける為か。卵の燻製をしに来たって言う」

「そうカピ。鰹に時間魔法を使う為の偽装工作カピ」

「なるほどな。あ、木製工房に寄りたいんだけど」

「良いカピよ」

 壱たちは木製工房に到着する。ドアをノックすると、中から「あいよっ」と野太い声が返って来る。

「こんにちは」

「おう、店長んとこの坊主とサユリさんか! 今日はどうした?」

 ドワーフのロビンは、相変わらず豪快である。

「作って欲しいものがあって。ええっと、かんなを引っくり返した様な器具なんですけど」

「ふんふん」

 壱は鰹節削り器の形状を説明する。

「なるほどな! なら新品の鉋があっからよ、それで作れそうだな。ちょいとその辺に座って待ってろ、すぐに作ってやっからよ!」

 椅子はその辺にごろごろある。壱は作業の邪魔にならない様にと、壁際の椅子に掛け、サユリもその隣の椅子に上がった。

 鰹節を削る部分、鉋台かんなだいは刃の出方を調整する為、刃が本体に接着されていない。そしてメインの刃を固定する為に、もう1枚金属片が挟まれている。

 それは木を削る鉋と全く同じ構造である。なので弄る必要は無さそうだ。

「作るのは下の箱だな」

 ロビンは棚から幾つかの木の板材を取り出すと、サイズを測ってのこぎりで切って行く。端はやすりを掛ける。

 それぞれの板材に溝を掘り、その溝が上部に来る様に箱型に組んで行く。接着はボンドで。

「食いもん入れんだろ? なら錆びちまう釘よりボンドだな!」

 そうして、短辺の1辺が少し低い箱が完成する。溝に鉋を差し込んで、出来上がりである。

「おう坊主、こんなもんでどうだ?」

 手渡され、四方八方から見てみると、壱の見覚えがある鰹節削り器そっくりのものだった。

「ロビンさん凄い! ありがとうございます!」

「良いって事よ。しかしこんなの何に使うんだ?」

 用途は説明していなかった。

「食堂でもその内使う予定なんです。俺らの世界の料理に必要で」

「へぇ? いろんなもんがあるんだなぁ」

 ロビンは感心した様に声を上げた。
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