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5章 最初で最後の贈り物
第1話 せめて一緒に逝けるなら
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まだまだ暑い昼間に比べ、気持ちの良い風が吹く様になって来た夕方近く、仕事中の拓真は次に行こうと死神手帳を開く。
1番上の欄にあったのは若い、と言っても拓真や真守よりも年上の女性だった。
拓真はその欄をタップし、光った建物に向かって飛んで行く。着いた先は2階建てのこじんまりとした病院。光は2階から漏れていて、看板を見ると産婦人科だった。
拓真は嫌な予感がし、ごくりと喉を鳴らす。
本来産婦人科は生命が誕生するところだ。もちろん婦人科系の病気もあるから、その限りでは無いのだが。
男の拓真は詳しく無いのだが、婦人科系疾患で生命に関わるほどなら、総合病院などの医療環境が充実している病院に転院するのでは無いだろうか。
この産婦人科の環境の充実具合は判らないが、建物の劣化を見ると、最新鋭の機器とは結び付かない。勝手な思い込みなのだが。
建てた時には白かっただろう外壁は所々グレイに染まり、一部塗装が剥がれてしまっている。恐らく経年劣化。それだけ歴史のある産婦人科なのだろう。
産婦人科は男の拓真にとって、尻込みしてしまいそうになる場所だ。だが意を決して、おそるおそる光る部屋へと入って行った。
病室に響き渡る悲痛な鳴き声に、拓真は耳を塞ぎたくなった。悲しみの叫びはいつまで経っても慣れない。
初老の夫婦らしきふたりが肩を寄せ合い、はらはらと涙を流していた。ベッドに縋り付いて鳴き声を上げているのは若い男性と初老の女性。その女性の両肩を労わる様に手を添えるのは初老の男性。
ベッドに横たわっているのは、若い女性と小さな小さな赤ん坊だった。そこで自ずとここにいる人たちの関係性が想像できる。そして起こってしまったことも。
女性から抜け出た魂は、赤ん坊から抜け出ている魂をしっかりと胸に抱き、悔しげに顔を歪ませて涙を流していた。
赤ん坊については死神手帳に無かった。まだ産まれておらず、死者としてカウントされていないのだろう。
母体の影響が赤ん坊に及んだのか、死産から母体が保たなかったのか、それは判らない。
声を掛けるのも躊躇われるが、拓真の立場からすると、仕事を優先せねばならない。
「……内山沙世利さんですか?」
拓真がそぅっと聞くと、女性は涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。
「あな、たは」
震える唇がそれだけを紡ぐ。
「死神です」
拓真が応えると、女性はかっと血走った目を見開き「あ、あの!」と声を上げた。
「私は良いんです! でもこの子は、この子だけは! もう25週なんです! 早産でも産んであげられるんです! だから、だから……!」
女性は必死な表情で訴える。もちろんできることなら救ってあげたい小さな生命。だが魂が出てしまっているということは、もうどうにもできないのだ。
拓真はつい顔をしかめてしまう。目を伏せると、女性はそれが返事だと受け取ったのだろう。絶望の表情を浮かべた。
「また……、産んであげられなかった……っ!」
女性は赤ん坊の魂に顔を埋め、肩を震わせながらさめざめと泣いた。拓真は掛けられる言葉も無く、女性が幾ばくかでも落ち着くのを待つしか無かった。
どれぐらいの時間が経っただろうか。少しばかり冷静さを取り戻した女性が虚ろなままの顔を上げた。
「……取り乱してしまってごめんなさい」
「いえ、無理も無いことですから」
「この子を助けてあげることはできないんですね」
「はい。申し訳無いんですけども」
「私って、本当に子どもに恵まれないのね……」
拓真がはっきりと言うと、女性は自嘲気味に苦笑した。
「死神ということは、私たちを迎えに来てくれたんでしょうか」
「はい。魂と身体を切り離して、三途の川にご案内します」
そこで女性はまたはっと目を開いた。
「あの、魂を切り離さなかったら生き返るなんてことは」
「無いんです。すいません」
拓真が申し訳無さげに言うと、女性はまた落胆の表情を浮かべる。
「……そうなんですね。未練がましくてごめんなさい」
「いえ」
気持ちが解る、なんて言えない。親になったことの無い拓真が想像するには余りある。
以前マコトちゃんの両親に会いに行った時にも、ふたりは痛々しいほどに憔悴していた。
だが拓真の両親も、拓真と言う我が子を喪っている。そこには共通する何かがあるのかも知れない。
親が子どもを思う気持ちは、子どもにとっては大きすぎて、とても受け止められるものでは無い。甘やかしていずとも、その愛情は子どもの未熟な心を溢れさせる。
だからこそ子どもは親に甘えることができる。諌められても受け入れることができる。例え反発しても心の奥底で理解をする。それが後の糧になる。
この女性も無事に赤ん坊を産むことができていたなら、精一杯の愛情を注いで育んだのだろう。
「あの、あらためてお伺いします。内山沙世利さんですか?」
「はい。内山です。間違いありません」
そう応えながらも、内山さんの視線は腕の中の赤ん坊の魂に注がれている。赤ん坊はまだ未熟な瞼を小さく震わせていた。
今の状況を納得されたのか、内山さんの表情は穏やかだった。我が子を見る目はとても暖かく、慈しみに溢れている。
「これから魂を切り離します。おふたり同時に行きますので、しっかりと赤ちゃんを抱いていてくださいね」
「は、はい」
顔を上げた内山さんは少しばかり緊張した表情を浮かべ、ぎゅっと目を閉じ赤ん坊を強く抱き締める。
「痛みとかは全くありませんから」
拓真は鎌を振り上げる。勢い良く下ろすと、身体から離れた内山さんと赤ん坊がふわりと浮かんだ。
「終わりました」
拓真が言うと内山さんはそっと目を開き、赤ん坊の頭をふわりと撫でた。
「……この子だけじゃ無くて、せめて私も一緒に行けて良かった。今までは見送ることしかできなかったから」
内山さんはぽつりと言うと、また赤ん坊をぎゅっと抱き締めた。
「行きましょうか。大丈夫ですか?」
拓真が言うと、内山さんは「ええ」と言いながら力なく微笑んだ。そしてようやく自分の身体を取り囲む人たちを見て「あ……」と表情を曇らす。
「秀人さんあんなに泣いて…、パパもママも」
秀人さんとは恐らく旦那さんだろう。内山さんに取り縋って泣いているのがお母さん。後ろにいるのがお父さん。
もう一組の初老の男女は、多分お舅さんとお姑さんか。
「やだ、お姑さんまで泣いちゃって」
内山さんは言うと苦笑した。もしかしたらお姑さんとの仲は良く無かったのだろうか。
「秀人さんとパパとママを悲しませちゃったのは申し訳無かったな。私、親不孝しちゃったわね」
内山さんは言うと、自嘲気味に笑う。気持ちが解るだけに、拓真は何も言えなかった。
「……行きましょうか」
「ええ。長々とごめんなさいね」
内山さんはどこか吹っ切れた様に言うと、病室を出る拓真に付いて来た。
病院を屋根から見下ろせるところまで来ると、内山さんの腕の中の赤ん坊がぐずりだした。
「ふあ、あぐ、あ」
「あらあら」
内山さんの顔は母性で溢れている。ふわりと微笑んで「よしよし」と赤ん坊をあやした。
拓真はつい微笑ましくなる。ふいと赤ん坊を覗き込んで「可愛いですね」と素直な感想を言った。
「ありがとう。もうちゃんとひとりの人間なのね。可愛いわねぇ」
そう言って赤ん坊を優しく揺らす内山さんは、本当に幸せそうだった。赤ん坊もたどたどしく小さな小さな手を内山さんに伸ばす。
まるで死んでいるなんて思えないほどに、むしろ神々しくさえ見えた。
すると内山さんは「あ、あの」と言い辛そうに拓真を見る。
「できたらで良いんだけど、この子にお乳あげてみても良いかしら」
拓真は一瞬ぽかんとしてしまう。内山さんは顔を赤くして慌てた。
「あ、あの、ごめんなさい。産んでいないのに出るわけ無いと思ってるんだけど、でもあの、あげてみたくて」
それがきっと母親の本能なのだ。我が子のお腹を満たしてあげたい。拓真はくすりと笑って「良いですよ」と応える。
「あ、ありがとう! ありがとう!」
満面の笑みになった内山さんはそう言って、何度も頭を下げた。今度は拓真が焦る番だ。
「だ、大丈夫ですから。ああ、じゃあうちに行きましょうか。外でってわけには行かないですからね」
「死神さんのお家、ですか?」
「はい」
首を傾げる内山さんに、拓真はにっこりと微笑んだ。
1番上の欄にあったのは若い、と言っても拓真や真守よりも年上の女性だった。
拓真はその欄をタップし、光った建物に向かって飛んで行く。着いた先は2階建てのこじんまりとした病院。光は2階から漏れていて、看板を見ると産婦人科だった。
拓真は嫌な予感がし、ごくりと喉を鳴らす。
本来産婦人科は生命が誕生するところだ。もちろん婦人科系の病気もあるから、その限りでは無いのだが。
男の拓真は詳しく無いのだが、婦人科系疾患で生命に関わるほどなら、総合病院などの医療環境が充実している病院に転院するのでは無いだろうか。
この産婦人科の環境の充実具合は判らないが、建物の劣化を見ると、最新鋭の機器とは結び付かない。勝手な思い込みなのだが。
建てた時には白かっただろう外壁は所々グレイに染まり、一部塗装が剥がれてしまっている。恐らく経年劣化。それだけ歴史のある産婦人科なのだろう。
産婦人科は男の拓真にとって、尻込みしてしまいそうになる場所だ。だが意を決して、おそるおそる光る部屋へと入って行った。
病室に響き渡る悲痛な鳴き声に、拓真は耳を塞ぎたくなった。悲しみの叫びはいつまで経っても慣れない。
初老の夫婦らしきふたりが肩を寄せ合い、はらはらと涙を流していた。ベッドに縋り付いて鳴き声を上げているのは若い男性と初老の女性。その女性の両肩を労わる様に手を添えるのは初老の男性。
ベッドに横たわっているのは、若い女性と小さな小さな赤ん坊だった。そこで自ずとここにいる人たちの関係性が想像できる。そして起こってしまったことも。
女性から抜け出た魂は、赤ん坊から抜け出ている魂をしっかりと胸に抱き、悔しげに顔を歪ませて涙を流していた。
赤ん坊については死神手帳に無かった。まだ産まれておらず、死者としてカウントされていないのだろう。
母体の影響が赤ん坊に及んだのか、死産から母体が保たなかったのか、それは判らない。
声を掛けるのも躊躇われるが、拓真の立場からすると、仕事を優先せねばならない。
「……内山沙世利さんですか?」
拓真がそぅっと聞くと、女性は涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。
「あな、たは」
震える唇がそれだけを紡ぐ。
「死神です」
拓真が応えると、女性はかっと血走った目を見開き「あ、あの!」と声を上げた。
「私は良いんです! でもこの子は、この子だけは! もう25週なんです! 早産でも産んであげられるんです! だから、だから……!」
女性は必死な表情で訴える。もちろんできることなら救ってあげたい小さな生命。だが魂が出てしまっているということは、もうどうにもできないのだ。
拓真はつい顔をしかめてしまう。目を伏せると、女性はそれが返事だと受け取ったのだろう。絶望の表情を浮かべた。
「また……、産んであげられなかった……っ!」
女性は赤ん坊の魂に顔を埋め、肩を震わせながらさめざめと泣いた。拓真は掛けられる言葉も無く、女性が幾ばくかでも落ち着くのを待つしか無かった。
どれぐらいの時間が経っただろうか。少しばかり冷静さを取り戻した女性が虚ろなままの顔を上げた。
「……取り乱してしまってごめんなさい」
「いえ、無理も無いことですから」
「この子を助けてあげることはできないんですね」
「はい。申し訳無いんですけども」
「私って、本当に子どもに恵まれないのね……」
拓真がはっきりと言うと、女性は自嘲気味に苦笑した。
「死神ということは、私たちを迎えに来てくれたんでしょうか」
「はい。魂と身体を切り離して、三途の川にご案内します」
そこで女性はまたはっと目を開いた。
「あの、魂を切り離さなかったら生き返るなんてことは」
「無いんです。すいません」
拓真が申し訳無さげに言うと、女性はまた落胆の表情を浮かべる。
「……そうなんですね。未練がましくてごめんなさい」
「いえ」
気持ちが解る、なんて言えない。親になったことの無い拓真が想像するには余りある。
以前マコトちゃんの両親に会いに行った時にも、ふたりは痛々しいほどに憔悴していた。
だが拓真の両親も、拓真と言う我が子を喪っている。そこには共通する何かがあるのかも知れない。
親が子どもを思う気持ちは、子どもにとっては大きすぎて、とても受け止められるものでは無い。甘やかしていずとも、その愛情は子どもの未熟な心を溢れさせる。
だからこそ子どもは親に甘えることができる。諌められても受け入れることができる。例え反発しても心の奥底で理解をする。それが後の糧になる。
この女性も無事に赤ん坊を産むことができていたなら、精一杯の愛情を注いで育んだのだろう。
「あの、あらためてお伺いします。内山沙世利さんですか?」
「はい。内山です。間違いありません」
そう応えながらも、内山さんの視線は腕の中の赤ん坊の魂に注がれている。赤ん坊はまだ未熟な瞼を小さく震わせていた。
今の状況を納得されたのか、内山さんの表情は穏やかだった。我が子を見る目はとても暖かく、慈しみに溢れている。
「これから魂を切り離します。おふたり同時に行きますので、しっかりと赤ちゃんを抱いていてくださいね」
「は、はい」
顔を上げた内山さんは少しばかり緊張した表情を浮かべ、ぎゅっと目を閉じ赤ん坊を強く抱き締める。
「痛みとかは全くありませんから」
拓真は鎌を振り上げる。勢い良く下ろすと、身体から離れた内山さんと赤ん坊がふわりと浮かんだ。
「終わりました」
拓真が言うと内山さんはそっと目を開き、赤ん坊の頭をふわりと撫でた。
「……この子だけじゃ無くて、せめて私も一緒に行けて良かった。今までは見送ることしかできなかったから」
内山さんはぽつりと言うと、また赤ん坊をぎゅっと抱き締めた。
「行きましょうか。大丈夫ですか?」
拓真が言うと、内山さんは「ええ」と言いながら力なく微笑んだ。そしてようやく自分の身体を取り囲む人たちを見て「あ……」と表情を曇らす。
「秀人さんあんなに泣いて…、パパもママも」
秀人さんとは恐らく旦那さんだろう。内山さんに取り縋って泣いているのがお母さん。後ろにいるのがお父さん。
もう一組の初老の男女は、多分お舅さんとお姑さんか。
「やだ、お姑さんまで泣いちゃって」
内山さんは言うと苦笑した。もしかしたらお姑さんとの仲は良く無かったのだろうか。
「秀人さんとパパとママを悲しませちゃったのは申し訳無かったな。私、親不孝しちゃったわね」
内山さんは言うと、自嘲気味に笑う。気持ちが解るだけに、拓真は何も言えなかった。
「……行きましょうか」
「ええ。長々とごめんなさいね」
内山さんはどこか吹っ切れた様に言うと、病室を出る拓真に付いて来た。
病院を屋根から見下ろせるところまで来ると、内山さんの腕の中の赤ん坊がぐずりだした。
「ふあ、あぐ、あ」
「あらあら」
内山さんの顔は母性で溢れている。ふわりと微笑んで「よしよし」と赤ん坊をあやした。
拓真はつい微笑ましくなる。ふいと赤ん坊を覗き込んで「可愛いですね」と素直な感想を言った。
「ありがとう。もうちゃんとひとりの人間なのね。可愛いわねぇ」
そう言って赤ん坊を優しく揺らす内山さんは、本当に幸せそうだった。赤ん坊もたどたどしく小さな小さな手を内山さんに伸ばす。
まるで死んでいるなんて思えないほどに、むしろ神々しくさえ見えた。
すると内山さんは「あ、あの」と言い辛そうに拓真を見る。
「できたらで良いんだけど、この子にお乳あげてみても良いかしら」
拓真は一瞬ぽかんとしてしまう。内山さんは顔を赤くして慌てた。
「あ、あの、ごめんなさい。産んでいないのに出るわけ無いと思ってるんだけど、でもあの、あげてみたくて」
それがきっと母親の本能なのだ。我が子のお腹を満たしてあげたい。拓真はくすりと笑って「良いですよ」と応える。
「あ、ありがとう! ありがとう!」
満面の笑みになった内山さんはそう言って、何度も頭を下げた。今度は拓真が焦る番だ。
「だ、大丈夫ですから。ああ、じゃあうちに行きましょうか。外でってわけには行かないですからね」
「死神さんのお家、ですか?」
「はい」
首を傾げる内山さんに、拓真はにっこりと微笑んだ。
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