4 / 50
1章 碧、前職で奮闘する
第3話 思わぬアクシデント
しおりを挟む
「……へ?」
それからさらに半年。12月になったばかりの街はすっかりとクリスマスムードである。この店舗でもそこかしこにサンタクロースや雪だるまのシールでデコレーションがされていた。
出勤してすぐ、琴平店長にバックヤードに呼び出された碧は、話を聞いて、思わず間抜けな声を上げてしまったのだった。
その日の営業終わり、簡単な後片付けなどを済ませ、フロアにスタッフ全員が集まる。お店の奥に琴平店長が立ち、みんなが向かって適当に並んだ。
「今日も1日お疲れさまでした」
琴平店長の挨拶に、全員が「お疲れさまでした」と倣う。それからその日気付いたことや、反省点、意見や改善点などが並べられ。
「最後に。都倉さん」
碧が呼ばれ、「はい」とそそくさと前に出て、琴平店長に並んだ。みんな、驚いたり怪訝な表情だったりと様々だ。碧はみんなに見つめられ、思わず緊張してしまう。
「私ごとですが、実はこの度、産休と育休をいただくことになりました」
琴平店長の華やいだ様なせりふに、店内は「わぁ!」と喜びで沸き上がる。
「おめでとうございます!」
方々からそんな声が上がった。
「ありがとうございます」
琴平店長は嬉しそうにはにかむ。
琴平店長は既婚者で、お子さんを望んでいることは、碧を含む一部女性スタッフは知っていたので、本当におめでたいことだった。
「産休は来年2月からいただきます。そこで、この店舗の店長が都倉さんに代わります。み……」
「何でですか!」
琴平店長が言い終わらぬうちに、怒声の様なものが上がった。さすがに驚き、声を主を探すと、山原さんが興奮した様に顔を紅潮させて、眉を吊り上げていた。
「ぼくが店長になりたいんは、店長も知ってはったや無いですか! それやのに、何でそんな腰掛けなやつなんかが店長になるんですか!?」
ああ、やはりまだ誤解されたままだったか。あれから約1年半、山原さんはほとんど碧と会話はおろか、ろくに目を合わせようともしなかった。持ち場こそ隣ではあったが、お仕事上でも関わることがあまり無かったので、問題は無かったものの、良い傾向とは言えなかった。
そう振る舞うことで、山原さんはどんどん店長就任への道が閉ざされていっていたのに、本人はそれに思い至らなかった。
「山原くん、ちょっと向こうで……」
話の内容が内容なので、琴平店長は山原さんをバックヤードに促そうとした。だが激昂してしまっている山原さんはその配慮に気付かずに。
「何でなんですか!」
また大声を上げた。琴平店長は諦めた様な顔になり、細い息を吐いた。
「……山原くん、わたし、面談のときにいつも言うてるよね? その思い込みが激しいところが、店長になるには難しいって」
琴平店長が冷静に言うと、山原さんはうろたえた様に表情を変える。この「さつき亭」では1ヶ月に1度、短いが店長との面談がある。相談ごとなどがあれば琴平店長はいつでも聞いてくれるが、この面談は半年に1度の昇給や昇級などにも関わってくるものである。
山原さんはその度に、店長になりたいと訴えてきたのだろう。そしてそうなるためのアドバイスを受けてきた。にも関わらず、山原さんは変わらなかったのだ。
碧のお仕事を腰掛けと決めつけ、思い込み、無視を決め込んできた。碧は何も謝罪などを望んでいたわけでは無い。ただ普通に接して欲しかっただけだ。
琴平店長はそういったことももちろん把握していた。だから折を見て山原さんにも注意してきたし、誤解されている碧に対して便宜を図ろうとしてくれていた。幸い他のスタッフには恵まれていたから、碧はどうにかこれまで勤め続けることができた。
山原さんはきっと、自分の性格を把握していないのだろう。言われても自覚ができない。それもまた、思い込みの強い性格のひとつの特徴なのかも知れない。
「お、れは、思い込み激しくは無い、はずです」
山原さんはしどろもどろになって言うが、琴平店長はゆっくりと首を振った。
「あれから1年半も経ってんのに、まだ都倉さんのお仕事を腰掛けやと思ってることが何よりの証拠。都倉さんは真面目に働いてくれてる。ここをスキルアップの場やと思って、真剣にやってくれてる。山原くんも一生懸命やってくれてるんは分かってる。でもね、店長の資質って、それだけや無いんよ」
山原さんは愕然とした顔で、琴平店長の言葉を聞いている。琴平店長はまっすぐに山原さんを見据えていた。山原さんと誠実に向き合っているのだ。
琴平店長はきっと、面談のたびにそうしてきたのだと思う。だが山原さんに届かないまま、これまできてしまった。
山原さんはこの「さつき亭」が、そしてこの店舗が好きで、だからこそ店長になって、もっと盛り立てたいと思っているのだと思う。その気持ち、心意気はすごいと思うし、琴平店長もありがたいと思っているのでは無いだろうか。
ただその肝心の山原さんが、現状、店長になり得る器で無かったことだけが残念だ。
「都倉さんには向上心がある。お家の定食屋さんを継ぐために、力を付けようとしてる。せやからわたしは、都倉さんに次の店長を任せようと思ったんよ」
実のところ、この店舗の社員は琴平店長と山原さん、碧の3人である。なので消去法ともいえる。とはいえ、碧に資質が無ければ他店から他の社員を迎えれば良い話なのだから、やはりありがたいことに碧は、琴平店長のお眼鏡に叶ったということなのだ。
それからさらに半年。12月になったばかりの街はすっかりとクリスマスムードである。この店舗でもそこかしこにサンタクロースや雪だるまのシールでデコレーションがされていた。
出勤してすぐ、琴平店長にバックヤードに呼び出された碧は、話を聞いて、思わず間抜けな声を上げてしまったのだった。
その日の営業終わり、簡単な後片付けなどを済ませ、フロアにスタッフ全員が集まる。お店の奥に琴平店長が立ち、みんなが向かって適当に並んだ。
「今日も1日お疲れさまでした」
琴平店長の挨拶に、全員が「お疲れさまでした」と倣う。それからその日気付いたことや、反省点、意見や改善点などが並べられ。
「最後に。都倉さん」
碧が呼ばれ、「はい」とそそくさと前に出て、琴平店長に並んだ。みんな、驚いたり怪訝な表情だったりと様々だ。碧はみんなに見つめられ、思わず緊張してしまう。
「私ごとですが、実はこの度、産休と育休をいただくことになりました」
琴平店長の華やいだ様なせりふに、店内は「わぁ!」と喜びで沸き上がる。
「おめでとうございます!」
方々からそんな声が上がった。
「ありがとうございます」
琴平店長は嬉しそうにはにかむ。
琴平店長は既婚者で、お子さんを望んでいることは、碧を含む一部女性スタッフは知っていたので、本当におめでたいことだった。
「産休は来年2月からいただきます。そこで、この店舗の店長が都倉さんに代わります。み……」
「何でですか!」
琴平店長が言い終わらぬうちに、怒声の様なものが上がった。さすがに驚き、声を主を探すと、山原さんが興奮した様に顔を紅潮させて、眉を吊り上げていた。
「ぼくが店長になりたいんは、店長も知ってはったや無いですか! それやのに、何でそんな腰掛けなやつなんかが店長になるんですか!?」
ああ、やはりまだ誤解されたままだったか。あれから約1年半、山原さんはほとんど碧と会話はおろか、ろくに目を合わせようともしなかった。持ち場こそ隣ではあったが、お仕事上でも関わることがあまり無かったので、問題は無かったものの、良い傾向とは言えなかった。
そう振る舞うことで、山原さんはどんどん店長就任への道が閉ざされていっていたのに、本人はそれに思い至らなかった。
「山原くん、ちょっと向こうで……」
話の内容が内容なので、琴平店長は山原さんをバックヤードに促そうとした。だが激昂してしまっている山原さんはその配慮に気付かずに。
「何でなんですか!」
また大声を上げた。琴平店長は諦めた様な顔になり、細い息を吐いた。
「……山原くん、わたし、面談のときにいつも言うてるよね? その思い込みが激しいところが、店長になるには難しいって」
琴平店長が冷静に言うと、山原さんはうろたえた様に表情を変える。この「さつき亭」では1ヶ月に1度、短いが店長との面談がある。相談ごとなどがあれば琴平店長はいつでも聞いてくれるが、この面談は半年に1度の昇給や昇級などにも関わってくるものである。
山原さんはその度に、店長になりたいと訴えてきたのだろう。そしてそうなるためのアドバイスを受けてきた。にも関わらず、山原さんは変わらなかったのだ。
碧のお仕事を腰掛けと決めつけ、思い込み、無視を決め込んできた。碧は何も謝罪などを望んでいたわけでは無い。ただ普通に接して欲しかっただけだ。
琴平店長はそういったことももちろん把握していた。だから折を見て山原さんにも注意してきたし、誤解されている碧に対して便宜を図ろうとしてくれていた。幸い他のスタッフには恵まれていたから、碧はどうにかこれまで勤め続けることができた。
山原さんはきっと、自分の性格を把握していないのだろう。言われても自覚ができない。それもまた、思い込みの強い性格のひとつの特徴なのかも知れない。
「お、れは、思い込み激しくは無い、はずです」
山原さんはしどろもどろになって言うが、琴平店長はゆっくりと首を振った。
「あれから1年半も経ってんのに、まだ都倉さんのお仕事を腰掛けやと思ってることが何よりの証拠。都倉さんは真面目に働いてくれてる。ここをスキルアップの場やと思って、真剣にやってくれてる。山原くんも一生懸命やってくれてるんは分かってる。でもね、店長の資質って、それだけや無いんよ」
山原さんは愕然とした顔で、琴平店長の言葉を聞いている。琴平店長はまっすぐに山原さんを見据えていた。山原さんと誠実に向き合っているのだ。
琴平店長はきっと、面談のたびにそうしてきたのだと思う。だが山原さんに届かないまま、これまできてしまった。
山原さんはこの「さつき亭」が、そしてこの店舗が好きで、だからこそ店長になって、もっと盛り立てたいと思っているのだと思う。その気持ち、心意気はすごいと思うし、琴平店長もありがたいと思っているのでは無いだろうか。
ただその肝心の山原さんが、現状、店長になり得る器で無かったことだけが残念だ。
「都倉さんには向上心がある。お家の定食屋さんを継ぐために、力を付けようとしてる。せやからわたしは、都倉さんに次の店長を任せようと思ったんよ」
実のところ、この店舗の社員は琴平店長と山原さん、碧の3人である。なので消去法ともいえる。とはいえ、碧に資質が無ければ他店から他の社員を迎えれば良い話なのだから、やはりありがたいことに碧は、琴平店長のお眼鏡に叶ったということなのだ。
12
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
隠された第四皇女
山田ランチ
恋愛
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
あやかしが家族になりました
山いい奈
キャラ文芸
★お知らせ
いつもありがとうございます。
当作品、3月末にて非公開にさせていただきます。再公開の日時は未定です。
ご迷惑をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
母親に結婚をせっつかれている主人公、真琴。
一人前の料理人になるべく、天王寺の割烹で修行している。
ある日また母親にうるさく言われ、たわむれに観音さまに良縁を願うと、それがきっかけとなり、白狐のあやかしである雅玖と結婚することになってしまう。
そして5体のあやかしの子を預かり、5つ子として育てることになる。
真琴の夢を知った雅玖は、真琴のために和カフェを建ててくれた。真琴は昼は人間相手に、夜には子どもたちに会いに来るあやかし相手に切り盛りする。
しかし、子どもたちには、ある秘密があるのだった。
家族の行く末は、一体どこにたどり着くのだろうか。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!
翠月るるな
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。
侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。
そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。
私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。
この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。
それでは次の結婚は望めない。
その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。
新世界に恋の花咲く〜お惣菜酒房ゆうやけは今日も賑やかに〜
山いい奈
キャラ文芸
由祐は大阪の新世界に自分の定食屋を持とうと、物件の内覧をしていた。
そのとき、鬼と出会う。理想の物件に住み着いているのだ。
お酒が苦手な由祐はお酒を扱わないお店にしたかったのだが、それは許さないと鬼は言う。
そもそも新世界で飲食業をするのに、お酒無しはあり得ないと。
由祐は鬼にお酒の美味しさを味わわせてもらい、友人の深雪ちゃんにも協力してもらって、お酒に馴染んでいく。
そして鬼の物件で無事自分のお店「お惣菜酒房 ゆうやけ」を開くことができたのだった。
メインのお客さまとなるあやかしの、なぜかの恋愛相談。
深雪ちゃんと婚約者さんの騒動。
由祐の生い立ちに関わるできごと。
そして、由祐と鬼の距離感。
「ゆうやけ」を切り盛りしながら、騒々しくも楽しい日々が流れていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる