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第二章 E小隊・南方作戦
第十二話 オナバレ
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この牢屋に入れられて、三日たった。
一応、食事は朝夕で与えられ、特に不当な暴力や尋問もない。本当に戦争が終わるまでここに監禁するだけのつもりなのだろうか。でも自分は彼らのまな板の上の鯉だ。いつ彼らの気分が変わるかも知れない。確信はないが、どこからか監視されているようにも感じる。
まず、他の仲間がどうなったのか知りたいのだが、ここにいては真実は判らないだろう。
やはり、なんらかのアクションを起こす必要があるとエルは思った。
使い慣れたワンドは当然無く、ひとりエッチで多少マナを収束させられるとしても憑代がない。せめてなにか細い釘でもあればと思って壁とか天井を見渡してみたが、それらしいものは発見出来なかった。
(リサさんみたいに、手指の先に収束できればな……)とも考え試してみたがまったくうまくいかなかった。
食事についてくるスプーンがほしかったが、守備兵が必ず確認して持って行ってしまう。
そんなある日の夕食に、フライドポテトがついていた。
ええいダメ元と思い、落としたふりをして素早く毛布の下に隠した。
真夜中、隠したポテトをワンド替わりに、ひとりエッチしてマナをちょっと集めてみたら上手くいきそうだった。ただ、所詮ポテトなので、湿気たりカビたりしたらダメだろう。
運用方法をうまく考えなくてはいけない。とはいうものの、壊せるのはたぶん扉とか壁一枚がせいぜいか。それで何が判るのか。そして彼らを怒らせて、そこでTheエンドなのでは……とも思う。でも、実行しなければ何も生まれない。
意を決して、今できる最大出力で扉の破壊を試みよう。
右手にポテトを持ってドアの方に向け、左手で、自分のぱんつの中の敏感な部分をゆっくりと刺激する。
「小隊長……」
あの、ドラゴンをやっつけた時のローアイの手の感触がはっきり思い出され。小隊長が手を貸してくれているようにも感じられた。
「ん、んんっ……、あ、あん、あん……」
「くふ―――、あああ―――、エクスプロージョン!」
瞬間、エルのまわりに滲んだマナがポテトに収束し、光の束がドアにぶつかる。
ど―――んと、ものすごい音がした。
(どう、ドアは破れた?)
エルはドアに近づき確認するが、ドアには煤がついただけで全然びくともしていない。
(ええ、あれじゃダメなの……)
がっかりして右手をみると、ポテトは炭になってぽろぽろと崩れ去った。しかし、あれだけ大きな音がしたのに誰も来ない。よほど防備に自信があるのだろうか?
(ううん。一回であきらめちゃだめ。できることをしていくのみ。小隊長、エルはまだまだくじけません!)
翌日の夜、また食事にフライドポテトがついていたので、昨夜同様数本確保した。
食事を持ってきた兵士は、昨夜の事を何も言わないし聞かなかった。
(次は、窓の鉄格子を試してみよう)
そうして昨夜よりさらに絶頂になるよう意識して、エクスプロージョンしたが、やはり鉄格子には傷一つ付かなかった。
そして、さらに翌日。今度は一番壁が薄そうな部分に試してみたが、結果は変わらず、なにも傷つける事が出来ない。
そして、あれだけ大きな爆発音がしても、やはり誰も様子を見に来ない。食事を持ってくるとき以外、誰もこの建物に居ないのかしら。
そうは言っても、あのドラゴンを葬った自分の魔法弾がこうも全く効果が無いとは……。
「やっぱり、私は小隊長がいないとダメなのかなー」
そういって、エルは声を殺して静かに泣いた。
◇◇◇
同時刻、そうしたエルの様子をずっと眺めている人物たちがいた。
エルの部屋は、隠しカメラで二十四時間モニタされていて、エルがいままでやってきた行為もすべて記録されている。
「それにしても親衛隊長。ちょっと可哀そうですね。オナバレしてるってわかったら、この子、恥ずか死しちゃうんじゃないですか」
「下品な言葉は慎んでください。これはちゃんとした実験です。事前の情報が不確かだったので、はじめは信じられませんでしたが、本当に性的快感で攻撃するのですね。でもまあ、ドラゴンをやったのはこの娘で間違いないでしょう」
「そうですね。部屋の壁やドアに付けたセンサーも、とんでもない数値を叩きだしています。対魔法衝撃用のあの部屋でなかったら、ほんとうに壁抜かれて逃げられてますよ」
「それにしても、まだ、あのドラゴンをやったときの威力には、遠く及びません。まだ、それほど必死ではないのか、それとも全力で撃てない事情でもあるのか……。
とにかく、もうエルフの自慰行為は、いい加減見飽きましたので、いつも私たちが使う次の手と行きましょうかね、グスター所長」
「アイアイサー。親衛隊長」
一応、食事は朝夕で与えられ、特に不当な暴力や尋問もない。本当に戦争が終わるまでここに監禁するだけのつもりなのだろうか。でも自分は彼らのまな板の上の鯉だ。いつ彼らの気分が変わるかも知れない。確信はないが、どこからか監視されているようにも感じる。
まず、他の仲間がどうなったのか知りたいのだが、ここにいては真実は判らないだろう。
やはり、なんらかのアクションを起こす必要があるとエルは思った。
使い慣れたワンドは当然無く、ひとりエッチで多少マナを収束させられるとしても憑代がない。せめてなにか細い釘でもあればと思って壁とか天井を見渡してみたが、それらしいものは発見出来なかった。
(リサさんみたいに、手指の先に収束できればな……)とも考え試してみたがまったくうまくいかなかった。
食事についてくるスプーンがほしかったが、守備兵が必ず確認して持って行ってしまう。
そんなある日の夕食に、フライドポテトがついていた。
ええいダメ元と思い、落としたふりをして素早く毛布の下に隠した。
真夜中、隠したポテトをワンド替わりに、ひとりエッチしてマナをちょっと集めてみたら上手くいきそうだった。ただ、所詮ポテトなので、湿気たりカビたりしたらダメだろう。
運用方法をうまく考えなくてはいけない。とはいうものの、壊せるのはたぶん扉とか壁一枚がせいぜいか。それで何が判るのか。そして彼らを怒らせて、そこでTheエンドなのでは……とも思う。でも、実行しなければ何も生まれない。
意を決して、今できる最大出力で扉の破壊を試みよう。
右手にポテトを持ってドアの方に向け、左手で、自分のぱんつの中の敏感な部分をゆっくりと刺激する。
「小隊長……」
あの、ドラゴンをやっつけた時のローアイの手の感触がはっきり思い出され。小隊長が手を貸してくれているようにも感じられた。
「ん、んんっ……、あ、あん、あん……」
「くふ―――、あああ―――、エクスプロージョン!」
瞬間、エルのまわりに滲んだマナがポテトに収束し、光の束がドアにぶつかる。
ど―――んと、ものすごい音がした。
(どう、ドアは破れた?)
エルはドアに近づき確認するが、ドアには煤がついただけで全然びくともしていない。
(ええ、あれじゃダメなの……)
がっかりして右手をみると、ポテトは炭になってぽろぽろと崩れ去った。しかし、あれだけ大きな音がしたのに誰も来ない。よほど防備に自信があるのだろうか?
(ううん。一回であきらめちゃだめ。できることをしていくのみ。小隊長、エルはまだまだくじけません!)
翌日の夜、また食事にフライドポテトがついていたので、昨夜同様数本確保した。
食事を持ってきた兵士は、昨夜の事を何も言わないし聞かなかった。
(次は、窓の鉄格子を試してみよう)
そうして昨夜よりさらに絶頂になるよう意識して、エクスプロージョンしたが、やはり鉄格子には傷一つ付かなかった。
そして、さらに翌日。今度は一番壁が薄そうな部分に試してみたが、結果は変わらず、なにも傷つける事が出来ない。
そして、あれだけ大きな爆発音がしても、やはり誰も様子を見に来ない。食事を持ってくるとき以外、誰もこの建物に居ないのかしら。
そうは言っても、あのドラゴンを葬った自分の魔法弾がこうも全く効果が無いとは……。
「やっぱり、私は小隊長がいないとダメなのかなー」
そういって、エルは声を殺して静かに泣いた。
◇◇◇
同時刻、そうしたエルの様子をずっと眺めている人物たちがいた。
エルの部屋は、隠しカメラで二十四時間モニタされていて、エルがいままでやってきた行為もすべて記録されている。
「それにしても親衛隊長。ちょっと可哀そうですね。オナバレしてるってわかったら、この子、恥ずか死しちゃうんじゃないですか」
「下品な言葉は慎んでください。これはちゃんとした実験です。事前の情報が不確かだったので、はじめは信じられませんでしたが、本当に性的快感で攻撃するのですね。でもまあ、ドラゴンをやったのはこの娘で間違いないでしょう」
「そうですね。部屋の壁やドアに付けたセンサーも、とんでもない数値を叩きだしています。対魔法衝撃用のあの部屋でなかったら、ほんとうに壁抜かれて逃げられてますよ」
「それにしても、まだ、あのドラゴンをやったときの威力には、遠く及びません。まだ、それほど必死ではないのか、それとも全力で撃てない事情でもあるのか……。
とにかく、もうエルフの自慰行為は、いい加減見飽きましたので、いつも私たちが使う次の手と行きましょうかね、グスター所長」
「アイアイサー。親衛隊長」
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