薬指に蜜の香りを

中原涼

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 僕達は土産が買えるショップに入ると、ペンギンやアシカ、マンボウのぬいぐるみを手に取ってはその触り心地や表情を眺めた。
 この年でこんなふうに、可愛らしいものを吟味する時が来るなんて、想像もしてなった。
「欲しいのあったら買ってあげる」
「ぬいぐるみ?」
「買ったら、それ俺だと思って抱き締めて寝てくれるよね?」
「しない、かなぁ……?」
「うそ、マジで?」
 僕は手にあったペンギンのぬいぐるみを元の位置に収めて、彼のわざとらしいリアクションに笑う。
「でも何か買って行こうかな。結崎にお土産」
「結崎?」
 彼の緩んでいた表情の上で、微かに糸が張る。僕が「高校からの友達」と言うと、彼は納得したように「あのTシャツの……」と、いつかの雨の日を思い出したようだった。
「そう、いつも僕ばかり貰ってるからね。たまにはこういうのもいいんじゃないかなって」
「ならここじゃなくて、駅前で美味しそうなお菓子とかどうですか?」
 なるほど、それもそうだ。結崎に何かを送るならば、可愛らしいマスコットや、甘そうなクッキーより、断然百貨店などの酒の方が喜ばれるに違いない。
 僕は納得して屈めていた上体を起こすと、
「ここでは俺達がお揃い買いましょう」
 安達君はそう言いながら、小さなペンギンのぬいぐるみが付いたキーホルダーを差し出してきた。僕は目の前に差し出された、薄い灰色のふわふわとした毛並みのそれを受け取り、掌に転がす。彼を見ると、安達君は白い歯を見せて笑い、僕の手からそれを取ると、同じものを二つレジに並べた。
 手早く会計を済ませると、小さな二匹は簡単に僕達の物になった。
 値札を切り離された彼らは、一見同じ顔であったけれど、微妙だが縫製にズレがあった。
僕が受け取ったペンギンの丸く黒い小さな眼は、左右が少しずれていて、一方彼の手にあるペンギンは、身体の横にある翼になりかけた羽の長さが、若干違い、左が少し長い。
しかし、そのアンバランスさが、彼等の愛らしさでもあるように見えた。
「いいの?」
「うん、貰って」
 ありがとう、と呟いて、暫く眺めてからそっと鞄に仕舞う。何かにつけようか、それともどこか眺めの良いところに置こうか。そんな事を考えながら、昼を食べようと誘ってくれる彼に促され、隣に並んだ。
「せっかく来たんだし、柿園さんが食べたいものにしようよ」
「ありがとう」
 ビルの屋上にある水族館をエレベーターで一気に下り、大きな通りに出ると、先程までの水族館の静けさが嘘のように、大勢の人で溢れていた。ゲームセンターから流れてくる流行曲に、キッチンカーのたこ焼き屋から漂う乱暴なソースの香り。投げやりな価格で並ぶ生地の薄い服には、若い女の子が群がっていた。ファーストフード店もある。
 僕は辺りを見渡し、そして目についた一つの間口の狭く、油汚れの酷そうなくすんだ黄色い暖簾の店を指さす。
「ラーメン。ああいう所で食べた事ないんだ」
「え! あれ二郎系ですよ? 食えます?」
「知ってる。テレビで見てからずっと食べたいって思ってたんだ」
 太麺、アブラマシ、ヤサイマシ、カラメ、分厚い脂身の多い叉焼。僕はいつかテレビに映っていたそのこってりとした丼の中身を思い出す。それだけで何故か唾液の分泌が増えてしまうから不思議だ。未知の食べ物なのに。
「分かりました。じゃあ、行きますか」
 安達君はそう言って僕の手を引いた。
 戸を開くと、ありがとうございます! という元気の良い声で見送られた中年の男性と入れ違いになる。いらっしゃいませー! という声が狭い店内に反響した。
「普通でも量あるから、柿園さんは少量ね」
 経験者には従うべきだろう。彼の言うことに頷いて、彼の背後から券売機での様子を伺っていると、彼はさっさと二枚の食券を買ってしまった。お金を払おうとしたら、
「カッコいい俺、リベンジさせてください」
 と制されてしまった。
「次郎系ラーメンで?」
 思わず笑ってしまうと、安達君も「笑わないでくださいよ」と言いながら笑っていた。
使い古された赤いスツールに座り、カウンターに食券を出すと、
「野菜、アブラ、ニンニクどうしますか?」
 と、テレビの中で見かけたコールというものに、心臓が緊張して跳ねる。
「野菜マシ、アブラとニンニク少な目」
 先立って安達君が言い、僕を見た。
「ヤサイ普通、アブラとニンニク抜きで」
 そう注文すると、安達君は「よくできました」と僕の頭をぽん、と撫でた。
「匂いに酔ったりしない?」
 顔を上げると、湯気に紛れて小麦や油、野菜や肉の深く煮込まれた香りが、熱気と共に充満しているのを感じた。くすんだクリーム色の壁に張られたメニューや野球中継を映す、テレビ。埃や壁の匂いが年代や不衛生を知らせてくるのに、不思議と不快なものはない。
「匂いで気持ち悪くなるってことはないかな。苦手だなって思うことはあるけど……」
 そう言えばと思いながら、僕が答えると、安達君は不思議そうに眼を丸くして、
「そうなんだ、なんか不思議」
 と言い「僕も不思議」と答えると、カウンターに丼が、どん、と二つ並んだ。勢いよく立ち昇る白い湯気が二つ。自分の目の前に引き寄せたのは小の丼だが、どう見ても大盛にしか見えない。隣を見ると、僕の器よりも大きな丼があり、更にもやしが山積みだ。
「す、すごい……食べれるのかい?」
「普通普通!」
 二人で手を合わせて、並んで割りばしを割った。野菜だけで腹が膨れそうだと思いながら、麺を掘り起こして食べる。それはハンバーガーと同じくらい背徳感のある味だった。
 香りの世界の中に閉じこもる事も嫌いじゃないけれど、こうして香りよりも先に何かを感じる事も悪くない。
 美味しいけれど、食べきれないという予想は的中し、残り三口辺りで断念すると、仕方ないよ、と安達君に背を叩かれた。
 店を出ると、まだ太陽は高い位置に鎮座しており、風もない屋外は蒸し風呂のような状態だった。店内が幾分涼しかったとは言え、熱いラーメンを掻き込んだ、身体の中の火照りが抜ける気がしない。
「冷たい物でも飲みに行く?」
 彼の提案に頷いて隣に並ぶと、
「あれ、安達じゃん」
 という声が聞こえた。
 振り返れば、安達君と同年代らしい男女の三人が近づいてきた。有名なブランドの香水が幾つも混ざり合いながら、僕の鼻孔を刺激する。爽やかな波打ち際のシトラス、女性的な丸みと華やかさのあるローズをメインにしたフローラル。一つ一つ嗅ぎ分けながら、僕は視覚よりも先に、匂いで彼等の印象を確固たるものにしていく。
 若々しくて、健康体そのものである三人。気分が高ぶっているのか、それとも暑さのせいか、新陳代謝が少し早い。特に女の子の汗の分泌量は他の男の子とは少し違う。ローズに微かな麝香が混ざり、より女性らしさを帯びている。
 きっと、彼女は安達君が好きだろう。
 僕も同じだから、分かる。
「お前サボりだから、女といると思ったけど違うじゃん。どーも」
 親し気に声を掛けてくるやんちゃそうな男の子が頭を下げた。僕は慌てて「こんにちは」と同じように頭を下げると、彼等は僕と安達君を見比べていた。
 ――一体この二人は、どういう関係なのか。
 確かに、彼と僕では繋がりなどなさそうに見えるだろうし、不釣り合いにも見えただろう。本来ならきっと、彼の隣に居るべきなのは、女の子というのが、正しい形だ。
 そう思うと少しだけ居心地が悪い。僕はどうしたものかと、背の高い彼を見上げると、安達君と目が合った。彼は少しだけ笑ってくれる。そこには、大丈夫だよ、と言うようなメッセージが宿っている気がした。
「別に誰と居ようといいだろ」
 安達君はそう言って、揶揄おうとしてくる彼等からの言葉をかわしていく。
 けれど、彼の身体から漂う香りが少しだけ、変化している事に、僕は気付いた。少しだけ汗が濃く滲み、むっと胸を締め付けるような苦味が混ざっている。その香りを鼻孔の奥で感じながら、「デートしよう」と言ってくれた、無邪気な彼が胸の内に浮かんではぼやけて消えていくのを、僕はただ見つめる他なく、彼の動揺を色濃く感じていた。
 彼は、僕といる事に困っているのかもしれない、そんな気がした。本当は僕と二人で居るところを見られては、困ると思っていたのかもしれない。
 その考えに思い当ってしまうと、胸の奥で何かが焼けるような痛みを感じた。苦笑いで他の男と逢瀬を重ねていた母の顔が、薄っすらと浮かび上がっては、その熱に蒸発して消えていく。
「なあ、明日の授業だけどさ」
「いや、それ今するか?」
 しっし、と犬を追い払うように手を振ると、彼等は笑いながら安達君にじゃれ付いた。女の子の美しい爪先が彼に触れると、何処とは特定できない場所で、身体が軋んだ。
「リカにサボってたって言っちゃおうかな」
「言えば良いだろ、あーもー暑い暑い」
 安達君はそう言いながら、腕に絡みついた手を優しく振り払った。
リカって誰だろう。
 突然出て来た名前に、更に追い打ちを掛けられる。
「つか、俺は今この人といるんだよ」
 安達君がそう言うと、彼等の六つの眼が僕に注がれた。彼等は忘れかけていただろう僕の存在を再確認すると、
「あ、すんませーん」
「邪魔してすみません」
と、にこやかな、けれど何処か落胆したような顔で手を振って駅の方へと歩き出した。
「ほんとすみません。雰囲気ぶち壊しましたよね」
「いや、全然。楽しそうな友達だね」
 僕は何とか固まった表情の筋肉を無理に引き上げたりと、笑顔を作るように努めて、声を高くして答える。しかし、彼の戸惑いの滲む顔や、香りは乱れていた。僕はどうしたものかと迷いながら、あの女の子が触れた腕に手を伸ばす。僕の肌が熱いのか、安達君の皮膚が温かいのか分からないけれど、触れた皮膚の間で熱が蕩ける。
「どうしたの?」
 そう言いながら安達君は僕の手を握った。先ほど女の子の手を振り払った手で。
 僕は何と言えば良いのか分からない程、安心してしまった。触れても良いのだと、底意地悪く、優越感なんて感じてしまう。
 そんな自分が、酷く女々しく感じられた。
 それなのに、矛盾したように、彼の事がどうしようもなく好きだと感じてしまう。その反面、本当に彼の隣に居て良いのか、分からなくなる。
「柿園さん、弁解させて」
 不意に真剣な眼差しで覗き込まれ、視線を逸らすと、柿園さん、と呼ばれた。
「リカって、同じ大学の元カノだけど、もう半年前位に終わってるから」
 彼女とは何もないと濁さずに、真っ直ぐ事実を伝えようとしてくれる彼の誠実さが、底意地悪く黒く澱んだ心の隙間に沁みる。
「今も友達として話す事もあるけど、それはゼミが一緒だとかそういうのがあるから」
「僕は何もまだ……」
「でも聞きたかったでしょう?」
 言い当てられてしまったように、心臓が跳ねた。僕はその言葉を否定できずに、ただ言葉を探した。しかし、落とした視線のアスファルトは熱く鈍く光るばかりで、続く言葉が見つけられない。そうこうしている内に、沈黙は熱く硬く僕と安達君の間に横たわり深く沈み込んでいく。
「俺が好きなのは、柿園さんだから」
 不意にそう言われて顔を上げる。安達君の眉間に微かな皺が寄り、苦しそうな表情が僕を苦しめる。嬉しい言葉なのに、胸が痛いくて堪らない。
「でも、僕が隣に居るのは不釣り合いに感じた……」
 言うつもりのなかった声が、現実の世界で響く。自分の鼓膜にも届いたその声音は、僕が思う以上に事務的で、他人事のようだった。
 僕ははっとして顔を上げると、安達君は瞠目しながら僕を見ていた。
 不意に父さんと母さんの顔や、先程までここにいた安達君の友達の顔が脳裏を横切る。調合を間違えて、狂った香りが牙を剥きだす獣のように恐ろしく思えた。
 最後、母さんが向けた背中が僕の全ての神経の感覚を奪い去って行く。
「ごめんなさい」
 僕は頭で考えるより先に呟いていた。
 僕の手を握る指先の力が不意に抜けると、安達君の大きな手からすり抜けて、駅の方へと急いだ。
 僕は逃げるしかできなかった。

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