傷物令嬢って私のことですか?

ルーキッドアン

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ギルバートとの対決?はブライオニーの流血により有耶無耶なまま終了した。
ブライオニーの頬から顎に向けて染まる赤にギルバートは蒼白となり、「ビニー!ビニー!」と叫び続けた声に侍女が過剰反応し「お嬢様が!!」と泣きながら当主の部屋に飛び込んだ。
サイモンも兄達もパニックに陥り、取るもの取らず駆け付ければ、当のブライオニーは「ちょっと耳の端っこ切れたかも。
見た目ほど痛くないの。
それに擦り傷なんて気にしないわ」とサッパリ言い切って、赤く染まった手ぬぐいを振りながら部屋へ戻って行った。

「気にしないわ」と言われても、結果数針縫う怪我ではあった。
経緯と結果をもってサイモンに叱られランディに泣かれネイサンに呆れられて...何より自身が納得して北の辺境伯領へ...というブライオニーの野望は潰えたのだった。


それから2年。ブライオニーは剣術の精進と合わせて淑女教育、領地経営と勤しんでいる。
貴族の端くれ令嬢で有るならば何処かに嫁ぐことでガルシュ家に僅かでも貢献したい。
ガルシュ領の外に出てみたいと願ったブライオニーではあるが生まれ育ったこの地を愛している。
出来ることならずっとこの地で...と思うが、何時だったか侍女たちが
「ブライオニー様を溺愛するランディ様とネイサン様の未来の奥方様は遣る瀬無いでしょうね」「そうよねー」「疎まれてしまうお嬢様がお可哀想よ」等の話を耳にしてからはガルシュ領を出ていく覚悟を重ねるのだった。


近年稀に見る牝馬の出産ラッシュにガルシュ領内は活気に満ちていた。
天候も長く落ち着き、安寧と言って良い日々の辺境に王都より早馬が到着した。

早馬の到着!
新たな火種が燻り始めたのかとサイモンは眉を顰め、すぐさま騎士団長エルリックと二人の息子を集めた。
封筒に深紅の蝋封は王家からのもの...
「これは...」と固唾を飲んで手紙を開けば差し出し人はマリアンヌ王妃であった。

手紙は流れるような筆遣いで時候の挨拶から始まりサイモンの活躍を褒め称え、王家への献身に感謝が綴られていた。そして...
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