傷物令嬢って私のことですか?

ルーキッドアン

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ターニャとポリーが絶賛のドレス。
デザイン画を頭の中で立体化してみる。

「うーん。スカートのスリットが深過ぎて太腿が露わになりはしないか?」とジョセフが指摘した。

「ターニャ!スリットはやり過ぎだよ」ランディもジョセフに同調する。

「そんな事ないわ。太腿が見えそうで見えないギリギリを攻めてるもの!」

攻めなくて良いんです、見えなくて良いんですよ。ランディは思った。

「ビニーはどう?その綺麗なお御足、ちょっとくらい見えても平気?」

え?見えないって話じゃ...ランディがブライオニーを振り返る。

「え?うん。平気。誰も見ないでしょうし。」

解ってないな!見るんだよ男は!見るに決まってんだろうが!とジョセフとランディが首を振る。
あぁ、いっそタキシードを着せたい。
伯父上、先程はすみません。
ビニーの男装似合うと思います。
本気で男装も良いんじゃないかと思うランディであった。

「でもターニャ?素敵なドレスだと思うけど、何かこう...シンプル過ぎないかしら?」

ポリーが思案顔で娘に聞いた。

「デザインはシンプルよ。その分、素材に拘るわ。
ビニーの赤みのある金髪に映えるように、最高級のサテンはシルバーからペリドットのような明るい翠色へ、裾に向かってグラデーションしていって足元はビリジアンに...」

デザイン画の上に、バンバンバンと色見本が置かれ
「レースは一切無し、替わりにビーズを縫い留めるの!繊細でキラキラして夢のように素敵よ!?」
ターニャはもうドレス職人のようである。

「どう!?ビニー??」

「正直全くわからないけど...似合うのかもわからないけど...ドレスはとても素晴らしいと思うわ」

「色は?この色で良い?青が良いとか、赤を着てみたいとかある?」

「何色が似合うかも分からないからターニャや伯母様が似合うと思ってくださる色がいいわ。
それに翠色は好きよ。この...ペリドットはお兄様の瞳の色だし」

「ぐっ」ランディは胸を押さえた。妹が可愛いったらない。

じゃぁこのデザインで決めましょうとターニャが言ったところで
「確認だが、ターニャ」とジョセフがサイモンからの手紙をもう一度読み返して問うた。

「このドレスは王都で流行りなのかい?
サイモン殿は最先端のドレスをと.....」

「あのね、お父様!
最先端を模倣したら最早それは最先端では無いのよ!!」

...哲学であった。


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