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夕刻を過ぎて、オースティン家当主のジョセフが帰宅した。
久しぶりに見る姪ブライオニーは妹セシリアに似てスラッとした身体つきの令嬢と成長していた。
ジョセフおじさんだよ覚えてるかい?とブライオニーに聞くと勿論ですと返事があり喜ぶジョセフであった。
食堂は和気藹々とした雰囲気で会話が弾んだ。
「セシリアは時々、私の服を着て学園に通ってね、男装の麗人ごっこをしていたのだよ」
「本当ですか?!」
「ああ、女生徒から花やお菓子やハンカチを山のように貰ってね、まぁモテたモテた。それからね.....」
ジョセフから若き母の武勇伝を教えてもらってブライオニーはクスクス笑った。
「きっとビニーも男装が似合うぞ」とジョセフが言えば
「伯父上、本気にしますから止めてください」とランディが真顔で止めるのだった。
和やかな夕食後にはオースティン家お抱えのブティックから提案されたドレスのデザインが広いテーブルに並べられた。
ターニャがデザイナーに彼是と口を挟んで描き上がったデザイン集である。
なるほど。ガルシュ領ではお目にかかったことの無いデザインばかりであった。
「トレンドとしてはこんな感じ?
王太子妃になられるソフィア様を筆頭に繊細なレースのシフォンか、ちょっと張りの有るオーガンジーが流行りだけれど、こういう...ふわっとしたドレスはもう飽和状態なのよ、でね...このペプラムも...」
シフォンもオーガンジーもペプラムもイメージ出来ない、さっぱりわからないとブライオニーはデザイン画を見つめるしか無かった。
素敵だと思う...可愛いと思う...でも私に着こなせるのかしら...
「だから、これはね没!」とターニャがシフォン、オーガンジーを蹴散らす。
え?!没ですか?
「でね、スタイル完璧なビニーだったら、サテンのドレスが映えると思うの!」
ほら、これ見て!と他のデザイン画を追いやって広げられた1枚。
「まぁぁ、素敵ね!」ポリーがパチパチ手を打つ。
「でしょう?胸元は出すなって、ランディ様とネイサンが五月蝿いから、ホルターネックにして胸元はガード。でも肩は丸出し!」
「ごぼっ!」
「あり得ないほど細かく作ったギャザーでビニーの細ーい腰を見せつけながら、流れるようなスカートは二重仕立てで、決してのっぺりさせないの。で、深いスリットから挿し色がチラチラっと!」
ターニャがうっとりしながら力説する。
こんなドレス、王都中探してもビニー以外着こなせる令嬢いないわよ!と。
久しぶりに見る姪ブライオニーは妹セシリアに似てスラッとした身体つきの令嬢と成長していた。
ジョセフおじさんだよ覚えてるかい?とブライオニーに聞くと勿論ですと返事があり喜ぶジョセフであった。
食堂は和気藹々とした雰囲気で会話が弾んだ。
「セシリアは時々、私の服を着て学園に通ってね、男装の麗人ごっこをしていたのだよ」
「本当ですか?!」
「ああ、女生徒から花やお菓子やハンカチを山のように貰ってね、まぁモテたモテた。それからね.....」
ジョセフから若き母の武勇伝を教えてもらってブライオニーはクスクス笑った。
「きっとビニーも男装が似合うぞ」とジョセフが言えば
「伯父上、本気にしますから止めてください」とランディが真顔で止めるのだった。
和やかな夕食後にはオースティン家お抱えのブティックから提案されたドレスのデザインが広いテーブルに並べられた。
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シフォンもオーガンジーもペプラムもイメージ出来ない、さっぱりわからないとブライオニーはデザイン画を見つめるしか無かった。
素敵だと思う...可愛いと思う...でも私に着こなせるのかしら...
「だから、これはね没!」とターニャがシフォン、オーガンジーを蹴散らす。
え?!没ですか?
「でね、スタイル完璧なビニーだったら、サテンのドレスが映えると思うの!」
ほら、これ見て!と他のデザイン画を追いやって広げられた1枚。
「まぁぁ、素敵ね!」ポリーがパチパチ手を打つ。
「でしょう?胸元は出すなって、ランディ様とネイサンが五月蝿いから、ホルターネックにして胸元はガード。でも肩は丸出し!」
「ごぼっ!」
「あり得ないほど細かく作ったギャザーでビニーの細ーい腰を見せつけながら、流れるようなスカートは二重仕立てで、決してのっぺりさせないの。で、深いスリットから挿し色がチラチラっと!」
ターニャがうっとりしながら力説する。
こんなドレス、王都中探してもビニー以外着こなせる令嬢いないわよ!と。
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