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3話 お父様への協力要請
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お父様が落ち着き、私の頭を撫でるのをやめると、私は話を切り出した。
「お父様。私の計画に協力していただきたいのです」
けれど、その声はお父様には届かなかったようだ。お父様は椅子に腰掛け、下を向きながらぶつぶつと何かを呟いている。
「全くあのバカ娘は……本当に私の娘なのか。もしかして、あいつ、浮気をしてイラを生んだんじゃ……」
私が冷たい笑顔を作ってお父様を見ると、お父様ははっとしたように顔を上げた。
「すまない、ジレッカ。差別をしてはいけないと言われていたのに……」
お父様は焦ったようにそう言った。
私は正妻の子だが、妹のイラは愛人の子だ。彼女は、側室でさえない。平民なのに、貴族だと身分を偽っていた女の人からイラが生まれたのだ。父はそれがわかると、イラの母親を国から追放したが、良心があったのかイラだけは引き取った。けれど、どうしてもイラのことを愛することができないらしく、父はよくイラに辛く当たっていた。けれど、私はそれを止めた。見ていられなかったからだ。私は、イラが生まれてからずっとお父様からイラを守ってきた。けれど、さすがに王子を寝取ろうとしているイラを、庇おうとは、もう、思えない。
私は息を吸い込むと、にっこり微笑んでもう一度繰り返した。
「お父様。私の計画に協力していただきたいのです」
お父様は慌てたようにこくこくと頷いた。
自分の部屋に戻ると、ジッノーレが掃除をしていた。
「ご命令を」
地面に跪き、目を閉じているジッノーレに、私は冷たい目で命令を下した。
「影を動かせ。特に、私の婚約者について調べなさい。事実確認をするのです」
部屋の中は煙で満たされ、静かに煙が消えていった頃には、ジッノーレはいなくなっていた。影に命令を伝えにいったのだろう。
さて、私も詳しく計画を考えなければ。私には大きすぎるベッドに腰掛け、そしてどさっと体を横にする。そして、静かに目を閉じた。
私を侮っていたことを、2人に後悔させてやるんだ。別に、2人が悔しがっている姿を見たいわけではない。ただ、そうしなければ気が済まない、というか。ただやられっぱなしで、被害者のままでいるというのも、性に合わない。
言い訳をして、自分がこれからやることは正しいのだと自分に言い聞かせる。……ああ、なんだか不安になってきた。本当に成功するのだろうか。
「お父様。私の計画に協力していただきたいのです」
けれど、その声はお父様には届かなかったようだ。お父様は椅子に腰掛け、下を向きながらぶつぶつと何かを呟いている。
「全くあのバカ娘は……本当に私の娘なのか。もしかして、あいつ、浮気をしてイラを生んだんじゃ……」
私が冷たい笑顔を作ってお父様を見ると、お父様ははっとしたように顔を上げた。
「すまない、ジレッカ。差別をしてはいけないと言われていたのに……」
お父様は焦ったようにそう言った。
私は正妻の子だが、妹のイラは愛人の子だ。彼女は、側室でさえない。平民なのに、貴族だと身分を偽っていた女の人からイラが生まれたのだ。父はそれがわかると、イラの母親を国から追放したが、良心があったのかイラだけは引き取った。けれど、どうしてもイラのことを愛することができないらしく、父はよくイラに辛く当たっていた。けれど、私はそれを止めた。見ていられなかったからだ。私は、イラが生まれてからずっとお父様からイラを守ってきた。けれど、さすがに王子を寝取ろうとしているイラを、庇おうとは、もう、思えない。
私は息を吸い込むと、にっこり微笑んでもう一度繰り返した。
「お父様。私の計画に協力していただきたいのです」
お父様は慌てたようにこくこくと頷いた。
自分の部屋に戻ると、ジッノーレが掃除をしていた。
「ご命令を」
地面に跪き、目を閉じているジッノーレに、私は冷たい目で命令を下した。
「影を動かせ。特に、私の婚約者について調べなさい。事実確認をするのです」
部屋の中は煙で満たされ、静かに煙が消えていった頃には、ジッノーレはいなくなっていた。影に命令を伝えにいったのだろう。
さて、私も詳しく計画を考えなければ。私には大きすぎるベッドに腰掛け、そしてどさっと体を横にする。そして、静かに目を閉じた。
私を侮っていたことを、2人に後悔させてやるんだ。別に、2人が悔しがっている姿を見たいわけではない。ただ、そうしなければ気が済まない、というか。ただやられっぱなしで、被害者のままでいるというのも、性に合わない。
言い訳をして、自分がこれからやることは正しいのだと自分に言い聞かせる。……ああ、なんだか不安になってきた。本当に成功するのだろうか。
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