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25.星を釣る
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次の日、日が暮れてから目的の湖に到着した。
すぐにでも始めようとした俺をフィーが止めた。なんでも湖には魔物が住んでいるので、活動的になる夜には変に刺激しない方がいいらしい。一刻も早く終わらせてここを去りたかったが、喰われたら元も子もないので仕方ない。
早朝、俺は湖の波打ち際に立った。水面にうっすらかかる朝霧が幻想的だ。
しばらく湖面を見つめて、呼吸を整える。現場に来れば選ばれし者的な気分が盛り上がるのかと思ったけれどそうでもなかった。そもそも選ばれているのか分からないし。こういうときの覚悟の決め方もよく分からないし。ただ、何もしないという選択肢がないだけで。
いや。できるかできないかではなく、試しにやってみるのではなく、『やるかやらぬかだ』ってSF超大作の名言もあることだし。俺はともかく、俺をここに呼んでくれた宝剣の判断を信じよう。だめだったらそのときはそのときだ。何がだめだったか検証して、もう一度やればいい。
「とりあえず俺一人でやってみるからフィーたちは離れてて」
「本当に、大丈夫ですか?」
フィーは心配そうな顔だ。なかなか信用がない。
「うん。危ないことはないと思うんだよね。なんとなくだけど」
「なんとなく、ですか……」
「それにうまくいくかわからないし、失敗したら恥ずかしいから」
大仰に期待されて、スカだったらマジで恥ずかしい。いや、なんとなくここにある気はしているけれど。
裸足になり、湖の水に足先をほんの少し浸した。想像以上に冷たい。
が、俺はまだ魔力操作がうまくないから、身体の一部が接触していないと上手に魔力を流すことができない。小さな宝剣の欠片が入った箱を手にもって差し出し、目を閉じる。何度か深呼吸してから、箱と湖の両方にほんの少しだけ魔力を流し始めた。力がじわっと均一に広がっていくのを感じてから、心の中で欠片に呼びかける。
『天の星はかしこにて安らう。我、折れたる剣を求める……エレド・ユール』
どれくらいの魔力を流して、どれくらいの心の声で呼びかけるのかは全く謎だけど、夢に見た『俺』はこんな感じで欠片を引き上げていた。エレド・ユールは砕けた剣の名前で、意味は天の星。
んー手ごたえなし。魔力を感じてくれてないのかな。感覚が水底まで届いてからもう一度やってみよう。心の中だとちゃんと間違えずに言えているかわからないので、今度は声に出してみる。
「天の星は……かしこにて安らう……我、折れたる剣を求める……」
足の親指が静電気にあてられたみたいにピリッとした。もう一度呼んでみる。俺の魔力が湖の底で何かの形を捉え、視界の端で何かがちかりと光った。
これじゃない?たぶん。
魔力の先で包むように触れてみる。ここから先は夢で見てないので、どんな形で引き上げればいいのか困ってしまう。このまま魔力を引っ込めると繋がりが切れてしまう気がする。繋げたままこっちに引っ張る感じ?俺じゃなくて、箱と真っ直ぐ繋ぐ感じの方がいいのかな。
身体側に流れる魔力を極限まで小さくして、箱と欠片の方に強めに道筋をつける。箱がカタカタ揺れた。なるほど、一度反応すれば自動で呼び合うシステムなのかもしれない。
水の中から彗星みたいな勢いで何かが近づいてくるのが分かる。俺の手が斬れないといいけど。
ちょっとスピード落として……俺に刺さりませんように……
俺の願いが通じたのか、それは徐々にスピードを落としていき、足元ギリギリのところで止まった。気がした。目を開くと、銀色の金属のかけらが渚にとどまっている。湖の水に洗われているようなそれ。
たぶんこれだよね。さっきはなかったし。
ずっと水の中にあったのに錆びてないんだなぁ。
爪の先で恐る恐る触れてみるが、何もなかった。
うん、結構あっさりしてる。
魚釣りが成功したくらいの微妙な達成感とともに息を吐く。修行もしてなければ冒険もしてないから、こんなに簡単でいいのかな、と罪悪感すら覚える。全部こんな感じで集められるなら嬉しいけど、場所によってはインディ・ジョーンズになるのかもな。体力つけとかなきゃ。
いつまでも足先でいじってるのも失礼なので、拾い上げて箱に入れる。心なしか欠片同士が喜んでいる気がして心が浮き立った。
役に立てたのならよかった。
ーーおかえり。
蓋を閉じた途端にどっと疲れが出てきて、足がもつれて尻もちをついた。なるべく魔力の消費が少なくなるようにほんの少しずつしか出力しなかったけど、コップの水を冷やすのとは訳が違う。
「アキ様!」
フィーが駆け寄って俺の顔を覗き込む。
「あー……無事回収できた……みたい……」
「お見事です」
「お見事なのは欠片の方だと思う……めちゃくちゃ話の分かるやつだよ、こいつ」
「話すんですか?」
「いや、話さないけど、お願いは聞いてくれるっぽい」
フォーが怪訝そうな顔をするが、俺も何を言っているかわからない。
だいたい全部気のせいとか、なんとなくなので説明はできない。
まぁ成功したのだから良しとしよう。
「箱、預かります」
「あぁうん……」
座り込んだまま、湖をぼんやり見つめる。
きれいだなぁ。
夢で見たよりずっと。
砂利を踏む音がして振り返ると、エルとガルがこちらに向かって歩いてくる。
「なんか儀式とかするのかと思ったけど、あっさりしてんな」
俺も苦笑する。
「ね。俺の魔力が大きければ遠いところからでも呼び出せそうな気がするけど」
「お前の魔力に反応するのか?それともお前の持ってた箱の中の欠片が?」
「どっちも必要なのかもしれない。欠片と欠片が呼び合ってるのは確かだけど、それだけじゃ動けないみたいだし。俺が魔力を流すと、引き寄せる力がある程度充填されて勝手に欠片が欠片を引き寄せる……って感じかな」
「じゃ、やっぱりお前は鍵なんだな」
「鍵ねぇ……ま、これくらいなら負担ではないけど」
エルが俺の隣に座り込む。
あれ、しばらく近寄らないんじゃなかったの?
「寒くない?靴下はいた方がいいよ」
今度はガルが俺が脱ぎ捨てた靴下を拾い上げて鼻先につきつけてくる。
受け取って、そのちょっと湿った靴下に足を通し、靴を履く。
結局よく分からないうちに終わってしまったな。もっとマニュアルチックに全体像と各行程について教えてくれれば俺ももっと自信を持って動けるんだけど。
そのまま後ろに倒れて大の字になり、空を見上げた。
雲一つない青空。
「……って、のんびりしてる場合じゃないんだっけ?」
「そうそう」
「へネスたちと鉢合わせしないようにさっさと移動しよう。立てるか?」
「うん」
手を引いてもらってよろめきながら立ち上がる。歩けないことも動けないこともないけれど、徹夜明けに皇居を一周したくらいの疲労と奇妙な興奮があって、身体がふわふわする。荷物は全部フィーに持ってもらって、俺は空身で歩くことになった。
「本当に、こそこそ出て行ってしまって大丈夫?」
先を行くエルの背中に声をかける。振り返ったエルはまだ言うか、と複雑そうな顔をしていた。
「大丈夫かどうかは後でわかることだ。大丈夫でも大丈夫じゃなくても、お前はアルマールに戻った方がいい」
それって大丈夫じゃないってことなのでは?と言いたかったが言っても仕方がないので口をつぐむ。
「それにお前には借りがあるし。これくらいはな」
「もういいのに、そのことは……」
エルに喰われかけたあれは恥辱とか不名誉以上にめくるめく快楽を体験させてもらった、くらいの感じになってるから俺の中で。とはいえあれを俺以外の人間にした場合のことを考えると、あってはならないことだし……ここでこれ以上の慰めの言葉は違うだろう。初犯のうちに重々反省してもらわなければ。
上空に注意しながら、鬱蒼と茂った森の道を行く。
「陛下が滞在してるミドゥルアンってここからどれくらいの距離?」
「ネテドだと2時間くらいかな。へネスが宿をとった町がちょうど真ん中にある」
「1時間か……近いね」
「テンペリオンは速いから、飛び立ちさえすれば追いつかれないぜ?」
「テンペリオン?」
「俺の愛竜の名前。ガルのはフィアロ」
「ふーん……やっぱ竜なんだ」
ダーウッドでネテドは翼竜ともいうらしい。愛馬とか愛竜とか俺もいつかそういう相棒が欲しいな。犬しか飼ったことないから若干不安はあるけど。
エルとガルの家令さんが適当な公務をでっちあげてネテドを連れてきてくれた町まで湖から徒歩30分ほど。フィーが殿下と連絡を取ってみたら、国境の町まで迎えをよこしてくれていたことがわかったので、とりあえず俺とフィーの二人が先にそこまで行くことになっていた。ネテドなら数時間で着くらしい。行きは5日もかかったのに。
迷うことなく森を進み、「この調子なら早めに着くな」と、エルは笑っていたのだが。
森を抜けたところに思わぬ“出迎え”があって、俺たちの計画は初っ端からとん挫したのだった。
「待ちくたびれたぞ」
佩剣した護衛っぽい従者を従えた上品な男が俺たちを見て微笑む。
三十六計逃げるに如かず。
網無くして淵にのぞむな。
準備不足で付け焼き刃の計画は、どの世界でも成功しないものらしい。
逆光気味の“彼ら”の後ろに広がる空の青さが目に沁みた。
すぐにでも始めようとした俺をフィーが止めた。なんでも湖には魔物が住んでいるので、活動的になる夜には変に刺激しない方がいいらしい。一刻も早く終わらせてここを去りたかったが、喰われたら元も子もないので仕方ない。
早朝、俺は湖の波打ち際に立った。水面にうっすらかかる朝霧が幻想的だ。
しばらく湖面を見つめて、呼吸を整える。現場に来れば選ばれし者的な気分が盛り上がるのかと思ったけれどそうでもなかった。そもそも選ばれているのか分からないし。こういうときの覚悟の決め方もよく分からないし。ただ、何もしないという選択肢がないだけで。
いや。できるかできないかではなく、試しにやってみるのではなく、『やるかやらぬかだ』ってSF超大作の名言もあることだし。俺はともかく、俺をここに呼んでくれた宝剣の判断を信じよう。だめだったらそのときはそのときだ。何がだめだったか検証して、もう一度やればいい。
「とりあえず俺一人でやってみるからフィーたちは離れてて」
「本当に、大丈夫ですか?」
フィーは心配そうな顔だ。なかなか信用がない。
「うん。危ないことはないと思うんだよね。なんとなくだけど」
「なんとなく、ですか……」
「それにうまくいくかわからないし、失敗したら恥ずかしいから」
大仰に期待されて、スカだったらマジで恥ずかしい。いや、なんとなくここにある気はしているけれど。
裸足になり、湖の水に足先をほんの少し浸した。想像以上に冷たい。
が、俺はまだ魔力操作がうまくないから、身体の一部が接触していないと上手に魔力を流すことができない。小さな宝剣の欠片が入った箱を手にもって差し出し、目を閉じる。何度か深呼吸してから、箱と湖の両方にほんの少しだけ魔力を流し始めた。力がじわっと均一に広がっていくのを感じてから、心の中で欠片に呼びかける。
『天の星はかしこにて安らう。我、折れたる剣を求める……エレド・ユール』
どれくらいの魔力を流して、どれくらいの心の声で呼びかけるのかは全く謎だけど、夢に見た『俺』はこんな感じで欠片を引き上げていた。エレド・ユールは砕けた剣の名前で、意味は天の星。
んー手ごたえなし。魔力を感じてくれてないのかな。感覚が水底まで届いてからもう一度やってみよう。心の中だとちゃんと間違えずに言えているかわからないので、今度は声に出してみる。
「天の星は……かしこにて安らう……我、折れたる剣を求める……」
足の親指が静電気にあてられたみたいにピリッとした。もう一度呼んでみる。俺の魔力が湖の底で何かの形を捉え、視界の端で何かがちかりと光った。
これじゃない?たぶん。
魔力の先で包むように触れてみる。ここから先は夢で見てないので、どんな形で引き上げればいいのか困ってしまう。このまま魔力を引っ込めると繋がりが切れてしまう気がする。繋げたままこっちに引っ張る感じ?俺じゃなくて、箱と真っ直ぐ繋ぐ感じの方がいいのかな。
身体側に流れる魔力を極限まで小さくして、箱と欠片の方に強めに道筋をつける。箱がカタカタ揺れた。なるほど、一度反応すれば自動で呼び合うシステムなのかもしれない。
水の中から彗星みたいな勢いで何かが近づいてくるのが分かる。俺の手が斬れないといいけど。
ちょっとスピード落として……俺に刺さりませんように……
俺の願いが通じたのか、それは徐々にスピードを落としていき、足元ギリギリのところで止まった。気がした。目を開くと、銀色の金属のかけらが渚にとどまっている。湖の水に洗われているようなそれ。
たぶんこれだよね。さっきはなかったし。
ずっと水の中にあったのに錆びてないんだなぁ。
爪の先で恐る恐る触れてみるが、何もなかった。
うん、結構あっさりしてる。
魚釣りが成功したくらいの微妙な達成感とともに息を吐く。修行もしてなければ冒険もしてないから、こんなに簡単でいいのかな、と罪悪感すら覚える。全部こんな感じで集められるなら嬉しいけど、場所によってはインディ・ジョーンズになるのかもな。体力つけとかなきゃ。
いつまでも足先でいじってるのも失礼なので、拾い上げて箱に入れる。心なしか欠片同士が喜んでいる気がして心が浮き立った。
役に立てたのならよかった。
ーーおかえり。
蓋を閉じた途端にどっと疲れが出てきて、足がもつれて尻もちをついた。なるべく魔力の消費が少なくなるようにほんの少しずつしか出力しなかったけど、コップの水を冷やすのとは訳が違う。
「アキ様!」
フィーが駆け寄って俺の顔を覗き込む。
「あー……無事回収できた……みたい……」
「お見事です」
「お見事なのは欠片の方だと思う……めちゃくちゃ話の分かるやつだよ、こいつ」
「話すんですか?」
「いや、話さないけど、お願いは聞いてくれるっぽい」
フォーが怪訝そうな顔をするが、俺も何を言っているかわからない。
だいたい全部気のせいとか、なんとなくなので説明はできない。
まぁ成功したのだから良しとしよう。
「箱、預かります」
「あぁうん……」
座り込んだまま、湖をぼんやり見つめる。
きれいだなぁ。
夢で見たよりずっと。
砂利を踏む音がして振り返ると、エルとガルがこちらに向かって歩いてくる。
「なんか儀式とかするのかと思ったけど、あっさりしてんな」
俺も苦笑する。
「ね。俺の魔力が大きければ遠いところからでも呼び出せそうな気がするけど」
「お前の魔力に反応するのか?それともお前の持ってた箱の中の欠片が?」
「どっちも必要なのかもしれない。欠片と欠片が呼び合ってるのは確かだけど、それだけじゃ動けないみたいだし。俺が魔力を流すと、引き寄せる力がある程度充填されて勝手に欠片が欠片を引き寄せる……って感じかな」
「じゃ、やっぱりお前は鍵なんだな」
「鍵ねぇ……ま、これくらいなら負担ではないけど」
エルが俺の隣に座り込む。
あれ、しばらく近寄らないんじゃなかったの?
「寒くない?靴下はいた方がいいよ」
今度はガルが俺が脱ぎ捨てた靴下を拾い上げて鼻先につきつけてくる。
受け取って、そのちょっと湿った靴下に足を通し、靴を履く。
結局よく分からないうちに終わってしまったな。もっとマニュアルチックに全体像と各行程について教えてくれれば俺ももっと自信を持って動けるんだけど。
そのまま後ろに倒れて大の字になり、空を見上げた。
雲一つない青空。
「……って、のんびりしてる場合じゃないんだっけ?」
「そうそう」
「へネスたちと鉢合わせしないようにさっさと移動しよう。立てるか?」
「うん」
手を引いてもらってよろめきながら立ち上がる。歩けないことも動けないこともないけれど、徹夜明けに皇居を一周したくらいの疲労と奇妙な興奮があって、身体がふわふわする。荷物は全部フィーに持ってもらって、俺は空身で歩くことになった。
「本当に、こそこそ出て行ってしまって大丈夫?」
先を行くエルの背中に声をかける。振り返ったエルはまだ言うか、と複雑そうな顔をしていた。
「大丈夫かどうかは後でわかることだ。大丈夫でも大丈夫じゃなくても、お前はアルマールに戻った方がいい」
それって大丈夫じゃないってことなのでは?と言いたかったが言っても仕方がないので口をつぐむ。
「それにお前には借りがあるし。これくらいはな」
「もういいのに、そのことは……」
エルに喰われかけたあれは恥辱とか不名誉以上にめくるめく快楽を体験させてもらった、くらいの感じになってるから俺の中で。とはいえあれを俺以外の人間にした場合のことを考えると、あってはならないことだし……ここでこれ以上の慰めの言葉は違うだろう。初犯のうちに重々反省してもらわなければ。
上空に注意しながら、鬱蒼と茂った森の道を行く。
「陛下が滞在してるミドゥルアンってここからどれくらいの距離?」
「ネテドだと2時間くらいかな。へネスが宿をとった町がちょうど真ん中にある」
「1時間か……近いね」
「テンペリオンは速いから、飛び立ちさえすれば追いつかれないぜ?」
「テンペリオン?」
「俺の愛竜の名前。ガルのはフィアロ」
「ふーん……やっぱ竜なんだ」
ダーウッドでネテドは翼竜ともいうらしい。愛馬とか愛竜とか俺もいつかそういう相棒が欲しいな。犬しか飼ったことないから若干不安はあるけど。
エルとガルの家令さんが適当な公務をでっちあげてネテドを連れてきてくれた町まで湖から徒歩30分ほど。フィーが殿下と連絡を取ってみたら、国境の町まで迎えをよこしてくれていたことがわかったので、とりあえず俺とフィーの二人が先にそこまで行くことになっていた。ネテドなら数時間で着くらしい。行きは5日もかかったのに。
迷うことなく森を進み、「この調子なら早めに着くな」と、エルは笑っていたのだが。
森を抜けたところに思わぬ“出迎え”があって、俺たちの計画は初っ端からとん挫したのだった。
「待ちくたびれたぞ」
佩剣した護衛っぽい従者を従えた上品な男が俺たちを見て微笑む。
三十六計逃げるに如かず。
網無くして淵にのぞむな。
準備不足で付け焼き刃の計画は、どの世界でも成功しないものらしい。
逆光気味の“彼ら”の後ろに広がる空の青さが目に沁みた。
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