新米検事さんは異世界で美味しくいただかれそうです

はまべえ

文字の大きさ
27 / 28

27.無意識の呼ぶ声

しおりを挟む
SIDE:イルーニア

ぐったりしている異世界人をベッドに寝かせ、灯りを絞り、部屋の温度を適温に調節し、香を焚く。
ーーさて。
ここまで気を遣わされるのは久しぶりだな。
精神操作を使えば感覚支配までは一秒とかからず行くから、ただの下準備のためにここまで環境を整えることは少ない。もっとも感覚支配から先、感情支配と完全隷属は1対1で時間をかけて術を深めるのだが。
この異世界人に操作系の魔力を注ぐには一旦感情支配並みの催眠状態にして自分から魔力を受け入れるように仕向ける必要がありそうだった。ただ種を植えつけたいだけなのに、全く手間をかけさせてくれる。
まぁ得るものがあるならば多少の手間を惜しむつもりはないけれど。

ベッドに腰を下ろし、ひとつ深呼吸をしてからそっと呼びかけた。
「……アキ殿」
うっすら潤んだ黒い瞳がぼんやりと向けられる。熱に浮かされたような表情。薬は間違いなくきいていた。
「私の声が聞こえるか?」
問いかけると、ゆっくり唇が動かされる。
「お……さま」
「そうだ。そのまま眠らずに、きちんと私の声を聴いてほしい。悪いようにはしない。安心していい」
「…フィー……」
「フィアルテはあとで迎えに来るぞ。大丈夫だ。フィアルテが来るまで、私と話をしていよう。どうだ?」
微かに頷く。反応はできても、思考はほとんどできていない。あの薬を使うと恍惚状態まではすぐにもっていけるので、信頼関係の構築は必要ない。あとは違和感のない会話をしながら、より深い催眠に導いていくだけだ。
「楽にして……」
この様子だと今は幸福感より眠気が勝ってそうだから急いだ方がいい。暗示をかけ、誘導しつつもある程度は自分の頭で考えさせるーーそうすると催眠はより深く解けにくくなるから、その前に眠られると困るのだ。
「いま、どんな気分だ?」
「……あたたかくて……うれしい……」
「あたたかい、か。どこがあたたかい?」
予想外の質問だったのか、少し間を置いた後に答えた。
「……背中と……腕……?」
たぶん毛布が当たっている部分のことを言っているのだろう。安心感を与えたい場合、肌触りのいいものと接していることが案外重要だったりする。
「背中と腕か……腰や足や膝の裏はどうだ?」
「……ぜんぶ…あったかい……」
「それはいい。あたたかいと気持ちがいいだろう?」
「うん……」
「匂いはどうだ?」
「匂い……いい匂いがする……」
鎮静作用のある香の中でも最高級の部類に入るイラムの香り。甘く濃厚な香りにも関わらず不思議と低刺激で術師の間では人気が高い。
「いい匂いか。気に入ったか?」
「うん……」
「じゃ、その匂いをいっぱい嗅いでみよう。大きく息を吸って、吐いて……」
素直に深呼吸を始める。指示に身体が従う状態、肉体支配までいくと否定以外の言葉は無批判に受け入れて心の中に反映し始める。おそらく眠ってしまうこともないし、次の段階に進めるということでもあった。
「息を吐くときに少しずつ身体の力を抜いて……」
安らかな息を吐く。
「瞼が重ければ閉じてしまってもいいぞ……」
リラックスした表情で目を閉じる。器の顔なんて正直どうでもいいと思っていたが、あどけなくてなかなか可愛い。
「身体はどんな感じだ?重いかな、軽いかな」
「……重い……」
「重い、か……手も足も重い?」
「重い……」
「動かせるか?」
指先に力がこもる。”力は入らない”と認識しているから、動くはずがなかった。
「……動かせない……どして……」
「大丈夫。余計な力が抜けて、リラックスできているということだ。それでいい」
瞼を軽く指で押さえたまま問う。
「目は開けられる?」
「開け……られない……」
「そう、目も開かない……だんだん身体が沈んでいくな」
「しずむ?」
「あぁ、お前は沈んでる。温かい空間の中をゆっくり沈んでいく」
「……ゆっくり沈んでいく……」
「息はそのままに、身体はゆっくり沈んでいく……深くまで……」
感覚支配をどのような形で深めるかは術者の好みだけれど、沈む、落ちる、浮くは多いかもしれない。その3つは不安と安心のコントロールがしやすい。
「そこはどこまで行ってもずっとあたたかい場所だから安心していい」
「暗い……」
「暗いのはこわいか?」
「こわい……」
「暗くても声は聞こえるだろう?声が聞こえていれば大丈夫だ……何も怖いことはない……そこはお前の中だから怖いものは何もない……」
右手をそっと握る。
「ほら、もう沈んでもいないぞ……」
「沈んで……」
「沈んでいない。お前は浮かんでる」
眉間にこもっていた力がフッと抜ける。不安から安心へ。今度はぼんやりした状態から、感覚を取り戻す作業に入る。
「からだがまた温かくなってきただろう?」
「うん……」
「何が温かいかわかるか……?」
「……あたたかい……ん……あたたかい…手……?」
「そうだ……感じようと思えば、ちゃんとわかるはずだ。身体の感覚も戻っている……肌に触れているもの、ここがどこで、自分が誰かも……」
感覚支配は五感のコントロールを指すところ、本人がきちんと五感を研ぎ澄ましている必要がある。恍惚状態のまま身体感覚だけを本人に戻し、その上で指示通りの感覚を上書きしていく。
「そこは真っ暗でもなんでもない……目を開けてごらん……」
うっすら目を開けた。天井を見つめる。
「ほら、ちゃんと見えるだろう?」
「みえる……」
「こわいか?」
「こわくない……」
「私の顔を見て……」
黒い瞳に顔が映る。黒い瞳孔は鏡のようだと思う。王国の人間が尊ぶのもわかる。
「私がこわいか……?」
「こわくない……」
感覚支配までいくと、対象者の心には安心感と淡い幸福感が継続的に湧いてくる。このままの状態でいたいという意識が強く働いてるはずだから、心身の限界を超えない限りは術者の言う通りに感じるし、受け入れる。
そろそろ魔力を流しても問題ないだろう。覚醒しない程度に少しずつなら。
「今からもっと気持ちのいいところに連れて行ってやろう」
「きもちいいところ……」
「そう……体がふわふわしたものに包まれているのがわかるか?」
「んん……」
「あたたかくてやわらかくてふわふわしたものだ……」
「あたたかくてやわらかくてふわふわ……」
うっとり呟く。
「きもちいい……」
「そう、すごく気持ちいいだろう?」
「気持ちいい……」
「幸せか?」
「しあわせ……うん……」
「その幸せはこの魔力がもたらすものだ」
「魔力……?」
「そう。この声を聴き、この魔力を感じていると身体がリラックスしてきて、他のことが何も気にならなくなる……」
「リラックスする……」
「そうだ……いま感じている感覚をよく覚えて……」
「うん……」
「もう一度私の目を見て」
「どんな気分だ?」
「あたたかい……」
ぎゅっと手を握り返してきた。ここから先は身体操作ではなく精神操作の領域になる。思っていること、考えていること、感情を操る。植え付けた感情は覚醒後も深層心理に残るから、好き嫌いのような感情のコントロールも可能だ。
「私はいつでもそのあたたかさを与えてやれる……だから私を求めろ。この魔力を求めろ」
「求める……?」
「私はお前の安心に、存在に必要な存在ということだ。私がいなければお前は完成しない」
「俺には貴方が必要……」
「そうだ。私の手をとってこそ、お前はお前になる」
言葉の意味を咀嚼しているのか、ぼーっとしながら俺を見つめる。
「俺は、貴方が好き?」
「そうだな……そういう解釈でもいい」
「俺は貴方が好き……」
確認するように繰り返す。魔力操作が通じる相手の場合は術をかければ好きも嫌いもなく精神が従属するから、こういう段階を踏むのは新鮮だった。そろそろ本格的に魔力を流すか。
握った手から意図を持たせない魔力を流してみる。ちゃんと体内に流れ込んだ。やはり操作系の魔力だけを受け付けない体質らしい。
「私が好きなのだから、私の魔力のことも好きだな?」
「すき……」
「では一切拒絶するな。跳ね返すな」
「拒絶しない……跳ね返さない……」
「そうだ、もう少しずつ体の中に入っているのがわかるだろう?どうだ?」
「うん……」
「苦しいか?」
「ううん……」
「変な感じがするか?」
「……しない……」
「そのあたたかいものはお前の魔力と同じものだ」
「同じ……?」
「そう。同じだから受け入れられる」
「同じだから、受け入れられる……」
じわじわと手から流し込んでいた魔力がようやく全身に巡る。彼自身の魔力と並走させても拒絶はなさそうだった。
「このあたたかいもの、もっとほしくないか?」
「……ほしい……」
「もっと熱いものがたくさん中に入ってきたらどうする?」
「受け入れて……拒絶しない……」
ようやくだ。試しに軽い忘却系の魔力を流してみたが、拒否反応はなかった。これでようやく属性魔法が使える。
彼の上着を肌蹴させ、自身もローブと上着を脱ぐと、彼の顔の両脇に肘をついて上半身の肌を重ねる。接触している部分が大きいほど効率がいい。座った状態で向かい合わせに抱き起こそうかとも思ったが、暴れる可能性もあるので覆い被さってしまった方が押さえ込みやすくていい。頭を抱えるようにして抱き込んだ。
今、誰か部屋に入ってきたら何も言い訳できないな……まぁまだ多少時間はあるが。
「んんっ」
魔力を流し始めると、量にびっくりしたのか身体が跳ねた。逃げようと身をよじるのを身体全体で押さえる。
「大丈夫だ……いまさら拒絶するな……力を抜け……」
暴れて肌をこすりつけられると不埒なことをしたくなる。が、それをするとさすがに覚醒してしまうだろうし、何よりあの従者たちに速攻でバレるだろう。
「口を開けて」
ぽかりと開けられた口に魔力を纏わせた指を突っ込んで舌をさすってみる。逃げようとした舌を親指と人差し指で挟んで親指を擦りつけた。舌尖が硬い魔族とは違う、先まで柔らかくてなんとも頼りない舌。うん、少しくらい粘膜摂取させても大丈夫だろう。ゆっくり口を塞ぎ、舌を潜り込ませた。擦り合わせた舌から、口内の粘膜から、これまでの倍くらいの魔力を流し込む。やはり皮膚からより粘膜からの方が抵抗が少なくて楽だ。
「…んっ……んぅ…んんっーーーー」
足をばたつかせて、それでも耐えられなかったのか背中を反らそうとする。少し身体を浮かせて、彼のさせたいようにさせてやると、背中が弓なりに何度も浮き上がる。軋みそうなほど大きくしなった背を宥めるように撫でた。
「んっんっんぅ……」
魔力が満ちるほどに抵抗が弱まっていく。大人しくなった彼の咥内を蹂躙しながら、限界まで魔力を注いだ。溢れる直前で唇を離す。薄く開いたままの唇に吸いつき、上唇を食み、唇を舐めとった。リノリアンの唾液は甘い。もっと、と年甲斐もないことを考えかけてため息をつく。自分が夢中になっては意味がない。
そうする間も彼の身体はピクリとも動かなかった。鼻と口に頬を寄せてちゃんと呼吸しているか確認しつつ、注いだ魔力の流れを見る。
ーーこれまで使ってきた魔族の器と遜色ないほどの量が入ったな。案外魔力の相性の問題で、受容能力に種族は関係ないのかもしれない。
術を発動させてから身体を起こすと、涙で濡れた目がぼんやりと見つめてきた。まなじりにたまった水滴を指で拭う。
「終わったぞ。よく頑張ったな」
「終わり……?」
「少し楽にしてやろう」
お腹に手を当てて、体内を暴れまわっている魔力を一箇所に収束させる。身体がビクビクして手に吸い寄せられるように腰が浮いてお腹が持ち上がった。
「んん……」
収束させた魔力の回転速度を徐々に下げていく。ほとんど止まってるくらいまでゆっくりと。少し興奮が冷めたのか、細く息をつくのが見えた。
「あとはその私の魔力をお前の魔力で覆って……箱に入れて、鍵をかけて、なるべくお腹の奥の方に沈めるんだ」
箱やら鍵やらはイメージの問題だが、わりと有効だ。魔力は核を中心にかなり圧縮して小さくしておいたから、魔力が少なくても覆うのが難しい大きさではない。が、普通の人間である彼にとってはそれすら結構な重労働らしい。悪夢に魘されているかのように汗だくになって首を振り、苦しそうに息を荒げている。
「少しずつでいい……あと2回くらい覆って……もう少しだ……」
だいぶ私の魔力の気配が薄まってきた。私の術をよく知る者か、相当敏い者が直接彼の体に触れて調べない限り感知できないだろう。体内を刺激していた魔力が収まるべきところに収まってきたのか、息も落ち着いてくる。
「よし……いい子だ……」
臍の下に浮かんだごくごく小さな模様に手の平を当てて、慎重に消し去った。
「私の魔力が完全にお前の中に根付いて、身体に馴染んだら、私の元へ来い」
「馴染む……?」
「そうだ。馴染んだら、私の考えも、気配も、わかるようになる。どこにいてもたやすく見つけられるはずだ」
魔族は自我や意識と魔力の結びつきが強すぎたが、変にクセのないこの器ならより完璧な受け皿になる可能性はある。
「いっぱい頑張ったから、いま凄く眠いだろう?」
疲れを自覚させると、途端に目がトロンとしてくる。
「うん……」
「ではそのまま眠ってしまおう」
大人しく目を閉じた異世界人の額を乾いた布でぬぐいながら、静かに呼びかける。
「”毒”の話から今までのやりとりは、記憶しなくていい。忘れろ。すべて忘れて深く眠って、スッキリした気分で目覚めるぞ……」
忘却のまじないがきくかわからないので、とりあえず暗示の方もかけておく。
規則正しい寝息を立て始めた彼の汗を拭きとり、乾かし、身繕いをさせ、ようやくほっと息をついた。
これで下準備は完了だ。
種が芽吹けば、彼は私のもとに来る。

熱魔法で汗を乾かし、ローブを羽織り、換気のために窓を開ける。
窓の外は夕暮れの薄闇に包まれていて、空には小さく星が瞬いていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました

芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」 魔王討伐の祝宴の夜。 英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。 酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。 その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。 一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。 これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される

水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。 絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。 長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。 「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」 有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。 追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

処理中です...