STAR STONE STORY

ニッコーゴウ

文字の大きさ
12 / 13
第二章 風の星霊 シルフィ エルフの森編

エルフの過去 『精霊の根源』

しおりを挟む
いつもの爽快な風は、今日に限り彼女にも凍えるような冷たい風に感じられた。

この世に生まれてから彼女は自分の記憶にある涙などなかった。楽しい日々のフラッシュバックが余計に彼女を痛めつけていた。

顔の入れ墨のような緑の光は彼女の目からも感じ取れるくらい眩かった。

「…一体なんだっていうの。。」

〝それは風の精霊の力だよ〟

少女のような声がエルフィの身体中に響いた。

「えっ、なに!?」

〝びっくりさせちゃったね。君があまりにも私たちを好きなもんだから、私の居所はあなたになっちゃったみたい。〟

「こんなの望んでない!」

〝私もあなたにそんな模様が出るなんて思ってないもの。耳だって尖っちゃうし。〟

「元に戻してよ!!!」

〝…お願いがあるの。〟

「…お願い?」

〝私たちを…守って欲しいの。〟

そういうと風の精霊は事を話した。

近くにある森がヒューマンによって傷つけられている。そこは風の『精霊の根源』。そこがなくなると世界に大きな災害が起きてしまう。

なにも精霊は風だけではない。

炎や大地、氷や水、雷など、ヒューマンのいう物質とは全て精霊の力によるものである。『精霊の根源』は世界各地にあり、それがこの世界の生命維持には不可欠なのだ。

嵐や地震。火山の噴火。雷雨など。
それらは全てこの『精霊の根源』によるものなのだ。

生命が必要以上のものを得ようとすると、同時にこの力も必要以上に発揮をする。それが各地の災害に繋がっているというのだ。


それを知らないヒューマンたちは自分達の生活に必要以上のものを自然界から取り上げている。

言葉のないものには共存は必要ないと言わんばかりに。



話を聞いたエルフィは問う。

「私は、私をなんで選んだの??私も同じヒューマンよ?」

〝私たちはヒューマンのことが嫌いだからではないのよ?ただ世界を守りたい。『精霊の根源』が暴走してしまうとこの島にだって、世界中が被害を受けてしまうわ。どちらも愛せるあなたを選んだだけよ。〟

「でも、、1人でなんて。。」

〝少女1人に任せるつもりはないわ。あなたと同じように私の仲間が他の人に力を与えているわ。〟

「お父さんとお母さんは?」

〝残念だけど、力を与えてあげられないわ。きっと体が裂けちゃう。〟

「そんな…!もう会えないの?」

〝会えるけど、あなたが辛くなるだけよ?その姿は私もどうすることもできないし。〟

エルフィは深く落ち込み、黙り込んでしまった。

〝森を守ればあなたの両親も助かるわ。辛いかもしれないけど、私がそばにいる。ずっと一緒よ?あなたの姿なんて正直私のせいな気がしてきてそんな悲しまれるとほんと申し訳なくなってくるじゃない。〟

エルフィは精霊のその言葉で少し救われた。

「ちゃんと謝ってね?ほんと迷惑なんだから。」

〝だからもうごめんって言ってるじゃないー!〟

「アハハ…!ちゃんとそばにいてよ?今日から友達ね?」

〝そうね。はじめまして。私は風の…いいえ。あなたの精霊シルよ。以後よろしくね。〟

「手紙だけ置いていかなきゃな。」

〝早くしてよー!森が危ないんだよ?〟

「ちょっとうるさいなぁ!お家飛び出してきちゃったし、ちゃんと行くけどこれくらいさせてよ!」

〝もう!仕方ないなぁー!二言だけ書いていいよ!〟

「最後かもしれないお別れに二言で済むわけないでしょ!」



こうしてエルフィはシルに案内され森へ。そこには彼女と同じような姿の、まさしく現エルフ族の姿をしたものたちが各風の精霊によって集められていた。

その皆が集まる中央には手を広げたヒューマンが10人でやっと手を繋げるほどの大木。その大木には不思議な力を感じたエルフィ。

「これが…。」

〝そう。『根源』だよ。これなしでは君たちは生きれない。〟

圧倒された。

君の知っていることなど世界のほんと一握りに過ぎない。そう言われる感覚が体を走った。

〝大丈夫?怖い?〟

「あぁ!…ごめんごめん!圧倒されちゃって。心配した?」

〝なによ!当たり前でしょー!〟

エルフィは精霊とのやりとりの後、同じ仲間に案内をうけ、説明を受けた。


「ヒューマンの中に、この森の木々が建造物に最適とし、次々と伐採しているものがいる。そしてある日この大木に出会い、これも回収しようとしているらしいんだ。それを食い止め、この大木を守り抜く。そのヒューマンたちがきたら追い払えばいいってことだ。」

仲間の内の青年が話す。だがエルフィは頷きはしなかった。

「待って!相手はヒューマンでしょ?話せばきっとわかってくれると思うの!」

「な!?説得するというのか!無理だ!」

「そんなことない!!傷つける必要なんてない!そんなことしたらもっと強力な何かでまたここを壊そうとするわ!それこそもっと危険になるのよ!?」

「むっ…!」

「…私が説得する。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

繰り返しのその先は

みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、 私は悪女と呼ばれるようになった。 私が声を上げると、彼女は涙を流す。 そのたびに私の居場所はなくなっていく。 そして、とうとう命を落とした。 そう、死んでしまったはずだった。 なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。 婚約が決まったあの日の朝に。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...