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第十七話
同窓会
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中学の同窓会で、35年ぶりに生まれて初めての彼女と再会した。
当時の彼女は、ほんのちょっとふっくらしたタヌキ顔の可愛い子だったが、今は年齢の割に肌が綺麗でシュッとした雰囲気のいい女になってた。
それに比べて俺の方は…かつてはスポーツとROCKを愛する少し不良ぶったまぁまぁの少年だったが…今や腹の出た中年オヤジである。
でもそんな俺が声をかけても、ニコッと笑顔で返してくれた。
「久しぶりだね。」
「35年だもんね。元気だった?」
「まぁ、それなりにガタピシ来てるけど、なんとかね。」
「それはお互い様よ。私だってもうボロボロ。」
「へぇ、そんな風には見えないけど?」
「上っ面だけ取り繕ってるだけよ。脱いだら別な意味ですごいんだから。」
「へぇ、見てみたいな。」
彼女は冗談めかして肘鉄をくれてきた。
彼女とは当時、中学生らしく可愛いお付き合いをさせてもらった。それこそ手を繋ぐどころか、手がぶつかっただけでドキドキするような、そんな二人だった。
デートと言っても学校帰りに公園のベンチで話をしたり、たまに隣町まで買い物に行ったり。そんなデートだった。
中学生活も間もなく終わりそうな一月、いつもの公園で缶コーヒーを買った時に、意を決して彼女に言った。
「キスしていい?」
彼女は目を丸くして俺の目を見つめた後、小さく頷いた。
俺は映画で見た通り、彼女の顎を指であげ、自分の顔を少し傾けてキスをした。
時間にして1秒あるかないかくらいしか唇を重ねていないはずだが、ものすごい長い時間そのままいた気がした。
唇を離すと、彼女はまた下を向いた。俺は一言「ありがとう」と声をかけ、彼女を不器用に抱きしめた。
同窓会の二次会は、近くの居酒屋だった。俺たち二人は端の方に隣同士に座り、お互いの近況を話したりした。
お互い歳を重ねた二人は、それ相応の人生を歩んで、それ相応に大人になっていた。
「そういや覚えてる?キスした時のこと」俺は彼女以外には聞かれないよう、彼女の耳元で小声で話した。
「…うん…忘れるわけないじゃん…そんな大事なこと」
あの時と同じように彼女は下を向いた。
その姿を見て、俺はまた彼女に「ありがとう」と言った。
二次会も終わり、皆が帰ったり次に向かう中、俺はあの、キスの時のように意を決して彼女に言った
「二人きりになれないかな?」彼女もあの時と同じように小さく頷いた。
表通りまで出てタクシーを拾い、そこから二駅の所にあるホテル街へ向かった。俺はタクシーの中で彼女の手を握り、彼女も俺の手を握り返していた。
部屋に入ると彼女は俺に抱きついてきた。
「あれからいろんな人と付き合ったし、結婚もしたけど、あなたの事が忘れられないの。」
「俺もだよ。ずっと君のことが忘れられなかった。」
二人はまるで初めて異性と交わるかのようにお互いを求め合った。
30年以上夢に見た彼女の裸体は、流石に実年齢には勝てない緩みはあるが、それを補うほど眩しかった。俺の身体も、自分で言うのもなんだが弛んではいるものの股間は若い頃…とまではいかなくても雄々しく屹立している。
そんなお互いの身体を、二人は何時間も抱きしめ合い、舐め合い、探り合った。そして二人の人生に於いて一番大事なパーツがそこにある事を認識した。
あれから半年…二人とも離婚が成立し、二人で住む家を探すために、一緒に過ごした思い出の街に来た。同窓生が営む不動産屋に二人で顔を出して驚かれ、その計らいで条件の良い物件を紹介してもらった。
ただしその見返りとして、引越しの日は新居で小さな同窓会が開催されるらしい。
当時の彼女は、ほんのちょっとふっくらしたタヌキ顔の可愛い子だったが、今は年齢の割に肌が綺麗でシュッとした雰囲気のいい女になってた。
それに比べて俺の方は…かつてはスポーツとROCKを愛する少し不良ぶったまぁまぁの少年だったが…今や腹の出た中年オヤジである。
でもそんな俺が声をかけても、ニコッと笑顔で返してくれた。
「久しぶりだね。」
「35年だもんね。元気だった?」
「まぁ、それなりにガタピシ来てるけど、なんとかね。」
「それはお互い様よ。私だってもうボロボロ。」
「へぇ、そんな風には見えないけど?」
「上っ面だけ取り繕ってるだけよ。脱いだら別な意味ですごいんだから。」
「へぇ、見てみたいな。」
彼女は冗談めかして肘鉄をくれてきた。
彼女とは当時、中学生らしく可愛いお付き合いをさせてもらった。それこそ手を繋ぐどころか、手がぶつかっただけでドキドキするような、そんな二人だった。
デートと言っても学校帰りに公園のベンチで話をしたり、たまに隣町まで買い物に行ったり。そんなデートだった。
中学生活も間もなく終わりそうな一月、いつもの公園で缶コーヒーを買った時に、意を決して彼女に言った。
「キスしていい?」
彼女は目を丸くして俺の目を見つめた後、小さく頷いた。
俺は映画で見た通り、彼女の顎を指であげ、自分の顔を少し傾けてキスをした。
時間にして1秒あるかないかくらいしか唇を重ねていないはずだが、ものすごい長い時間そのままいた気がした。
唇を離すと、彼女はまた下を向いた。俺は一言「ありがとう」と声をかけ、彼女を不器用に抱きしめた。
同窓会の二次会は、近くの居酒屋だった。俺たち二人は端の方に隣同士に座り、お互いの近況を話したりした。
お互い歳を重ねた二人は、それ相応の人生を歩んで、それ相応に大人になっていた。
「そういや覚えてる?キスした時のこと」俺は彼女以外には聞かれないよう、彼女の耳元で小声で話した。
「…うん…忘れるわけないじゃん…そんな大事なこと」
あの時と同じように彼女は下を向いた。
その姿を見て、俺はまた彼女に「ありがとう」と言った。
二次会も終わり、皆が帰ったり次に向かう中、俺はあの、キスの時のように意を決して彼女に言った
「二人きりになれないかな?」彼女もあの時と同じように小さく頷いた。
表通りまで出てタクシーを拾い、そこから二駅の所にあるホテル街へ向かった。俺はタクシーの中で彼女の手を握り、彼女も俺の手を握り返していた。
部屋に入ると彼女は俺に抱きついてきた。
「あれからいろんな人と付き合ったし、結婚もしたけど、あなたの事が忘れられないの。」
「俺もだよ。ずっと君のことが忘れられなかった。」
二人はまるで初めて異性と交わるかのようにお互いを求め合った。
30年以上夢に見た彼女の裸体は、流石に実年齢には勝てない緩みはあるが、それを補うほど眩しかった。俺の身体も、自分で言うのもなんだが弛んではいるものの股間は若い頃…とまではいかなくても雄々しく屹立している。
そんなお互いの身体を、二人は何時間も抱きしめ合い、舐め合い、探り合った。そして二人の人生に於いて一番大事なパーツがそこにある事を認識した。
あれから半年…二人とも離婚が成立し、二人で住む家を探すために、一緒に過ごした思い出の街に来た。同窓生が営む不動産屋に二人で顔を出して驚かれ、その計らいで条件の良い物件を紹介してもらった。
ただしその見返りとして、引越しの日は新居で小さな同窓会が開催されるらしい。
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