性に関する幾つかの話

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第二十一話

妻は奴隷

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「旦那様、お帰りなさいませ」
 仕事を終えてマンションに帰ると、首輪だけを付けた全裸の妻が玄関先で三つ指をついて出迎えていた。

 一年前、妻の浮気が発覚した。
妻が当時勤めていた会社の同僚で、暑気払いの折に開放感から関係を持ったらしい。同じ職場にいた共通の友人からのタレコミで発覚した。
 不貞行為はその一度だけだったが、相手の男にはしっかりと慰謝料を頂き、社内行事での不貞行為という事で上層部まで巻き込んだ話にしてやった。
 結果相手の男は懲戒免職に近い辞職、妻も辞めさせた。

 その後妻には離婚を仄めかしたが、泣いて縋りつきながら「なんでもします。捨てないで下さい」と哀願してきた。
 私がいながら他人の肉棒を咥え込むような女を愛せる訳がない。しかし妻は、美貌と素晴らしい身体の持ち主である。
だから私は、妻を奴隷として飼う事にした。
 妻にそれを伝えると、最初は困惑したが「受け入れられないのならサヨナラだ」と告げると納得した。

 それから一年、妻は冠婚葬祭などの仕方ない外出以外は毎日一糸纏わぬ、いや、首輪だけを付けたままで過ごしている。料理や掃除の時だけは、割烹着を着させているが。

 玄関で私を出迎えた妻は、私の脱いだ靴を揃えてキッチンへ向かい、割烹着を着て夕食の準備をした。
 ダイニングのテーブルに夕飯とビールが並び、タブレットでニュースサイト等を眺めながら夕食を摂る。
妻はテーブルの脇に正座をして食事を摂り、その後細々と家事を終え、風呂の準備をしている。

 夕食と晩酌を終えて風呂に入ると、首輪を外した妻が「お流しいたします」と入ってくる。
 湯船から出た私の身体を丁寧に洗い、シャワーで優しく泡を流す。

「後ろを向いて壁に手をつきなさい」
私が妻に命じると、ハイと答えて言った通りの格好になる。私は後ろから妻には抱きつき、歳を感じさせぬ張りのある肌を乱暴に嬲る。妻は小さくハァハァと息を漏らす。
「薄汚れたメス豚の分際で、一人前に吐息を漏らすのか」
私は言葉で詰りながら更に嬲る。

「ごめんなさい…あぁ…ごめんなさい」
妻は足をガクガクを震わせて嗚咽する。

 私は洗い場に妻を倒し、怒張した逸物を妻に突き立てる。妻は半ば白目を剥きながら喘ぐ。

 幾度か体位を変え、最後は後背位で妻の中に果てた。そしてその、愛液と精液で汚れた逸物を妻に口で掃除させ、改めてシャワーを浴びた。

 寝室は別にしている。私は寝室に酒とツマミを準備させると、一人寝室で寝るまでゆっくり過ごす。
あれ以来、ベッドの上で妻を抱くことはない。昨夜のように風呂やリビング、時には玄関先で行為に及ぶだけだ。

 愛情は既にない。奴隷として扱っているだけである。勿論妻には避妊薬を飲ませている。もし妊娠したら即離婚とも申し付けてある。
 妻の瞳は、いつの日か輝きを失った鈍色の瞳になっている。自我を否定された人間の末路だろうか。
しかしこの生活を終わらせる気持ちはない。私を裏切るとは、こういう事なのだ。
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