恋。となり、となり、隣。

雉虎 悠雨

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第二章 車内でも隣には

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 ゴールデンウイーク初日、日中は仕事があった目雲に合わせて、夕方から待ち合わせてドライブがてら少し遠くの洋食屋で夕飯を食べた帰りに近くを通るからと高台にあるあの公園に来ていた。
 展望台に向かう道でゆきは目雲に尋ねた。

「どうしてあの時ここに連れて来てくれたんですか?」

 あの時と言われて目雲は衝動的過ぎた自分を思い出して足を止めそうになったが、無理やり次の一歩を踏み出し、会話も止めなかった。

「ゆきさんと出かけたことがなかったと考えて、せっかくだから少しでも喜ぶ場所をと思い出したのがここでした」

 状況を忘れて見惚れる程綺麗だったと微笑んだゆきに、目雲はさらに不可解だっただろう自分の言動の解説をせずにいられなかった。

「そう考えたら隣に住んでいる時と違って会いたいと思っても偶然なんて待ってられないんだと気が付きました。だから自分で運転したら思い立った時にゆきさんのいるところまでいけるんだと思ったんです。ゆきさんの行きたい場所にも連れていけますし」
「だから車の話だったんですね」

 笑うゆきに反省を述べる。

「自分本位でしか行動しなかった結果ですが」

 ゆきに責める感情など微塵もなかった。

「戸惑いましたけど、私もちっとも冷静じゃなかったのでその方が良かったです」
「はい、あの時の行動力だけは後悔していません。だから今こうしてゆきさんが隣にいてくれるので」
「それは、私の方こそ感謝です」

 夜はまだ冷えるからか、夜景を見下ろす展望台には人影は全くなかった。

「今日も綺麗ですね」

 柵を掴んで遠くを眺めるゆきは前とは違いしっかりと厚手のコートを着て、ストールも肩から掛けていて寒さに対しての油断はない。
 目雲は逆に季節相応のスプリングコートで、そのポケットに手を入れて、そんなゆきを数歩後ろから眺めていた。

「ゆき」

 びっくりして振り返ると目雲がいつも通りの表情で立っていた。
 ゆきも少しは読めるようになったと思っていたその顔からは感情が伺えなかった。

「やっぱり気になってましたか?」

 先日愛美と話していたことが頭を過り、申し訳ない気持ちで俯いて視線を逸らしてしまうが、目雲が近づいてくるのは分かった。

「違いますよ、ただ呼んでみたかっただけです」

 手を取られて目雲が導くままにベンチに座る。
 座ってからも手は離れず、そのゆきの手を温めるように目雲は膝の上で両手で握り込む。
 ゆきはまごまごと尋ねる。

「これからそうしますか?」

 その自分の手を見ながらゆきが聞けば、目雲は視線を夜景の方にしながらゆきの手をそっと親指で撫でる。

「いえ、無理することではないですし、ゆきさんが落ち着くなら今のままで何も変える必要はありません。話し方も僕はこの方が少し柔らかくゆきさんと話せるので、気に入ってもいます」

 僅かに目雲のその言葉には、いつも以上に柔らかさがあった。
 今のままでいいと改めて伝える目雲が、ゆきには不思議と楽しそうに見えて、どうしてだろうかと首を捻る。
 初めてまともに会話した時は目雲はベッドの上で弱っていたし、それからも宮前と話す姿は幼馴染との気の置けないやり取りだと受け取っていたし、他の人と会話しているのを聞いても相手や場面に応じて適切に話し方を変えていることに違和感は持っていなかった。
 表情であまり伝わらない代わりに態度や声のトーンでそれ以上の威圧がないようにと配慮しているのだとゆきは理解していたからだし、対応が違うのも社会人としての心得なのだろうと思っていた。
 だからゆきに対しても、仕事関係ではない年下相手への気遣いなのだろうと目雲がゆきだけにそうしているとは思っていなかった。

「そうだったんですね、私は深い意味はなかったんですが」
「ゆきさんは付き合うようになってからたまに気安い言い方を使うこともあるので、それを聞くのも嬉しいんです」

 ゆきは驚いて目雲の顔を見る。
 ゆきは付き合うとこになったからと話し方に拘りはなく、なんとなくそのままにしていることに意識もなかった。
 目雲も変わらなかったし、不満もなさそうだったからなのだが、まさか自分の話し方が変わっているとは思ってもみなかった。

「気づいてませんでした」
「親しくなってきたんだなと実感出来る一つです」

 それで楽しそうにしているのかと合点がいったゆきは自分の変化を自覚しようと夜景に目を移して、頭の中の乏しい自分の音声情報を探し始めた。

 ひんやりとした夜の静寂はゆきの頭の回転を助けてくれはしたが、その記憶が定まる前に目雲がおもむろに話し出した。

「ただ特別な時だけ」
「特別な時?」

 会話についていけなかったゆきは横に視線を戻そうとしたが、握られていた手を軽く引かれて、目雲にもたれる様に体が密着した。
 そして目雲はゆきの耳元に顔を寄せる。

「ゆき、って呼ぶ」

 息も掛かるその行為と囁くその声は驚愕するほどの破壊力でゆきに響いた。
 今までにない目雲の言動に乱れる心拍と停止した思考が、正常に戻ろうとゆきは止まった呼吸を取り戻そうとする。
 けれどそれを許さないかの如く、目雲はゆきの両肩に手を置いて少し体を離すと、固まって表情がないゆきの目線を拾うように首を傾げて、その頬に手を添えて上を向かせる。

「ゆき? いい?」

 反射的にそういう人形かのようにコクコクと首と縦に動かすゆきを、珍しく目元まで微笑んだ目雲がゆきを腕の間に閉じ込めて、見下ろす。

「ゆき」
「え、あ……」

 赤らむ顔を隠すためにゆきは両手で顔を覆ってしまう。

「ゆきも呼んでみて」

 身動きもしないゆきに、甘い声が降り注ぐ。

「名前、忘れた?」

 ゆきは手をそのままでぶんぶん頭を振る。

「じゃあ呼んで?」
「しゅうやさん」

 ぎりぎり目雲に届いた声に微笑みは深くなったがゆきの瞳に映ることはない。

「どうせだから呼び捨てに、あとこっち見て?」

 再び息が止まるゆきのささやかな動きが目雲に伝わる。
 少しするとゆきは手を顔から離すが、なかなか目雲を見上げない。

「ゆき?」

 優しいその声に促されるように、ゆっくり顔を上げ、さっきよりはっきりした声で名を口にする。

「周弥」

 意を決したゆきはじっと目を見つめて、恥ずかしさを隠すようにひどく真面目な顔をしていたが、上がった体温が目雲に伝わってしまっていた。
 目雲は自分が言わせたのに一瞬瞠目したすぐあと、ゆきをきつく抱きしめた。

「可愛い」

 ぎゅうぎゅう抱きしめられているゆきはまた顔が赤くなっていくのを自覚していく。
 ゆきがやたらと照れているのは目雲にも十分すぎるほどに伝わっていたが、その理由に思い至らない。

「恥ずかしがる理由は何?」
「あ、いえ、えっと」
「男は敬称付けないと呼べない?」
「そういうわけでも」
「俺に理由が?」

 少し体を離して目雲がゆきの表情を伺えば、視線が合うことはなく目雲の胸元で握りこんでいる自分の両手あたりを見つめている。

「年上の人なので」
「罪悪感がある?」
「いえ、……たぶんちょっと違っ」

 突然断ち切るようにゆきは口をつぐんだ。

「違う?」

 目雲に聞き返され、ゆきは自分の発言のミスに気がつき目をつぶって苦い顔をした。頭を手で覆って走って逃げたくなったが、そんなことは出るはずもない。
 罪悪感だと言うべきだったと、自分の愚かさを呪う。
 誤魔化すことも難しいと思ったゆきは諦めて自分の正確な感情を吐露する。
 けれど、そこに自分の感情そのものを乗せることは恥ずかし過ぎたので、敢えて他人事の様に務める。だから目雲から離れて、真正面だけを見つめた。

「背徳感なんだと」
「背徳感?」

 腕から逃れ遠くを見つめるゆきを目雲は足を組んでわずかにのぞき込む。

「年上の男の人を呼び捨てにするって特殊な状況だと思うんです、親しい関係だと暴露しているような印象もあります」
「確かに」
「だから」

 ゆきはそこで言葉を切り、それ以上言うつもりがないように俯いて黙った。

「ん? この男は自分と親密だと宣言するようだっていうのは、背徳感に繋がる? 羞恥心に繋がるのは分かる。隠したいとか罪悪感があるというのなら納得もいくが、後ろめたさ以上の何かがないと背徳感にはならない」

 全く持っての正論にゆきは天を仰ぐ。
 この状況で冷静に分析できる横の男をどうにかしてほしいと願うが、どうにもならないことも分かる。

「目雲さんは――」
「今は名前で」

 目雲がゆきの頬に手を添えて目線を自分のもとに向けると、珍しく眉をひそめて恨めしそうな顔をしたゆきがいた。

「……周弥は、見逃してくれない」
「ゆきのことは正確に知りたい」
「雰囲気でくみ取ってくれてもいいと思う」
「ゆきが背徳感だって言う根拠を知るのは重要だ、勘違いもしたくない」
「羞恥心でもいいです」

 目雲はきっぱりと首を横に振って、じっとゆきの目を見つめる。
 唸りながらゆきは項垂れるように頭を落として額を目雲の胸に付ける。
 しばらくそのまま固まっていたが、一つ深いため息をゆきが吐いた。
 そしてそれまで抱きしめられても目雲の腕の中にいるだけだったのに、突然、目雲の背に手を回して抱き着いた。

「ゆき?」
「……周弥が、呼ばせてもいいって、そう思わせた優越感と、周弥と対等だって思える高揚感みたいのがあるから」
「優越感と、高揚感」
「別に常日頃対等になりたいとか思ってるわけではないし、めっ……周弥はいつも大人だなってちゃんとしてるって思ってるから、余計に恥ずかしいというか。いけないことしてる感です!」

 後半は自棄になったように言い捨てた。

「ゆきもそういうことを考えるんだな」

 そろりと顔を上げるゆきが不安そうに目雲を見つめる。

「がっかりした?」
「それで赤くなって呼べなくなるゆきは可愛い」
「可愛いで済みますか?」
「それ以外ない。あとやっぱり聞き出すべき重要事項だった」

 ゆきが目を瞬かせる。

「そう、かな」

 言葉遣いを意識しながらも、どのあたりかピンと来ていないゆきに目雲が教える。

「名前を呼ばせるとゆきが高揚するのが分かった」

 じわじわ赤くなったゆきは、そのままながら目を細めて不満を隠さない。

「……本当にたまに意地悪ですね」

 いつも朗らかなことが多いゆきの珍しい表情ばかりに微笑む目雲がいた。

「たまにはこうやって遊びましょう」

 突然戻った目雲に、それはそれでときめきでゆきの動揺は終わらない。

「うぅ、はい」
「あまりいると冷えすぎるので帰りましょうか」

 体を離してゆきは息をついた。

「賛成です……けど、正直いろいろな理由であまり寒さは感じてません」
「僕が抱きしめたのと意地悪したからですか?」

 ゆきはすっくりと立ち上がって空に向かって話す。

「それ以外の理由があるなら教えてもらいたいくらいです」

 歩き出そうとするゆきを捕まえて目雲は正面から抱きすくめる。

「怒ったか?」

 目雲を見上げて睨みながら、ゆきもきちんと目雲に合わせる。

「怒って、ない」

 目雲の脇腹辺りにあるゆきの手がぎゅっと掴む感触に、目雲はゆきの頬に手を添え目線を合わせ、腰に回した反対の手でゆきをさらに抱き寄せる。
 気恥ずかしさから体温が高いままのゆきの唇を添えた手の親指でなぞる。

「冷たくなってる」
「え」

 引き付けられるように目雲の唇が重なる。
 思わず目を閉じてまた開かれるのは瞬きのごとく一瞬だったが驚くゆきが目線を上げると、目雲のその瞳に吸い寄せられる。
 今起こったことより、その瞳をもっと見たくてゆきが背伸びをすると、目雲がきつく抱きしめて再び口づけをした。
 冷たい唇が互いの体温を分けあるように重なり合う。
 ゆきのかかとが地面について、目雲を見上げる前に、また抱きしめられてしまう。

「照れるゆきさんが可愛らしいです」
「……心臓に悪いので本当にたまにしてください」
「それは、その時々で検討します」
「定型の逃げ口上です」

 二人は手を繋いで、来た道を戻った。

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