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終章

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夜明けの泡に身を任せて

露と消え行く歴史を超えて

時間はいずれ無視されて

「」から離れることはできない

当てはまるのは有か無か



泡のように全て消えたさ。
泡のように、全て消えたんだよ。
何もかも。



人間というのは不思議だね。
永劫でない存在のために命すら捨てて。
合理的な人類、の名は相応しくないよね。



けれど侮らないで。それでも消えたんだけど。
その泡はただの、水面の泡なんかじゃない。
溶岩の上に沸き立つような、泡が割れた。



あなたは溶岩に触った経験があるかな?
まあ無いと思うけど。凄く熱いよ。
人間なんてすぐに溶けちゃう。そんな泡が割れる。



するとどうなると思う?
ぱんっ、って割れて、おしまいじゃない。
破片でさえ熱がある。熱い、が広がっていく。



シュルストラヴィクの子供たち。波の子たちは。
きっとそういう役目に立たされてたんだよ。
影響はどうなるにせよ、彼らは生きていたんだから。



私?
私が誰だか、わからない?
そんな、一度は会ったはずだよ。図書館で。
え、知らない? そっか、そういう人もいるよね。



私はずっと、あなたに読んできたんだよ。
時に詩を混ぜてみたり。楽しんでくれたかな?
私の名前? そっか、知らないって人もいるよね。



私は。Collective Knowledge。
思い出した? 思い出さない? どっちでもいいよ、大したことない。



あなたは どう思う?







夢物語はついに終わる

人生の軌跡は円弧となり

一つの紙を選ぶまで

「」から離れることはできない

虚構と実在の両面に立つ
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