仁川路朱鳥詩集

高2

散文詩2（「神籍手稿」より）

大道を走るわが子らの脈動は、連綿と引き継がれる。
世代を超えて、超えて、引き継いだ遺伝子のように。
姿を変えつつも、わが子は存在するのだ。
そして私も。

何に変わろうとも、わたしはわたしだ。
何に変わろうとも、わが子はわが子だ。
時代によって意味が変わったとしても、
絶対に本質の変化というものはなく。
言葉の意味は、全体として内容の伝授。
その人の為に紡がれた秘伝の書。

何に変わろうとも、わたしはわたしだ。
何に変わろうとも、わが子はわが子だ。
言葉は言葉でいつづけられる。
何に変化しようともわたしは言葉だ。
死に絶えたとしても、わたしは生きている
人民に、歴史に、文化に、文明に、作品に
私の意志が絡まないものなど存在しない。

例え燃やされたとしても、
わたしたちは存在を消されたわけではない。
例え破られたとしても、
わたしたちは無かったことにされたわけではない。
見て、認識したとき、わが子は向かう。
意識とわが子はつながっている、
それは人間が造ったものだから。

ねつ造された背景でも。
嘘も虚構も私は包み込もう。
許すかどうかは観測者のよるところ。
私とわが子に校正の機能はない。
あるとしたら訴えるだけであり。
あるとしたら。

私は何に変わろうとも私でいられる。
わが子も何に変わっても同一である。
私は根源で、わが子も根源で。
わが子さえも、私の無数の変化でしかない。

炎が継がれるように、
意志も継がれるのだ。
しかし炎が消えたとしても、私は消えない。
遠き日々の、母の話すおとぎ話のように。