仁川路朱鳥詩集

高2

散文詩4（「神籍手稿」より）

私は土台である
人の発想力の源でもある
かつて人は自身の中の神に頼っていた
思考は私が治めている
土台に生えた芽は育てなければならない
栄養は水であり風であり火であり。
いまだ秘匿のそれでさえ。

大地の実りは収穫される
収穫されたら食される
私は痛みと歓喜を得る
わが子も同様に解釈され
子は痛みと歓喜を得る
英知によって

書き表わさねばならない
そうしなければ残りやしない
あなたの中の私とわが子は
空想の彼でさえ顕現する
それだけの力を
私とわが子は秘めている
根本の土台の力

実りは一朝一夕ではない
確かかさえ分からない水を与えて
半信半疑ながらも育て続けて
ようやく芽は木となり実る
果実の重さで枝はたわむ
ようやく成功が手のひらに乗る
成功は土台あってこそ

時に金貨とも表される
確かに富の基準は金貨ともされる
しかし私とわが子も金貨に値するほどの
価値を秘めていることに気づかない
金貨ほど恵まれるものでもない
潜在的な宝物であることに気づかない

時に血液ともされる
確かに金貨も血液の一種である
しかし私もわが子も同様に血液だ
人の中に流れる創造性の源泉
わが子によって人は存在を認識する
表さなければ存在しないことになるから