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輝かしい研究の合間を縫って、アッシュは秘密裏に、誰にも知られないように、ある途方もない研究を進めていた。それは、彼がアルフレッドのもとを去ろうとした理由、そして彼が与えられないと絶望した、貴族社会の宿命を覆すための、あまりにも壮大で個人的な願望だった。
彼の秘密の研究とは、男でも子供を産めるのではないかという、生命の根源に関わる魔術の探求だった。もちろん、彼が思い描く理想は、男と男の間だけでなく、女と女の間でも子が生まれる未来だった。
(もし、私が……アルフレッドの跡継ぎを残すことができたら……)
その思いが、彼の研究の原動力となっていた。貴族としてのアルフレッドの義務、そして自身の性別がもたらす限界。この切なくも現実的な壁を、魔術の力で乗り越えたいと、アッシュは密かに願っていたのだ。
もちろん、この研究は常識破りで、成功の可能性は限りなく低い。それでもアッシュは、誰にも迷惑をかけないよう、そして誰にも知られぬよう、こっそりと研究を続けた。膨大な古文書を読み解き、複雑な魔術式を組み立てる。しかし、期待通りの成果は全く出ない。その難しさは痛感していたため、焦らず、ゆっくりと研究を進めていった。
この秘密の研究の合間に、アッシュは他の様々な魔術の研究も並行して行っていた。それは、彼の天才的な頭脳と、尽きることのない探求心があればこそ可能なことだった。そして、そんな研究の成果の一つとして、彼はある特別な魔道具を完成させた。
それは、アルフレッドへの、アッシュが心から贈りたいと願う、世界でただ一つだけの贈り物だった。
完成した魔道具は、黒曜石の台座にはめ込まれた、深い森の湖のような輝きを放つ宝石が特徴的な、シンプルなデザインの指輪だった。見た目は控えめだが、その中には、アッシュの魔力が何十日もかけて、休みなく注ぎ込まれていた。そして、材料には、魔術師の間でも幻とされるほどの希少な素材がふんだんに使われている。
この指輪が持つ力は、絶大だった。それは、あらゆる種類の毒を、瞬時に無効化するという、究極の防御魔道具だったのだ。王都での毒事件、そしてアルフレッドが毒に侵された記憶が、アッシュの脳裏に深く刻まれていた。二度と、アルフレッドを毒の脅威に晒したくない。その一心で、アッシュはこの指輪を完成させた。
ある穏やかな夜、二人が暖炉の傍で寄り添っている時、アッシュはそっと小さな箱を取り出した。
「アルフレッド、これを……貴方に」
アッシュは、少し照れくさそうに箱を差し出した。アルフレッドは、アッシュからの贈り物に、目を輝かせて箱を開けた。その中にあったのは、深く輝く宝石の指輪だった。
「これは……美しい指輪だ。まさか、アッシュが私のために?」
アルフレッドが驚きと喜びの表情を浮かべると、アッシュは小さく頷いた。
「はい。これは……私が、貴方のために作った魔道具です。どうか、貴方の指に……」
アルフレッドは、嬉しそうに指輪を受け取った。そして、アッシュがつけてほしいという言葉に、迷わず自分の左手の薬指にその指輪をはめた。指輪が指にぴったりと収まると、アルフレッドはアッシュの手を取り、感謝のキスを落とした。
アッシュは、アルフレッドが指輪を身につけてくれたことに、心から安堵した。彼は、この指輪がアルフレッドをあらゆる毒から守ってくれると信じていた。アルフレッドは、この指輪の真の力、そしてアッシュがこの指輪を完成させるためにどれほどの時間と魔力を費やしたのかを知らない。しかし、その無邪気な笑顔が、アッシュにとって何よりも大切なものだった。
「ありがとう、アッシュ。大切にするよ」
アルフレッドは、アッシュを強く抱きしめた。彼の腕の中のアッシュは、アルフレッドを守ることができたという満足感で満たされていた。そして、彼の心の奥底では、いつかこの指輪以上のものを、アルフレッドに与えられる日を夢見て、秘めたる研究を続けるのだった。
彼の秘密の研究とは、男でも子供を産めるのではないかという、生命の根源に関わる魔術の探求だった。もちろん、彼が思い描く理想は、男と男の間だけでなく、女と女の間でも子が生まれる未来だった。
(もし、私が……アルフレッドの跡継ぎを残すことができたら……)
その思いが、彼の研究の原動力となっていた。貴族としてのアルフレッドの義務、そして自身の性別がもたらす限界。この切なくも現実的な壁を、魔術の力で乗り越えたいと、アッシュは密かに願っていたのだ。
もちろん、この研究は常識破りで、成功の可能性は限りなく低い。それでもアッシュは、誰にも迷惑をかけないよう、そして誰にも知られぬよう、こっそりと研究を続けた。膨大な古文書を読み解き、複雑な魔術式を組み立てる。しかし、期待通りの成果は全く出ない。その難しさは痛感していたため、焦らず、ゆっくりと研究を進めていった。
この秘密の研究の合間に、アッシュは他の様々な魔術の研究も並行して行っていた。それは、彼の天才的な頭脳と、尽きることのない探求心があればこそ可能なことだった。そして、そんな研究の成果の一つとして、彼はある特別な魔道具を完成させた。
それは、アルフレッドへの、アッシュが心から贈りたいと願う、世界でただ一つだけの贈り物だった。
完成した魔道具は、黒曜石の台座にはめ込まれた、深い森の湖のような輝きを放つ宝石が特徴的な、シンプルなデザインの指輪だった。見た目は控えめだが、その中には、アッシュの魔力が何十日もかけて、休みなく注ぎ込まれていた。そして、材料には、魔術師の間でも幻とされるほどの希少な素材がふんだんに使われている。
この指輪が持つ力は、絶大だった。それは、あらゆる種類の毒を、瞬時に無効化するという、究極の防御魔道具だったのだ。王都での毒事件、そしてアルフレッドが毒に侵された記憶が、アッシュの脳裏に深く刻まれていた。二度と、アルフレッドを毒の脅威に晒したくない。その一心で、アッシュはこの指輪を完成させた。
ある穏やかな夜、二人が暖炉の傍で寄り添っている時、アッシュはそっと小さな箱を取り出した。
「アルフレッド、これを……貴方に」
アッシュは、少し照れくさそうに箱を差し出した。アルフレッドは、アッシュからの贈り物に、目を輝かせて箱を開けた。その中にあったのは、深く輝く宝石の指輪だった。
「これは……美しい指輪だ。まさか、アッシュが私のために?」
アルフレッドが驚きと喜びの表情を浮かべると、アッシュは小さく頷いた。
「はい。これは……私が、貴方のために作った魔道具です。どうか、貴方の指に……」
アルフレッドは、嬉しそうに指輪を受け取った。そして、アッシュがつけてほしいという言葉に、迷わず自分の左手の薬指にその指輪をはめた。指輪が指にぴったりと収まると、アルフレッドはアッシュの手を取り、感謝のキスを落とした。
アッシュは、アルフレッドが指輪を身につけてくれたことに、心から安堵した。彼は、この指輪がアルフレッドをあらゆる毒から守ってくれると信じていた。アルフレッドは、この指輪の真の力、そしてアッシュがこの指輪を完成させるためにどれほどの時間と魔力を費やしたのかを知らない。しかし、その無邪気な笑顔が、アッシュにとって何よりも大切なものだった。
「ありがとう、アッシュ。大切にするよ」
アルフレッドは、アッシュを強く抱きしめた。彼の腕の中のアッシュは、アルフレッドを守ることができたという満足感で満たされていた。そして、彼の心の奥底では、いつかこの指輪以上のものを、アルフレッドに与えられる日を夢見て、秘めたる研究を続けるのだった。
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