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最上位魔物
魔力コントロールが出来ました!!
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「ユーリ。最上位魔物は危険なのよ」
でも、私は無事だよ、なんて口答えはしない。そんなのは結果論に過ぎないからだ。
ゲールが世間一般で知られているような魔物だったら。私はここにはいないだろう。
怒鳴ることなく優しく言い聞かせる言い方は心配の表れ。
不安げな菫色の瞳が私を映す。
深くひどく猛反省した。
父様のためなんて理由があったとしても、私が軽率な行動を取ったことに変わりはない。
父様の良いところは優しさだとしても、父様を嫌う人にまで優しくする必要はないと思っている。
領民に罪がないからこそ、お願いされたら父様は手を差し伸べるのだ。
予定より早く物資が届けば精神的に父様の負担が減る。
「ごめんなさい」
「お願いだから。二度と無茶はしないで」
「うん。本当にごめんなさい、母様」
「魔物のことを教えていなかった私達にも非はあるわ」
私が怪我をしていないことに安堵の息をつきながら抱きしめてくれる。
その温もりに泣きたくなった。
──大好きな家族だからこそ心配をかけてはいけない。
「私からは以上よ」
私からは?
体を離されたことにより母様の視線が私を捉えていないことに気付く。
振り向けばリンシエはもう涙を流していた。
床に打ち付けられる勢いで膝を折っては、私の手を強く包み握る。
「私はテロイ家の皆様と比べると弱いですが、ユーリ様の盾にはなれます!」
「キングゴブリンに会いに行ったのはたまたまで……」
当初の目的はお使い。父様にお弁当を届けること。
終えたらすぐに帰るつもりだった。本当だ。
何がどうして会議に私も参加してしまったのか。
好奇心に負けて地図を見なければ、ハザックの森を知ることもなかった。
こんなことになっているのは私のせい。自業自得。
「ごめんね、リンシエ。心配かけて」
「ユーリ様がご無事で何よりです」
お説教よりも心配を優先してくるリンシエの優しさに胸が痛む。
私を大切に想ってくれているのは家族だけではない。
「さ、そろそろ昼食にしましょう」
いつもより少し遅い昼食を終えて、魔法部屋へと向かう。
「リンシエは海を見たことある?」
椅子に座って雑談をしながら体の力を抜いていく。
「ありますよ。見渡す限り青一色です」
「大きい?」
「というよりかは広いですね」
おお、私の知っている海だ。
行くのがちょっと楽しみになった。
「昔は魚も取れていたみたいなんですが」
「魚!?」
「ユーリ様はご存知ないですよね。海に生息する、魔物とは違った生き物なんです。身はフワフワで美味しいと評判だったのですが……」
渦潮が発生してしまってから漁が出来なくなり魚が取れなくなったのか。
肉や野菜はあるのに魚だけお目にかかれなかった理由はわかった。
船さえも飲み込む渦潮は脱出不可能。
命を懸けてでも食べなければならないわけでもなく、人々は魚を求めなくなった。
そうか、あるんだ。魚。
嬉しすぎる朗報に心はウキウキ状態。そんな私の感情に反応して水魔法が発動される。
広大な海を表現するかのように。
うーん。何でこんなにも魔力コントロールが下手なんだろう?
【ユーリの魔力が多すぎるからだ】
「ホワイトドラゴン?」
不意に声をかけてきたアネモス。
頭の中に響く声はやはり私にしか聞こえていない。
リンシエは会話の邪魔をしないようにと距離を取ってくれている。
【ユーリの魔力は人間の器に収まる量ではない。それ故にコントロールが難しいのだ】
「じゃあさ、どうしたらいいの?」
【簡単だ。魔力を減らせばいい】
「ほう?」
どうやって?
私の疑問はすぐさまアネモスに届いた。
【私の魔法陣に魔力を預けておくのだ】
手の甲に緑色の魔法陣が浮かぶ。多分、これもリンシエには見えていない。
血液よりも早く体を巡るのは魔力。半分以上が魔法に吸い込まれていく。
【これでいいだろう】
何かが変わった様子はない。
循環する魔力を感じ取る。さっきまでと打って変わって鮮明に感じた。
これが魔力。
広がっていた魔法は確実に引いていく。それも私の意志で。
手を動かすと水は細い線となり宙を舞う。その周りに雷と炎を纏わせる。
風で速度を上げてから、分厚い土の壁を作りぶつけた。
思い描いた通りにコントロールが出来た。
浮かんでいた魔法陣は魔法と同時に消える。
「ユーリ様!すごいです!完璧でした!!」
「えへへ」
これなら……と思い、無自覚に発動している治癒魔法を解除した。
これでいいはずなんだけど、見た目に何も変わりがないから上手く言っているのか判断がつかない。
治癒魔法の使い手でもある父様に確認しないと。
家族全員に早く報告したかったけど、父様は今日帰ってこられない。
こんなにも嬉しいニュースはみんなに聞いてほしいため、今はまだ秘密。リンシエにも言ってはいけないと念を押す。
少しの間だけ二人だけの秘密なのだ。
「もちろんです!」
と、言いつつ顔が綻んでいる。だらしなく頬が緩む私みたいに。
ついうっかり、口を滑らせるなんてことはないはずなのに、あの表情を見れば良いことがあったと一目瞭然。
──……信じているからね、リンシエ。
でも、私は無事だよ、なんて口答えはしない。そんなのは結果論に過ぎないからだ。
ゲールが世間一般で知られているような魔物だったら。私はここにはいないだろう。
怒鳴ることなく優しく言い聞かせる言い方は心配の表れ。
不安げな菫色の瞳が私を映す。
深くひどく猛反省した。
父様のためなんて理由があったとしても、私が軽率な行動を取ったことに変わりはない。
父様の良いところは優しさだとしても、父様を嫌う人にまで優しくする必要はないと思っている。
領民に罪がないからこそ、お願いされたら父様は手を差し伸べるのだ。
予定より早く物資が届けば精神的に父様の負担が減る。
「ごめんなさい」
「お願いだから。二度と無茶はしないで」
「うん。本当にごめんなさい、母様」
「魔物のことを教えていなかった私達にも非はあるわ」
私が怪我をしていないことに安堵の息をつきながら抱きしめてくれる。
その温もりに泣きたくなった。
──大好きな家族だからこそ心配をかけてはいけない。
「私からは以上よ」
私からは?
体を離されたことにより母様の視線が私を捉えていないことに気付く。
振り向けばリンシエはもう涙を流していた。
床に打ち付けられる勢いで膝を折っては、私の手を強く包み握る。
「私はテロイ家の皆様と比べると弱いですが、ユーリ様の盾にはなれます!」
「キングゴブリンに会いに行ったのはたまたまで……」
当初の目的はお使い。父様にお弁当を届けること。
終えたらすぐに帰るつもりだった。本当だ。
何がどうして会議に私も参加してしまったのか。
好奇心に負けて地図を見なければ、ハザックの森を知ることもなかった。
こんなことになっているのは私のせい。自業自得。
「ごめんね、リンシエ。心配かけて」
「ユーリ様がご無事で何よりです」
お説教よりも心配を優先してくるリンシエの優しさに胸が痛む。
私を大切に想ってくれているのは家族だけではない。
「さ、そろそろ昼食にしましょう」
いつもより少し遅い昼食を終えて、魔法部屋へと向かう。
「リンシエは海を見たことある?」
椅子に座って雑談をしながら体の力を抜いていく。
「ありますよ。見渡す限り青一色です」
「大きい?」
「というよりかは広いですね」
おお、私の知っている海だ。
行くのがちょっと楽しみになった。
「昔は魚も取れていたみたいなんですが」
「魚!?」
「ユーリ様はご存知ないですよね。海に生息する、魔物とは違った生き物なんです。身はフワフワで美味しいと評判だったのですが……」
渦潮が発生してしまってから漁が出来なくなり魚が取れなくなったのか。
肉や野菜はあるのに魚だけお目にかかれなかった理由はわかった。
船さえも飲み込む渦潮は脱出不可能。
命を懸けてでも食べなければならないわけでもなく、人々は魚を求めなくなった。
そうか、あるんだ。魚。
嬉しすぎる朗報に心はウキウキ状態。そんな私の感情に反応して水魔法が発動される。
広大な海を表現するかのように。
うーん。何でこんなにも魔力コントロールが下手なんだろう?
【ユーリの魔力が多すぎるからだ】
「ホワイトドラゴン?」
不意に声をかけてきたアネモス。
頭の中に響く声はやはり私にしか聞こえていない。
リンシエは会話の邪魔をしないようにと距離を取ってくれている。
【ユーリの魔力は人間の器に収まる量ではない。それ故にコントロールが難しいのだ】
「じゃあさ、どうしたらいいの?」
【簡単だ。魔力を減らせばいい】
「ほう?」
どうやって?
私の疑問はすぐさまアネモスに届いた。
【私の魔法陣に魔力を預けておくのだ】
手の甲に緑色の魔法陣が浮かぶ。多分、これもリンシエには見えていない。
血液よりも早く体を巡るのは魔力。半分以上が魔法に吸い込まれていく。
【これでいいだろう】
何かが変わった様子はない。
循環する魔力を感じ取る。さっきまでと打って変わって鮮明に感じた。
これが魔力。
広がっていた魔法は確実に引いていく。それも私の意志で。
手を動かすと水は細い線となり宙を舞う。その周りに雷と炎を纏わせる。
風で速度を上げてから、分厚い土の壁を作りぶつけた。
思い描いた通りにコントロールが出来た。
浮かんでいた魔法陣は魔法と同時に消える。
「ユーリ様!すごいです!完璧でした!!」
「えへへ」
これなら……と思い、無自覚に発動している治癒魔法を解除した。
これでいいはずなんだけど、見た目に何も変わりがないから上手く言っているのか判断がつかない。
治癒魔法の使い手でもある父様に確認しないと。
家族全員に早く報告したかったけど、父様は今日帰ってこられない。
こんなにも嬉しいニュースはみんなに聞いてほしいため、今はまだ秘密。リンシエにも言ってはいけないと念を押す。
少しの間だけ二人だけの秘密なのだ。
「もちろんです!」
と、言いつつ顔が綻んでいる。だらしなく頬が緩む私みたいに。
ついうっかり、口を滑らせるなんてことはないはずなのに、あの表情を見れば良いことがあったと一目瞭然。
──……信じているからね、リンシエ。
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