追放された錬金術師、素材1つで世界を壊す。俺だけ“純度100%”を作れるから

《第一章：価値ゼロ追放から始まる、世界核錬金術師レオンの逆転劇》

第9話 本編：最適化教団の本拠地へ

目を覚ましたのは、夜明け前の王城の一室だった。

体中が痛む。  
だが、命はつながっている。

リーテが椅子に座り、寝落ちしていた。

起こさぬようにそっと立ち上がる。

（紅核石は沈静化……  
　だが、模造核の危険は残ったまま）

そのとき、守護者が部屋に現れた。

「レオン。最適化教団の本拠地が判明した」

「どこだ？」

守護者は空に光の地図を描いた。

「“黒の塔”──大陸北端に隠された禁忌領域。  
　ゼロはそこに“五素材融合儀式”を準備している」

（五素材……？）

「世界核五つを模造し、強制融合する計画だ。  
　成功すれば世界律は崩壊し、  
　“新しい世界”が生まれるだろう」

（つまり──世界が一度滅ぶ）

「止めに行く」

「一人では不可能だ。  
　だが……仲間はいるだろう？」

部屋の外から声。

「当然だ。お前だけに背負わせるわけにはいかないだろ」

振り向くと、ガルドとフィーネ、そしてリーテが立っていた。

ガルドが腕を組む。

「追放したのは悪かった。  
　だが、世界を壊されるのはごめんだ。協力させろ」

フィーネも笑う。

「一度くらい、あなたを支えさせてよ」

リーテも無言で頷く。

（……まったく、勝手な連中だ）

だが不思議と、悪い気分ではなかった。

「……分かった。行くぞ。  
　黒の塔を、止める」

こうして俺たちは、最終決戦の地へ向かうことになった。