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第1話 25歳の夢
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人間とモンスターが共存する街、ライトピア。
通常なら相容れないはずの彼らが時には一緒に仕事をし、時には一緒に食事をしながら生活を送っている。
このような平和な世界になったのは、この街の勇者レイン=オーガストによる活躍が大きい。
背丈も小柄で見た目はまさしく"普通の少年"(黒髪で少しボサボサである)である彼は、幼い頃からの親の厳しい躾けと教育により、勇者として活躍出来うる力を確実につけていった。
そして、4年前……彼が21歳の頃、遂にモンスターを暴れさせていた諸悪の根源である魔王を倒すことができた。
それにより、モンスターの暴徒化は一気に収まり、寧ろ彼らは本来平和で友好的な性格なのだということが分かった。
このことが分かったレインは街の人々にモンスターと人間の共存という案を打ち出し、そして現在に至る……という訳だ。
◀◀◀◀◀
「ロックスターになりてえ!」
俺は部屋で一人叫んだ。
いや、だってなりたいんだもん。
4年前、俺は勇者としてこの街を救った。
それは褒められるべきことだと思うし、実際に様々なおもてなしを受けることができて、現在は街の長から与えられた広々とした家に執事と静かに二人で暮らしている。
けれど……俺がなりたかったのは勇者なんかじゃない、ロックスターだ。
ここライトピアは"音楽の都"と言われるほど街を歩けば色々な音楽が俺を出迎えてくれる。
その中でも、俺は小さい頃に親の目を盗んで行ったライブハウスで鳴らされていた……ロックという音楽に、夢を見た。
急速に発展していく世界……テレビ、冷蔵庫、エレキギター……それらを尻目に、俺は時代遅れも本当に良いところの剣を振り回していた。
銃や爆弾を使ってもモンスターには一切効かず、古典的な剣だと戦えるということを分かったとき、毒親の俺への"勇者教育"が始まり、それに抗うこともできずに俺はここまで来てしまった。
25歳。
昔の俺は、ロックスターになって20歳頃にはデビューして……とか考えていたりしてたな。
働かなくても勝手に食事が出てくるこの刺激のない生活にはもう正直うんざりだ。
俺は部屋に隅にあったエレキギターを手に取った。
少し爪弾く。
やっぱり良いな、この音は。
今までずっと一人で戦ってきた。
25歳、勇者。
まだ間に合うだろうか。
俺と一緒に夢を追いかけてくれる奴はいるだろうか。
人間でもモンスターでも誰でも良い。
俺はやっぱり夢を見たい。
そんなことを思い、レインは力強く街への一歩を踏み出した。
通常なら相容れないはずの彼らが時には一緒に仕事をし、時には一緒に食事をしながら生活を送っている。
このような平和な世界になったのは、この街の勇者レイン=オーガストによる活躍が大きい。
背丈も小柄で見た目はまさしく"普通の少年"(黒髪で少しボサボサである)である彼は、幼い頃からの親の厳しい躾けと教育により、勇者として活躍出来うる力を確実につけていった。
そして、4年前……彼が21歳の頃、遂にモンスターを暴れさせていた諸悪の根源である魔王を倒すことができた。
それにより、モンスターの暴徒化は一気に収まり、寧ろ彼らは本来平和で友好的な性格なのだということが分かった。
このことが分かったレインは街の人々にモンスターと人間の共存という案を打ち出し、そして現在に至る……という訳だ。
◀◀◀◀◀
「ロックスターになりてえ!」
俺は部屋で一人叫んだ。
いや、だってなりたいんだもん。
4年前、俺は勇者としてこの街を救った。
それは褒められるべきことだと思うし、実際に様々なおもてなしを受けることができて、現在は街の長から与えられた広々とした家に執事と静かに二人で暮らしている。
けれど……俺がなりたかったのは勇者なんかじゃない、ロックスターだ。
ここライトピアは"音楽の都"と言われるほど街を歩けば色々な音楽が俺を出迎えてくれる。
その中でも、俺は小さい頃に親の目を盗んで行ったライブハウスで鳴らされていた……ロックという音楽に、夢を見た。
急速に発展していく世界……テレビ、冷蔵庫、エレキギター……それらを尻目に、俺は時代遅れも本当に良いところの剣を振り回していた。
銃や爆弾を使ってもモンスターには一切効かず、古典的な剣だと戦えるということを分かったとき、毒親の俺への"勇者教育"が始まり、それに抗うこともできずに俺はここまで来てしまった。
25歳。
昔の俺は、ロックスターになって20歳頃にはデビューして……とか考えていたりしてたな。
働かなくても勝手に食事が出てくるこの刺激のない生活にはもう正直うんざりだ。
俺は部屋に隅にあったエレキギターを手に取った。
少し爪弾く。
やっぱり良いな、この音は。
今までずっと一人で戦ってきた。
25歳、勇者。
まだ間に合うだろうか。
俺と一緒に夢を追いかけてくれる奴はいるだろうか。
人間でもモンスターでも誰でも良い。
俺はやっぱり夢を見たい。
そんなことを思い、レインは力強く街への一歩を踏み出した。
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