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第2話 友人よ
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昼の明るい街に出ると、やはり人々(モンスターも)は一斉に俺の方を見る。
これはもちろん嫌われているとかそういう訳ではなく、"街の勇者が目の前を歩いている"という状況だから街の人たちが俺に注目するのは当然のことだろう。
……だが、正直それももう息苦しい。
俺が勇者で街を救ったのももう4年前だし、もう少し自然に関わってほしいというのが本音だ。
そんなことを思いながら辿り着いた場所は、ライトピアの5つのライブハウスのうちの1つ『LIVEhouse LightsCOOK』だ。
人混みの多い広場を抜けて路地裏に入った先にあるこのライブハウスは、煉瓦造りの外装に『Welcome! LightsCOOK』と赤文字で書かれた白い看板がドでかく付けられているのが特徴の街で一番小さなライブハウスだ。
何故ここに来たかというと、このライブハウスにいつもいる奴が唯一の俺の友人だからだ。
アイツだったら俺とバンドを組んでくれたりするのだろうか……いや、組んでくれるだろうという確信に近い希望を持ってここに来たが……どうだろうか。
▶▶▶▶▶
重い扉を開けると、ゴツい金髪の店員が少し驚いてこちらを見る。
「おお、レイン!こんな昼に珍しいな」
「よっす」
こいつこそが俺の唯一の友人のクラウニー=ブルースだ。
金髪のロン毛な上に身長も俺の二回りほど大きく、おまけにガタイも良い。
そんな訳でこいつもある意味街を歩けば人々に見られる(悪い意味で)ということもあり、3年前にここで出会ってから意気投合して現在に至っている。
「どうしたんだよ、今日のライブ開始は19:00だぞ。『HOT DOGS』と『100 Unlimited Crowds』」
「いや、違くてさ。まあ……実はさ」
「ん?なんだよ、はっきり言えよ」
「俺と……バンド組んでほしいんだけど」
「え?」
またクラウニーは驚いた表情を見せた。
まあ、当然だな。
だけど、友人がいない俺がバンドを誘える奴はクラウニー、お前しかいない。
そのクラウニーは顎を少し掻きながら「うーん」と唸りながら俺の方をチラチラと見ている。
「……どう?何か迷ってるみたいだけど」
「いや、実はな……」
次にクラウニーの口から出たのは俺が予想もしていなかった言葉だった。
「俺も……お前と同じ25歳でライブハウスの店員って職も持ってるけど、バンドを組もうと思ってな。昨日組んだんだ、ここに入り浸ってる奴らと」
「……へ?」
「いや、俺もやっぱ夢を諦めきれなくてなあ。25歳だけど、バンド初めてみよっかなってさ。だから……すまん、レイン!」
「ええええええええええええええええ!」
一日……遅かった!
そんなのありかよ!
唯一の友人とバンド組めないって……どうなっちゃうんだ、俺の夢……。
これはもちろん嫌われているとかそういう訳ではなく、"街の勇者が目の前を歩いている"という状況だから街の人たちが俺に注目するのは当然のことだろう。
……だが、正直それももう息苦しい。
俺が勇者で街を救ったのももう4年前だし、もう少し自然に関わってほしいというのが本音だ。
そんなことを思いながら辿り着いた場所は、ライトピアの5つのライブハウスのうちの1つ『LIVEhouse LightsCOOK』だ。
人混みの多い広場を抜けて路地裏に入った先にあるこのライブハウスは、煉瓦造りの外装に『Welcome! LightsCOOK』と赤文字で書かれた白い看板がドでかく付けられているのが特徴の街で一番小さなライブハウスだ。
何故ここに来たかというと、このライブハウスにいつもいる奴が唯一の俺の友人だからだ。
アイツだったら俺とバンドを組んでくれたりするのだろうか……いや、組んでくれるだろうという確信に近い希望を持ってここに来たが……どうだろうか。
▶▶▶▶▶
重い扉を開けると、ゴツい金髪の店員が少し驚いてこちらを見る。
「おお、レイン!こんな昼に珍しいな」
「よっす」
こいつこそが俺の唯一の友人のクラウニー=ブルースだ。
金髪のロン毛な上に身長も俺の二回りほど大きく、おまけにガタイも良い。
そんな訳でこいつもある意味街を歩けば人々に見られる(悪い意味で)ということもあり、3年前にここで出会ってから意気投合して現在に至っている。
「どうしたんだよ、今日のライブ開始は19:00だぞ。『HOT DOGS』と『100 Unlimited Crowds』」
「いや、違くてさ。まあ……実はさ」
「ん?なんだよ、はっきり言えよ」
「俺と……バンド組んでほしいんだけど」
「え?」
またクラウニーは驚いた表情を見せた。
まあ、当然だな。
だけど、友人がいない俺がバンドを誘える奴はクラウニー、お前しかいない。
そのクラウニーは顎を少し掻きながら「うーん」と唸りながら俺の方をチラチラと見ている。
「……どう?何か迷ってるみたいだけど」
「いや、実はな……」
次にクラウニーの口から出たのは俺が予想もしていなかった言葉だった。
「俺も……お前と同じ25歳でライブハウスの店員って職も持ってるけど、バンドを組もうと思ってな。昨日組んだんだ、ここに入り浸ってる奴らと」
「……へ?」
「いや、俺もやっぱ夢を諦めきれなくてなあ。25歳だけど、バンド初めてみよっかなってさ。だから……すまん、レイン!」
「ええええええええええええええええ!」
一日……遅かった!
そんなのありかよ!
唯一の友人とバンド組めないって……どうなっちゃうんだ、俺の夢……。
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