リリィは可愛い(*´꒳`*)おじさん♡Ωに覚醒〜おサイコでαな旦那サマと結ばれて…からの、闘いの物語です!\\\٩(๑`^´๑)۶////

志村研

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おじさん♡丸めます①

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アレックス♡

貴方が…

優しい笑顔でいらっしゃる。

その可愛らしい笑みは、もう二度と見る事は叶わぬと思っておりましたのに。

「よし、アレックス。これから僕と答え合わせをしよう」

貴方のおっしゃる事の意味は、正直、分かりません。

ですが、貴方が私に…
他の誰でも無い、私に、おっしゃっている。

それだけで、私には意味がある。

「昨夜の事は間違いだらけだけど、君が僕を好きだって事は間違いじゃない、よね」

「っ…はい!」
つい息急き切るように申した私に、貴方はくすぐったそうな笑みをくださった。

君が好きです…
私は、貴方を愛しています!
つい出過ぎた言葉を続けそうになる口を押しとどめる。

「僕は君をセスだと思い込んでいたし、君は否定しなかった」
はい。

「これはどう考えても間違いだ」
はい…
私は確信を持って貴方をだましたのです。

「でも、僕が君を可愛いって思ったことは…本当だ」
…可愛い。
貴方は私を可愛い、というのか。

「それに君はセスのフリをしていなかったよね」
…はい。
みっともない間男の、なけなしの意地でございました。

「だって!」
君は心底、可笑しそうに笑って、言う。
「ちっとも似ていなかったもの」

…はい。
私は彼ではない。

私は、自分のまま、君に挑みたかったのだ!

貴方は気づいていらしたのか。
御身を抱く男が夫では無い、と。

それが僅かな違和感だったとしてもいい。

君が私を感じてくださった!
それだけで、天にも昇る心持ちだ。

「勘違いしたのは僕だって悪いんだよ」
それは違う。

…絶対にいけません。
「貴方は、悪くありません」

「いや、悪い。…普通は気付くよ。僕、本当に適当でさ。そんな事もあるのかな~、なんて流されちゃった」
貴方は…易しい。

それでは、いけません。

「アレックス。嘘ついてて、辛かったね」
…止してください。

「気づいてあげられなくて、本当にごめん」
…ほだされてはいけません。

「昨夜の僕は、君の君らしい所にキュンキュンしてました」
…、…、…、キュン、キュン…?

「君の愛を感じて、すごい感じちゃったんだ」
…私の…愛を感じて、…、

…あんなふうに悦びを極めていらしたのか。
あんなにも濡れた、…とおっしゃるのか。

この、アレクサンドールが貴方を幸せに出来たのですか。

感激で声もでない。
呆然として君を見つめることしか出来ない。

そんな不甲斐ない私を、君は細っそりとした腕で抱き寄せる。
「だから、泣かないでよ。君がそんなふうだと、僕も悲しい」
そして、芳しい首筋に私の泣き顔を埋めてしまわれた。

幸せだ…
私は、幸せです。
貴方はいつだって私を幸せにしてくださる。

なのに、私は…
「…私は貴方に、彼らを…貴方の夫を、裏切らせてしまった」

彼らが貴方との純愛を貫くため、苦境に立った事を私は知っている。
貴方の夫達は、ただ今、妻のために捨て身で戦っているのだ。

貴方の幸せのために。

それだというのに。
とうの君にその純愛を裏切らせてしまった。

「セバスティアンとマクシミリアンを裏切った事については僕も君も悪い」

…貴方はご存知ありません。

彼らがここに居ない、本当の理由を。
だから貴方は悪くない。

君はΩの性を利用されたのだ。

「アレックス。君が僕にした事は悪じゃない」
君は私の悪事を知らずにおいでなのです。

「昨夜の君を、僕はちゃんと好きだったからね」
…私を、…

「アレックス、君が愛しくて僕は抱かれた。
間違いだらけでも、僕達は愛し合ってたんだ」
…愛しい、と、君は言うのか。
愛し合っていたのだ、と、君は言うのか。

「それを『酷い事』にしてしまわないでくれ」
はい。

致しません。
私にとっては紛れもなく、最良でした。

「酷い、なんてさ…そんなのって無いよ」
真珠の涙が貴方の白皙の頬をはらはらと伝う。

「君とのセックスがひと夜の夢だなんて」
伝い落ちてきた真珠の粒が、私のこめかみを濡らした。

「そんなの。僕は、嫌だ」
貴方との逢瀬は私には夢でした。

貴方には、違ったのですね。
…それは、私には希望だ。

「もう二度と、僕達は愛し合わないの?僕は、嫌だよッ」

私も、嫌だ!
君の首筋という芳しい憩いの場所から、私は面を上げた。

「リリィ、私は貴方を愛します」

どんな苦難に見舞われようとも、かまわない。
例え貴方の夫になれずとも、かまわぬ。

「ずっと愛して参ります。それは、決して止められぬ」
私は姉上達に刃向かう事になります。

致し方ない。
彼女達の思惑は君のためにならないのだから。

…そんな事は、当から解っていた。
その癖、貴方恋しさで受け入れてしまったのです。

しかし、今となっては、絶対に受け入れられない!
「誰に何と言われようと、絶対に止めない!」

…断言したら、貴方が泣いてしまった。

「うん。絶対だよ♡」
泣きながら、笑って、貴方が私に縋りついた。
…可愛い、愛しい。

「一緒に何とかしよう!アレックス♡」

承知致しました。
何とか、致しましょう。

手強い案件でございます。

迎えうつお相手は、敬愛する姉上とその麗しきお仲間の淑女です。
勝ち目など、無い。
本来ならば、一蹴に終わる。

だが、我らには貴方が居る。

リリィ、僭越ながら申し上げねばなりません。

貴方は夫達を裏切ったなどと罪を感じてはいけない。
罪を犯したと認めてはいけません。

それこそが彼女達の企ての大いなる一手となる。
君は愛する夫達を真に裏切る事になる。

リリィ、私とて、彼らの様に貴方を守りたい。

私は貴方の夫では無い。
だが、貴方にお側に侍る許しを、貴方から得た者でございます。

私はただ今、大変に有効な駒なのであります。

まさかこの様な大それた企みを姉上に抱くとは、思いも寄りませんでした。

…ですが、小気味よい。

私も貴方のために戦いましょう。

\\\٩(๑`^´๑)۶////
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