アイスとチーズ

迷熊井 泥(Make my day)

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2人の来訪者

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放課後、武道場ではいつもと違う異様な雰囲気が漂っていた。
道着の香織にジャージの沙織はいつものことだ。2人は唖然と立ちつしていた。
目の前にはポニーテールの沙織より大柄な戸的真紀理がスポーツTシャツにショートパンツでアスリートのような脚を露わにボクシングのシャドーをしている。
そして方や全身真っ黒の道着姿の黒胡麻亜香里が手をついて刀に礼をし、腰に刀を差した。

「女子でボクシングやってるの?なんか地井頭より大きいね」

「そだね」

真紀理は突然フワッとハイキックをして見せた。

「え?えっとなんだっけ蹴るボクシング」

「キックボクシングじゃない?」

すると真紀理が沙織の方へやってきた。

「アップ終わったからさ見せてよ。詠春拳」

「ん?」

「かる~くスパーリング、てかマスボクシングやってさ。どう動くか見せてよ」

「スパーリング?マスボクシング?」

沙織と香織があっけにとられていると亜香里が香織の真横に立っていた。

「あの…」

「わあ!」

香織が驚いてたじろぐと沙織もたじろいた。
亜香里は先ほどのキャラと違い小さな声でボソボソとなにか言った。

「あの…合気道…」

「え?なに?」

香織が聞き返すと、亜香里は「あ、そうだ」とメガネを外した。
するとキャラが豹変した。

「ふふふ。愛洲とやら合気道なるものを我が居合の剣を相手に見せてみよ!」

「おお!急にキャラが変わった」

沙織が驚いていると香織は落ちつた表情で言った。

「わかった。じゃあ向こうで」

「え?刀相手にやるの?」

沙織が心配すると真紀理が「じゃ、うちらはあっちでやろうよ」

「やろうよって…」

「大丈夫、大丈夫。触るか触らないかくらいのライトコンタクトだから」

「触るか触らないか?ん、じゃまあやってみるか」

真紀理がアップライトに構え、ステップを踏み出した。
沙織も意を決し構えた。
真紀理はジャブを出しながら沙織の周囲を回りだした。

え?キックボクシングってこんな自由に動くの?

一方、香織は落ち着いていた。
ひとつ気になることがあったので聞いてみた。

「それって真剣?」

亜香里が言った。
「いや模擬刀だ。まあしかし亜鉛合金とはいえ怪我をさせてしまうかもしれん。ゆえにここは木剣でいく」

亜香里はプラスチックの鞘に入った木刀を見せた。

「どっちでもいいよ」

「なに?」

「どちらでも。やることら同じだし。君の剣はわたしには当たらない」

そう言われ憤慨してみせる亜香里。

「なに~!舐めるのもいいかげんにせよ。そうまで言われたら引き下がれん!」

亜香里と香織は睨み合った。

「とはいうものの武士たる者、女子に怪我させるわけにはいかん。ここは木剣でゆく」

「ふ~ん」

てか、おまえも女子だろ!

と、香織は心の中でツッコんだ。

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