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勝負のゆくえ
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亜香里は木刀の先端を香織に得意気に見せてきた。
先端は剣特有の鋭利さがなく船の先端のような形をしていて、通常の木刀より細くなっている。
「わしの木剣は小鳥丸。使いやすく万が一当たってもダメージが少ないだろう。安心せえ」
「武士キャラが強過ぎでしょ」
香織と亜香里が間合いをとって対峙した。
亜香里は左足を半歩出し左手は剣の鞘を握っている。いつでも抜刀できる体勢だ。
香織も左足と左手を前に出して構えた。
沙織と真紀理も対峙した。
沙織は詠春拳の構え、真紀理はキックボクシングのアップライトに構え軽くステップを踏んでいる。
真紀理が沙織の周囲を周りはじめた。
え?なになに?なんでこんな動くの?
沙織はキックボクシングの自由なステップに驚いた。
間合いを詰めようと近づくとローキック、と言っても真紀理は手加減をしてスネで触わるくらいでとどめた。
今、蹴られたってことか…
詠春拳の突きを繰り出してみたが真紀理はスウェーで軽くかわす。
届かない!
う~ん…こっちからの攻めは無理っぽいな。
真紀理はジャブを繰り出しながら近づいてきた。
ナニこれ、パンチ連打しながら間合い詰めてくる!
ジャブをパクサオで叩きまくった。
すかさず真紀理の右ストレートが飛んできた。
が、これもまた左手のパクサオで叩いた。
左、左、で右か…
左右を連打で突く詠春拳とはまた違う。
沙織は左を前にした構えから左足を引いて右構えになった。
真紀理の執拗なジャブを右手でパクサオした。
右の突きが来る…そしたらそのまま右手のタンサオで…
しかし真紀理は次の瞬間大振りのフックを打放った。
左ジャブをパクサオで叩いたその手でタンサオで右フックの手首を引っ掛けフックが目の前を流れるついでに左手で肘を抑え、右足を引き合気道の一教の裏で抑えつけた。
「きゃっ!」
「やった!」
思わず香織の方を見た。
まさに亜香里が剣を抜刀する瞬間だった。
香織は左足を亜香里の右肩の方へ進め、抜刀する亜香里の右腕の側面に入身しておなかの前に流れてくる亜香里の右腕を左腕で抱え、右手首を捻り畳へ抑えつけた。脇固めである。
「ぬっ…」
肘を抑えたまま木剣を取り上げ「これで勝負ありね」
普段道場でやっている太刀取りの型そのままの動きである。
亜香里は右肩を抑えいかにも負傷した主人公のように立ち上がった。
「いやそんな肩攻めてないでしょ」
「ふっ、まさか女子のおぬしがここまでやるとはな」
だから、おまえも女子だろ!
と、心でツッコみ「どこ目線で言ってるの?」
「おぬしの腕、認めざるおえまい!わしの右腕をこうも簡単に折ってしまうとわな」
「折ってないから。ほんとやめて」
先端は剣特有の鋭利さがなく船の先端のような形をしていて、通常の木刀より細くなっている。
「わしの木剣は小鳥丸。使いやすく万が一当たってもダメージが少ないだろう。安心せえ」
「武士キャラが強過ぎでしょ」
香織と亜香里が間合いをとって対峙した。
亜香里は左足を半歩出し左手は剣の鞘を握っている。いつでも抜刀できる体勢だ。
香織も左足と左手を前に出して構えた。
沙織と真紀理も対峙した。
沙織は詠春拳の構え、真紀理はキックボクシングのアップライトに構え軽くステップを踏んでいる。
真紀理が沙織の周囲を周りはじめた。
え?なになに?なんでこんな動くの?
沙織はキックボクシングの自由なステップに驚いた。
間合いを詰めようと近づくとローキック、と言っても真紀理は手加減をしてスネで触わるくらいでとどめた。
今、蹴られたってことか…
詠春拳の突きを繰り出してみたが真紀理はスウェーで軽くかわす。
届かない!
う~ん…こっちからの攻めは無理っぽいな。
真紀理はジャブを繰り出しながら近づいてきた。
ナニこれ、パンチ連打しながら間合い詰めてくる!
ジャブをパクサオで叩きまくった。
すかさず真紀理の右ストレートが飛んできた。
が、これもまた左手のパクサオで叩いた。
左、左、で右か…
左右を連打で突く詠春拳とはまた違う。
沙織は左を前にした構えから左足を引いて右構えになった。
真紀理の執拗なジャブを右手でパクサオした。
右の突きが来る…そしたらそのまま右手のタンサオで…
しかし真紀理は次の瞬間大振りのフックを打放った。
左ジャブをパクサオで叩いたその手でタンサオで右フックの手首を引っ掛けフックが目の前を流れるついでに左手で肘を抑え、右足を引き合気道の一教の裏で抑えつけた。
「きゃっ!」
「やった!」
思わず香織の方を見た。
まさに亜香里が剣を抜刀する瞬間だった。
香織は左足を亜香里の右肩の方へ進め、抜刀する亜香里の右腕の側面に入身しておなかの前に流れてくる亜香里の右腕を左腕で抱え、右手首を捻り畳へ抑えつけた。脇固めである。
「ぬっ…」
肘を抑えたまま木剣を取り上げ「これで勝負ありね」
普段道場でやっている太刀取りの型そのままの動きである。
亜香里は右肩を抑えいかにも負傷した主人公のように立ち上がった。
「いやそんな肩攻めてないでしょ」
「ふっ、まさか女子のおぬしがここまでやるとはな」
だから、おまえも女子だろ!
と、心でツッコみ「どこ目線で言ってるの?」
「おぬしの腕、認めざるおえまい!わしの右腕をこうも簡単に折ってしまうとわな」
「折ってないから。ほんとやめて」
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