アイスとチーズ

迷熊井 泥(Make my day)

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李書文の拳

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沙織は足を揃えて右拳を左脇前に置きその上に左肘を置き左拳の甲を前に向け両腕でL字を作った。
膝を曲げる戸同時に右拳と左肘を開き右拳の方を向いた。
そして今度は左を見ると同時に左右の掌を上下に左へ向け左足も出した。
下の右拳を振り上げ左手がその腕を叩き、右膝も上げる。
右拳が垂直に上がった瞬間、右足を踏みつけその勢いで左足を蹴り出し右拳は後方へ伸び全力で一歩分を低空で飛ぶ。
両足は肩より広く腰を落とし左足が地面を踏みつけると同時に小指の付け根を開いた左拳を己の口元に向け、左肘を突き出した。
八極拳の看板技、頂心肘である。
腕を振り上げ大きく踏み込む香織が初めて見る技だ。

「スゴいね。八極拳ていうの?」

「うん。八極拳はざっくり言えば回族から始まって漢族の名人李書文まで伝わったのね。で、李書文系でも若かりし頃に伝わった長春八極拳と晩年最後の弟子に伝えた武壇の八極拳があるの。わたしのは武壇」

「武壇?」

「そうだなぁ…たとえば…」

沙織は頂心肘の形をとり、両膝を外へ張った。
相撲の四股、空手の騎馬立ちに近い男らしい立ち方と言える。

「長春の馬歩立ちはこんな感じ、でも武壇は…」

両膝をやや内側へ絞った。するとちょうど末広がりのような形になる。
ちょうど詠春拳の歩幅を左右一歩分広げて腰を下げた状態だ。

「やや内股なんだよね」

「李書文て男?」

「そうそう。男。160cmくらいで痩せてたらしいよ。若い時と晩年で技がかなり違うんだって」

「年とって技が優しくなったとか?」

「まさか。長春八極拳の冲捶、つまり中段突きはこう」

拳を伸ばし両膝を揃えて曲げ、地面を踏みつけ前方に飛び込んでまた地面を馬歩立ちで踏みつけ縦拳で突いた。

「突き技も飛び込むんだね」

「武壇はこう」

先ほど伸ばして構えた拳を折り曲げ拳を肩に置いた。
そして飛び込みながら折り曲げた拳を叩きつけながら突いた。

「叩きつけて突くこっちの方がいかにも李書文らしいって感じ」

「激しいね。人間性が出てる」

「この八極拳と詠春拳をかけ合わせて地井頭沙織拳を作ってみようかなって思ってるの」

「地井頭沙織拳?フルネームで?」
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