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江戸っ子の勝負
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周囲の野次が強くなり浪人の怒りが沸点に到達しようとした時、真吉が大声を上げた。
「おう!みんな待ってくれ!こいつは町火消し纏持ちの真吉の喧嘩だ!オレに恥をかかせないでくれ。さあ、お侍!オレを見ろ。剣はオレにだけ向けな」
浪人は思い出したように真吉に剣を向けた。
「武士が一度抜いたら斬らねば収まらねえ人斬り包丁。わかっちゃいるがこの天下太平の世の中、丸腰相手にゃちと大袈裟ってもんだ」
真吉は浪人から目を離さないようにしながら野次馬に向かって言った。
「おう!誰かあれ持ってきてくれ!」
飯屋の主人や店員達が「あれか!」と手を叩いて真吉と書かれた酒瓶をもってきた。
「とりあえず二つくれ」
両手に酒瓶を持った真吉が浪人に近づいた。
「江戸っ子の勝負といやあこれだ!」
酒瓶を浪人の顔に近づけた。
その地点で切っ先は真吉から外れている。
「どっちが先に飲み干すか勝負だ!これなら侍も町人も関係ねえ。五分の男の勝負だ!」
まあ、真吉は女なのだが。
真吉は己の酒瓶のフタを外して口に当てた。
「いいのか?先に飲み干した方の勝ちなんだぜ!」
「お侍!受けて立て!」
「刀なんか納めろ!」
「男が酒の勝負に負けてもいいのかよ!」
浪人の顔からは動揺が消え「酒で俺に勝てると思っておるのか!」と、納刀して酒瓶を真吉からふんだくった。
そしてすごい勢いで飲みだした。
「お。やるね!」
真吉も負けてない。
元来真紀理は酒にはめっぽう強い。
二人共浴びるように酒を仰いだ。
真吉に殴られた二人も起き上がってなぜか酒の勝負をしている仲間をわけもわからず応援せざるおえなかった。
そしてほぼ同時に酒瓶を下ろした。
「みんなどっちが早かった?」
真吉が聞くと野次馬達は「真吉だ!」「そりゃ真吉だ!」と騒ぎ立てた。
「なに!わしのほうが早かったであろう!」
「真吉だよ、真吉!」
浪人がまた逆上しようにも目がぼんやりしてきている。
酔っ払いが剣を抜くことほど危ないことはない。
真吉がなだめた。
「まあお侍!ここはオイラの地元みんなオレの味方をするのは当然だ。だけどあんたの飲みっぷりもよかったぜ」
「なに?そうか?」
「ここは引き分けでどうだい」
浪人も、もう酔いはじめている。
「う~ん、わかったぁ!くくは引き分けだ」
顎を抑えながら殴られた浪人のひとりが真吉に聞いた。
「あの拳の技はどこぞの武術か?」
「ああ、あれか?あれは南蛮のボクシングってやつさ。港についた船の水夫が教えてくれた」
「南蛮の技か…」
二人の浪人はようやく決着がついたことで三人目を連れてその場を去った。
それを見ていた野次馬のひとりが江戸っ子の決まり文句を言い放った。
「おとといきやがれってんだ!」
「おう!みんな待ってくれ!こいつは町火消し纏持ちの真吉の喧嘩だ!オレに恥をかかせないでくれ。さあ、お侍!オレを見ろ。剣はオレにだけ向けな」
浪人は思い出したように真吉に剣を向けた。
「武士が一度抜いたら斬らねば収まらねえ人斬り包丁。わかっちゃいるがこの天下太平の世の中、丸腰相手にゃちと大袈裟ってもんだ」
真吉は浪人から目を離さないようにしながら野次馬に向かって言った。
「おう!誰かあれ持ってきてくれ!」
飯屋の主人や店員達が「あれか!」と手を叩いて真吉と書かれた酒瓶をもってきた。
「とりあえず二つくれ」
両手に酒瓶を持った真吉が浪人に近づいた。
「江戸っ子の勝負といやあこれだ!」
酒瓶を浪人の顔に近づけた。
その地点で切っ先は真吉から外れている。
「どっちが先に飲み干すか勝負だ!これなら侍も町人も関係ねえ。五分の男の勝負だ!」
まあ、真吉は女なのだが。
真吉は己の酒瓶のフタを外して口に当てた。
「いいのか?先に飲み干した方の勝ちなんだぜ!」
「お侍!受けて立て!」
「刀なんか納めろ!」
「男が酒の勝負に負けてもいいのかよ!」
浪人の顔からは動揺が消え「酒で俺に勝てると思っておるのか!」と、納刀して酒瓶を真吉からふんだくった。
そしてすごい勢いで飲みだした。
「お。やるね!」
真吉も負けてない。
元来真紀理は酒にはめっぽう強い。
二人共浴びるように酒を仰いだ。
真吉に殴られた二人も起き上がってなぜか酒の勝負をしている仲間をわけもわからず応援せざるおえなかった。
そしてほぼ同時に酒瓶を下ろした。
「みんなどっちが早かった?」
真吉が聞くと野次馬達は「真吉だ!」「そりゃ真吉だ!」と騒ぎ立てた。
「なに!わしのほうが早かったであろう!」
「真吉だよ、真吉!」
浪人がまた逆上しようにも目がぼんやりしてきている。
酔っ払いが剣を抜くことほど危ないことはない。
真吉がなだめた。
「まあお侍!ここはオイラの地元みんなオレの味方をするのは当然だ。だけどあんたの飲みっぷりもよかったぜ」
「なに?そうか?」
「ここは引き分けでどうだい」
浪人も、もう酔いはじめている。
「う~ん、わかったぁ!くくは引き分けだ」
顎を抑えながら殴られた浪人のひとりが真吉に聞いた。
「あの拳の技はどこぞの武術か?」
「ああ、あれか?あれは南蛮のボクシングってやつさ。港についた船の水夫が教えてくれた」
「南蛮の技か…」
二人の浪人はようやく決着がついたことで三人目を連れてその場を去った。
それを見ていた野次馬のひとりが江戸っ子の決まり文句を言い放った。
「おとといきやがれってんだ!」
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