アイスとチーズ

迷熊井 泥(Make my day)

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香織 対 龍蔵

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「陰流…そうか!陰流の女侍か!それは願ってもない相手だぜ」

「願ってもない…?」

香織は残心をとった剣と足をスッと戻した。

「道場破りに来る者はみな試合を願ってやってくる。しかし終わる頃には必ず後悔して帰ってゆく…おぬしも後悔する。まあ生きていればの話だがな」

香織は龍蔵に剣を向け平青岸に構えた。

「おなごでありながらこの数の男達に囲まれてもその強気か。しかも巨躯の俺を見ても驚かないとはな…陰流愛洲。ハハハハハ!たいしたものだ!」

龍蔵は長い腕を大きく振った。

「おう!おめえら手ぇ出すんじゃねえぞ!こいつは俺の獲物だ」

…さしずめ大男総身に知恵が回り兼ねるとでも考えているのだろう…それこそが女の浅知恵よ…

龍蔵は香織と同じ平青岸に構えて見せた。
普通の剣は刃渡り二尺三寸(約七十センチ)ほど。
しかし龍蔵の剣は三尺(約九十センチ)あるのではないかというほどの大太刀だった。

「ゆくぞ」

龍蔵は香織の動きを真似て円を描き、留まることなく香織に猛撃を始めた。

陰流を真似てきたか… 

怪力の龍蔵の剣をふわりと刀身で迎え入れ受け流した。
流れた大刀で龍蔵の体勢はよろめいた。
受け流すと剣が離れた瞬間剣が反動で伸び上がる。その勢いのまま今度は香織が攻撃に転ずる。
龍蔵の脇腹を狙った一撃。
しかし龍蔵は大刀を戻し香織の剣を弾いた。

一方、庭先ではやくざの入墨の入った腕が宙を舞っていた。

「ぎゃあああああ!」

斬り上げた剣を返して袈裟斬り。
また逆袈裟の斬り上げ、斬り下ろし。
沙織が通った後は血しぶきが雨のごとく降っていた。
虎蔵はじっくりと沙織の動きを観察していた。
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