異世界で傭兵始めました

ミストレ

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1章 転生編

17話 (山賊側視点)

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【前文】

 これは16話の山賊側を書いたものですので短いです。




【本文】

 ~山賊視点~

 砦の周りはいつものように静かで、中はお酒を飲む奴らの騒ぐ声が響いていた。

 「たっくよ~、俺らの事を気にかける様子もねーなあいつらは」

 「あいつらは商人を襲ってるんだ、こんな時くらい騒がせてやろうぜ。俺らみたいな見張りの方があってないような仕事だ。俺らの方がいつも楽してるってもんだ」

 「そういうもんか?」

 「そういうもんだ」

 そんな他愛もない話をしていた時だった。何か重いものが動くような音が聞こえてきた。

 「・・・・・ズシン、・・・・ズシン、・・・ズシン」

 「おい!なんか聞こえねーか?」

 「ん?音なんか聞こえ・・・、なんか聞こえるな」

 そう言って山賊達が音の鳴る方をしばらく見ていると巨大な盾を持ったゴーレムみたいなのが来た。さらに、その後ろには結構な数のゴーレムを引き連れて。

 「おい!鐘を鳴らせ!!敵だ!敵襲だ!!」

 「カン、カン、カン、カン、カン、カン」

 山賊の1人が叫び、もう1人は鐘を鳴らした。


 鐘を音を聞いた山賊が中からぞろぞろと現れた。

 「敵はどこからだ!」

 「あっちの方だ」

 見張りの山賊が指差す方を見た中から出てきた山賊が見ると巨大なゴーレムがこっちに向かって突っ込んで来ていた。

 「魔法部隊を呼べ!すぐに攻撃させろ!弓矢もだ!弓矢で攻撃しろ!!」

 山賊達は弓矢を持ち出しゴーレムに向けて放つ。遅れて到着した魔法部隊もファイヤーボールやアイスアローなどで攻撃した。人数が人数なだけにかなりの数の弓矢や魔法がゴーレムに向かって飛んでいった。
 その光景に山賊達はニヤついていた。だが、そのニヤつきはすぐに消え失せた。攻撃は当たっているものの盾で全て防がれておりダメージを与えられていなかった。

 「マジかよ・・・」

 「「「「「・・・・・・」」」」」

 「お、おい!攻撃の手を休めるな!!攻撃しろ!!」

 この後も攻撃するも盾に防がれて、ついに門に到達された。それと同時に物凄い音と共に門が壊された。

 「ズドオォォォーーーン!!」

 「う、うぉっ!逃げろー!」

 「ひっ!ヒイィー!!」

 「狼狽えるな!各自ゴーレム共を攻撃しろ!!」

 「突撃しろ!主人の敵を殲滅せよ!」

 山賊達は巨大なゴーレムに挑むも大盾で吹き飛ばされたり、潰されていった。その光景はに山賊は怯んでいき、建物の中に隠れる者もいた。建物の中から次々に出ていく山賊達だが、ゴーレム達により次々と倒されていく。
 戦況は徐々に押されていき、遂には建物の中にまで侵入されていた。そして、最後には砦で立っている山賊は誰もいなくなった。






~シュベイン視点~

 俺はいつものように個室で酒を飲んでいた。すると外が騒がしではないか。遂には物凄い音が聞こえてきた。大砲でも撃たれたか?
 まぁー、そのうち静まるだろう。その時はそう思って飲み続けていた。

 それから数分が経っても静かにならず、それどころか騒ぎはより増していた。

 「しょうがねーなぁ~。俺が行かねーと収められそうにないな」

 そう思い、太刀を担ぎ廊下をゆっくりと歩き外に出た。

「たくよ~、どこのバカだ俺の砦を襲いに来たのは」

 既に一方的な蹂躙と化した戦場目にして俺は驚いた。そんな時に

 「お前がここの主人か?」

 俺よりもはるかに大きいゴーレムと思う巨大奴が声を掛けてきた。

 「そうだが・・・、デカイなお前」

 「我が名はアイギス!我が主人の命によりお前を倒させてもらう!」

 アイギスと名のるゴーレムは俺に戦いを挑んで来た。俺は内心笑っていた。人だろうがゴーレムだろうがこの俺の太刀で真っ二つにして来た。だが、ここまで大きい物を真っ二つにした事がない。そう思うと自然とニヤついていた。

 「巨体に似合わず丁寧な奴だな。とてもゴーレムとは思えねーよなぁ!」

 俺がそう言うとアイギスは巨大な盾で払い攻撃をして来た。すかさず俺は太刀で防ごうとした。しかし俺は予想を超える衝撃により吹き飛ばされた。

 「ボ、ボス!」

 「イッテーなぁ、クソが!?」

 俺は太刀を使い体勢を整えはアイギスに突っ込み斬り込んだ。俺は反撃する為に鍛えに鍛えた俺の太刀さばで攻撃をした。そんじゃそこらの奴なら瞬殺出来る。
 しかし、俺の攻撃はアイギスの盾で全て防がれていた。しかも、俺の隙をついて盾を前に突き出してきたりと反撃もきてきやがった。俺も負けじと反撃をした。

 それから同じような攻防が数分続いた。

 「はぁ、はぁ、はぁ」

 流石の俺も疲れてきた。まさかここまで俺の攻撃が通じないとは思ってもいなかった。俺の攻撃の手が遅くなり始めていたが、それに対してアイギスは一糸乱れずに攻撃して来た。ゴーレムだからなのか疲れている様子が見られない。
 時々周りを見回すが残っているのは俺だけらしいな。だが、俺は戦い続けていた時、アイギスは話しかけてきた。

 「残りはお前だけだが、降参はしないのか?」

 「面白い事を言うゴーレムだな。はぁ、はぁ。降参なんてしたらこの楽しい戦いがおわってしまうだろうが」

 そう言った時の俺の表情は笑っていただろう。なぜなら、俺は不思議とこの戦いを楽しんでいたからだ。

 「我が主人をこれ以上待たせるわけにはいかない。決めさせてもらう!!」

 「そうかい!なら、俺も大技といこうか!!」

 俺が使える技の中で威力のある技を選んだ。

 「シールドスタンプ」

 「パワースラッシュ!!」

 アイギスの技とシュベインの技がぶつかり、金属同士特有の金切り声のような音を立てて火花を散らした。
 命中率が低い代わりに威力があるこの技を受けてもアイギスの盾は壊れる様子は見えなかった。寧ろ俺の太刀が悲鳴を上げていた。そんな時だった。

 「バキィーーーン」

 火花を散らす中、金属が折れた音が響いた。俺の太刀が折れた。その瞬間、俺は負けを確信したが清々しい思いだった。

 「俺の負けだな」

 「見事であった」

 アイギスはシュベインに讃える言葉を言い、技を決めた。

 「ぐああぁぁぁーー!!!」

 俺は今までに受けたことのない圧力に押しつぶされ、右手があらぬ方向に曲がった。左足も同じように曲がり、そして、痛みに耐えかねた俺は気絶した。

 「我々の勝利だ!!」

 アイギスは勝利に吠えていた。

 

【後文】

 短いですが、別視点バージョンを書いてみました。今後も書けましたら書いていきたいと思います。
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