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軍服の慕情
プロローグ
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「皆さんに、残念なお知らせがあります」
それは、入学して一ヶ月を過ぎた頃だった。
「招集により、人手不足になっていることは皆さんもご存知かと思いますが、わが校からも皆さんに学徒動員として働いていただくことになりました。
皆さんには『なでしこ隊』として、特攻兵の身の回りのお世話をしてもらいます。御国を護る為に、命を賭けて戦われる方々のお世話です。皆さん、心を尽くしてあたってください」
担任教師の説明のあと、各々三人一組の班となり現地に向かう。
中本季世、高里柚子、佐伯結花の三人は入学してすぐに親しくなり、班決めも迷わずに互いの手を取った。
「特攻兵のお世話かぁ」
「どんな人達がいるんだろう」
「私、基地に好きな人がいるんだ」
結花の言葉に、柚子と季世は興味津々と目を輝かせる。
「誰?」
「どんな人?」
「私の、兄様の親友なの。私はずっと好きで、一年前に告白したの。だけど、フラレちゃった。『妹にしか思えない』って」
「そんな」
「会うの、辛くない?」
楽しい恋バナでないことに、二人はしゅんとなる。
「でも、一ヶ月前に家に来たの。ずっとマレーにいて、やっと内地に戻されたの。で、家に来て・・『付き合って欲しい』って。自分が特攻兵だったから、恋人になっても幸せに出来ないから、断ったらしいの」
嬉しそうに笑う結花に、柚子と季世も笑顔になる。
「じつはね、私も・・好きな人がいるんだぁ」
季世は嬉しそうに、頬を染める。誰ぇ?と二人は笑みを浮かべる。
「指導教官をしている人よ。すっごく男らしくて、明るくて優しくて大好き」
「柚子さんは?いるのよね」
結花に訊ねられ、柚子は小さく頷く。
「私を女学校に通わせてくれている方なの。私、小さな頃に両親を亡くして、叔母さんに育てられたんだけど。母親の葬儀のあと、叔母さんが迎えに来るまで子爵家にお世話になっていて・・。そこの御曹司の方が」
「もしかして、お見合い相手の人?」
「うん。まさか、その人がそうだなんて、思わなくて」
涙があふれ、頬を伝い落ちる。
「良かったね、柚子さん」
「その人も、柚子ちゃんが好きなのよね?」
柚子は頷く。
「私が進学したかったコトを聞いて、学費を出してくれてるの」
優しく、真綿で包むように。
泣き出した柚子を、季世と結花は抱きしめた。
「さ、行きましよ。委員長に叱られるわ」
結花の言葉に、二人は頷く。
きっと、大丈夫だと思える。
三人は希望を胸に、基地へと向かった。
「中本さんは三○二号室、佐伯さんは隣の棟にある一○九号室、高里さんは―――」
指導教官の一人、立花一翔が部屋番号を読み上げる。その姿を、結花は恋する眼差しで見つめる。
(この人ね、結花さんが好きって言った人は)
柚子と季世は、その眼差しが理解できた。どうしても、眼差しは誤魔化せない。愛しい気持ちが、如実に現れてしまう。
「また、お昼休憩に」
「またね」
「またね」
三人、別々の棟に向かう。
「おはようございます、今日からお部屋の掃除をさせていただきます」
部屋に入り、挨拶をした。
それは、入学して一ヶ月を過ぎた頃だった。
「招集により、人手不足になっていることは皆さんもご存知かと思いますが、わが校からも皆さんに学徒動員として働いていただくことになりました。
皆さんには『なでしこ隊』として、特攻兵の身の回りのお世話をしてもらいます。御国を護る為に、命を賭けて戦われる方々のお世話です。皆さん、心を尽くしてあたってください」
担任教師の説明のあと、各々三人一組の班となり現地に向かう。
中本季世、高里柚子、佐伯結花の三人は入学してすぐに親しくなり、班決めも迷わずに互いの手を取った。
「特攻兵のお世話かぁ」
「どんな人達がいるんだろう」
「私、基地に好きな人がいるんだ」
結花の言葉に、柚子と季世は興味津々と目を輝かせる。
「誰?」
「どんな人?」
「私の、兄様の親友なの。私はずっと好きで、一年前に告白したの。だけど、フラレちゃった。『妹にしか思えない』って」
「そんな」
「会うの、辛くない?」
楽しい恋バナでないことに、二人はしゅんとなる。
「でも、一ヶ月前に家に来たの。ずっとマレーにいて、やっと内地に戻されたの。で、家に来て・・『付き合って欲しい』って。自分が特攻兵だったから、恋人になっても幸せに出来ないから、断ったらしいの」
嬉しそうに笑う結花に、柚子と季世も笑顔になる。
「じつはね、私も・・好きな人がいるんだぁ」
季世は嬉しそうに、頬を染める。誰ぇ?と二人は笑みを浮かべる。
「指導教官をしている人よ。すっごく男らしくて、明るくて優しくて大好き」
「柚子さんは?いるのよね」
結花に訊ねられ、柚子は小さく頷く。
「私を女学校に通わせてくれている方なの。私、小さな頃に両親を亡くして、叔母さんに育てられたんだけど。母親の葬儀のあと、叔母さんが迎えに来るまで子爵家にお世話になっていて・・。そこの御曹司の方が」
「もしかして、お見合い相手の人?」
「うん。まさか、その人がそうだなんて、思わなくて」
涙があふれ、頬を伝い落ちる。
「良かったね、柚子さん」
「その人も、柚子ちゃんが好きなのよね?」
柚子は頷く。
「私が進学したかったコトを聞いて、学費を出してくれてるの」
優しく、真綿で包むように。
泣き出した柚子を、季世と結花は抱きしめた。
「さ、行きましよ。委員長に叱られるわ」
結花の言葉に、二人は頷く。
きっと、大丈夫だと思える。
三人は希望を胸に、基地へと向かった。
「中本さんは三○二号室、佐伯さんは隣の棟にある一○九号室、高里さんは―――」
指導教官の一人、立花一翔が部屋番号を読み上げる。その姿を、結花は恋する眼差しで見つめる。
(この人ね、結花さんが好きって言った人は)
柚子と季世は、その眼差しが理解できた。どうしても、眼差しは誤魔化せない。愛しい気持ちが、如実に現れてしまう。
「また、お昼休憩に」
「またね」
「またね」
三人、別々の棟に向かう。
「おはようございます、今日からお部屋の掃除をさせていただきます」
部屋に入り、挨拶をした。
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