いじめられて死のうとしていた俺が大魔導士の力を継承し、異世界と日本を行き来する

タジリユウ

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第39話 仲の良い冒険者パーティ

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「……ふう、ようやく終わったな」

 解体作業を始めて2時間ほど、ようやく計10体のワイバーンの解体作業が終わった。最初は教えてもらいながらだったが、5人で作業してもかなり時間のかかる作業であった。

 日本のスーパーとかですでに解体されカットされている肉が安値で売られていることは実は凄いことなんだよな。

 倒したワイバーンは俺が放ったエアカッターによって大半が真っ2つか4つに斬られていた。そのため高価らしいワイバーンの皮や肝などがダメになったものが大半であった。今回はあまり深く考えていなかったが、ドラゴンを倒す際にはそれほど深い傷を負わせないように慎重に攻撃しないといけないな。

 解体されたワイバーンは皮、肉、尻尾、翼、頭など各部位に分けて縛ってある。ワイバーンは内臓以外はすべて売れるとても優秀な獲物らしい。

「……ふう、なんとか日が暮れる前に終わったな。さあ、あとは麓の村まで運ぶんだろう? 俺達も手伝うぜ!」

「いえ、収納魔法が使えるので大丈夫ですよ。ほら、このとおり」

 収納魔法を発動させ、みんなが解体してくれたワイバーンの素材をすべて収納する。うん、ワイバーン10体分だから結構な量になったが、収納魔法の容量的にはまだまだ余裕で入りそうだ。

「んなっ!!」

「すげえええ!」

「初めて見た、これが収納魔法か!」

 やべっ! 確かジーナさんが収納魔法はかなり珍しいって言ってたっけ。とはいえさすがにこの量を持ち歩くのは無理だししょうがないか。

「すみませんが俺が収納魔法を使えることは秘密でお願いしますね」

「ああ、命の恩人の情報を売るほどクズではないから安心してくれ! それにしてもすげえ便利な魔法だな。この魔法が使えるだけで、どんなパーティからも勧誘があると思うぜ」

「あとは商人にも目をつけられそうっすね。あれだけの量を手ぶらで持ち運びできるなんて喉から手が出るほど欲しい人材でしょうね」

 冒険者に商人か。どちらも面白そうではあるが、今はまだどこかの組織に所属するのはやめておこう。

「今はまだのんびりと旅がしたいので、ゆっくりと一人でふらふらしてますよ」

「はは、そんなに強い力があるのにのんびりと旅か。マサヨシさんは冒険者に向いてると思うぞ。冒険者は何より自由だからな」

「でもうちらは自由の前に日々の生活のためのお金を稼がないとね」

「それを言うなって! ああ~あ、一攫千金の宝でも見つけて、美味い飯でも食いながらのんびりした生活を送りたいものだぜ」

「ほらリーダー、そんなこと言って無謀なことばかりしてるとあっさりと死んじまうぞ! 冒険者は安全第一だろ?」

「わかってるさ。リスクの高い依頼は受けねえよ。さすがに今回のは運が悪すぎた。本来ならそんなに危険な依頼でもねえからな。間違い無くうちのパーティに誰か運のないやつがいるな」

「「「リーダーだな!」」」

「おい!! そこで一斉にハモるなよ!」

 仲が良くいいパーティなんだろうな。こういうのを見ると冒険者という生き方も悪くないように思えてくる。



「マサヨシさん、ワイバーンの素材を運ばないでいいなら俺達はこの辺りで野営をして明日に村まで降りようと思っているが一緒に野営するか?」

「いえ、お誘いは嬉しいのですが、もう少し先に進んでみます」

 今日は家に帰らなくてはいけないから一緒に野営はできない。

「……もしかしてドラゴンにでも挑むのか?」

「ええ、たぶん明日にでも」

「マジかよ……」

「一人でか……勇者すぎるだろ」

「マサヨシさんほどの強さならできるのかもしれないな。だが無理だと思ったら迷わず逃げた方がいいぞ! ドラゴンに敗れて逃げてきた者などいくらでもいるし、決して恥ではない。引き際を見誤って全滅した冒険者パーティだけが愚かなだけだ」

「……ええ、無理だと思ったら迷わず撤退しますよ。逃げに徹しさえすれば、余程のことがなければ逃げ切れると思いますので」

「ああ、ぜひそうしてくれ。昔知り合いが無謀にもドラゴン挑んでそのまま帰らなくなったことがあってな。まったく……勇敢と無謀は違うというのに」

 勇敢と無謀は違うか。そうだな、イアンさんの言う通りだ。しっかりと引き際は見極めなくてはいけない。

「ほらリーダー、暗い話はもういいって! あんなに強いマサヨシさんなら大丈夫だって!」

「そうそう! 俺らよりも断然強いんだから俺達が心配するのも野暮ってもんさ!」

「ああ、そうだな! マサヨシさん頑張ってくれ、応援しているぞ!」

「ありがとうございます! 無理しない程度に頑張ります! そういえばみなさん晩ご飯はまだですよね? これも何かの縁ですし、ちょっと時間は早いですけど、ワイバーンの肉を一緒にいかがですか?」

「……いや、命を助けてもらった上に飯までご馳走になるわけには……」

「どちらにしろ俺一人じゃあんな量食べきれないですし、俺もみんなで食べたほうが楽しいですから」

「……リーダー!」

「……それではありがたくご一緒させてもらおう。実は俺達もワイバーンを狩ってはいるが、基本的にはすべて店に卸すから食べる機会はほとんどないんだ」

 そういえば昼間に食べたワイバーンの料理屋さんも専属の冒険者を雇っていると言ってたな。もしかしたらイアンさん達がそうなのかもしれない。

「ええ! とはいってもあまり時間がないので凝った料理は作れませんけどね」




 イアンさん達が野営の準備をしている間に俺は料理の準備をする。といっても時間がないから基本は焼くだけだ。昼間に調理用具一式を買っといて本当によかったな。

 魔道具のコンロで火をつけ、フライパンでワイバーンの肉を焼いていく。焼くだけと言ったが実は秘策があったりもする。
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