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第68話 京都府① 金閣寺、清水寺、京野菜
しおりを挟む「ほう、これは何とも美しいのじゃ!」
「これが有名な金閣寺ですか。確かにこれは見事ですね」
「京都と言えばやっぱりこの金閣寺が有名だね。京都は昔に都……王都みたいな街があったから、歴史のある建物が多いんだよ」
京都へとやってきたらまずはこれだろう。金閣寺、正式名称を鹿苑寺といい、室町幕府3代将軍の足利義満が譲り受けた別荘が始まりだったようだ。
俺も修学旅行の時にはここと清水寺を訪れたものだ。関東付近に住んでいると、修学旅行では奈良と京都に訪れることが多いっぽい。喜屋武さんに聞いたら、沖縄の中学生では長崎や福岡に行くことが多いそうだ。沖縄からしたら、九州でもかなり離れているもんな。
「手前の池に金色の金閣寺がとても映えますね。これが若者に流行っているばえるというやつでしょうか?」
「………………」
いや、喜屋武さんも十分若者だけどね。俺もそっちの方はやってないからよく分からないけれど、確かにこの景色はとても美しい。
「ばえるとは何なのじゃ?」
「ミルネさんはあまり気にしなくてもいいぞ。まあ、綺麗な景色って意味だ」
「ふむ、よくわからんが、綺麗な景色をばえるというのは分かったぞ! この金閣寺とやらはばえるのじゃ!」
「………………」
エルフのお姫様がばえるとか言っているけれどいいのかな……まあ、その辺りは気にしないことにしよう。
「おお、これは見事じゃ!」
「ここは清水寺といって、約1200年の歴史があって、さっきの金閣寺と同じく世界遺産にも認定されている由緒正しい寺院だよ。この赤い大きな門は仁王門といって、一対の金剛力士像があるよ」
清水寺の入り口には赤く大きな仁王門がある。そして清水寺の三重塔は三重では国内最大級の塔で、京都市内の様々な場所から見ることができる。
さらに進んでいくと清水寺で有名な清水の舞台がある。
「これが清水の舞台ですか」
「う~む、見事な造りをしておるのじゃ!」
よく清水の舞台から飛び降りる気でというが、この清水寺の舞台は約13mもあるらしい。そしてその舞台を支える木造の柱は複雑な支持構造をしており、その柱は美しい模様のようになっている。
樹齢400年以上のけやきを使用し、継ぎ手という構造で釘を1本も使用していないようだ。
今のように下の方から見上げるのも美しいが、舞台の上からの景色もとても素晴らしい。3人で舞台の上へ上がる。
「すごいのう、街がとても綺麗に見えるのじゃ!」
どうやらミルネさんもこれくらいの高さなら、景色を楽しんでみることができるようだ。まあ、これまでにもっと高いタワーなんかにも上ってきたからな。
「今はちょっと寂しいけれど、春の桜の景色や雪景色なんかはとても綺麗らしいよ。日本には四季があるから、どこの観光地もいろんな季節に来られれば一番いいんだよね」
理想を言えばすべての観光地を四季に渡って巡りたいところである。
「すごい人じゃな……」
「ここは清水寺の参拝場所になっているからね。下の方から一念坂、二寧坂、三年坂と呼ばれているんだよ」
清水寺から出て、京都のお土産屋がずらりと並ぶ坂へとやってきた。この辺りは清水寺へ参拝する観光客をターゲットにしたお土産屋さんがたくさんある。
「さて、せっかくだからこの辺りでいろいろと食べていこうか」
事前に調べてあったお店へと入る。
「これまた、様々な料理が出てきましたね」
「京都ではいろいろな料理があるからね。ここの料亭では一品料理をいくつか頼めるようになっているんだ」
京都は歴史が深く、様々な料理がある。まずここでは京都らしいものを食べていこう。
「これは豆腐じゃったかな?」
「うん、これは湯豆腐だよ。シンプルに豆腐を温めてタレを付けて食べるんだけど、こだわりぬいた国産の大豆を使って、綺麗な湧水を使って作られたものだよ」
京都は日本食に深いこだわりがある。このお店の料理は材料を厳選したこだわりの逸品だ。もちろんその分お値段の方はとってもお高いぞ。
「……少し甘みが感じられて、とても柔らかく澄んだ味ですね。確かにこれは普通の豆腐とは別物です」
「こっちのは豆腐を作る時にできた豆乳を使ってできたものだよ。醤油を少しかけて食べると美味しいね」
湯葉とは豆乳を煮て加熱することで表面に膜ができる。それを鍋から引き揚げて水切りしたものだ。これ単体でめちゃくちゃうまいというわけではないが、栄養もあってお浸しなんかに入れるととても美味しい。
「こちらの野菜はなんですか?」
喜屋武さんが指差す先には様々な野菜が乗ったお皿がある。
「こっちは京野菜の漬物だね。京都には京都特有の野菜が多くて、漬物も有名なんだよ」
京野菜は京都で生産された京都特有の野菜だ。九条ネギ、京みずな、加茂なす、伏見とうがらし、えびいもなど、様々な形をした野菜がある。中でも聖護院かぶらという大きなかぶを使った千枚漬けが有名だ。
ちなみにこの千枚漬けとしば漬け、すぐき漬けの3つを京都の三大漬物と呼ぶらしい。
個人的には肉厚で丸くて大きな加茂なすを使ったなすの田楽や揚げびたしなんかが好きである。肉や魚もうまいが、野菜もうまいのである。
「すごい、いろんな種類の漬物がありますね」
「これだけでもご飯が何杯か食べられるね。他にも鱧や天ぷらなんかも有名だよ」
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