少年たちは浄化を願う

碧碧

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教えの日〜再〜

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 待ちに待ったこの日がやってきた。タジとラシードにとって二度目の教えの日だ。

 子どもたちは皆朝からそわそわとして落ち着かい様子だった。フィリップなんて何度も股間を手で押さえては、転びそうになったり物を落としそうになったりしている。今夜のことを考えて、貞操帯の中でペニスが膨らんでしまうのだろう。

 そう言うタジとて同じだった。マティアス神父が視界に入るたびにドキドキして、トイレに駆け込んでは張り型をぐちゅぐちゅと出し入れした。絶頂に行くのを我慢しなければと思うのに、一度動かすとすぐに我を忘れてしまう。日が暮れる頃には、タジの頭の中は神父と清めのことでいっぱいになった。

「さあ、今日の業務はこれでおしまいにしよう。皆お疲れ様」

 信者がいなくなった教会で、マティアス神父が明るく言う。この後は夕食、湯浴み、そして教えの時間だ。

 この後のことを考えていると、夕飯の味はしなかった。湯浴みは念入りに隅々まで綺麗にしたせいで、のぼせてしまいそうだった。そして、ラシードと手を繋ぎ、ドキドキしながら地下のあの部屋に向かう。

「タジ、やっとだな」
「うん……!」

 ラシードがにっこりと微笑んでタジの頭を撫でる。愛しい弟が聖なる存在に一歩近づくことを、誇らしく思っている様子だった。

「僕、マティアス様のペニス、ちゃんと挿れられるかなぁ」
「マティアス様なら、きっとうまくやってくださるだろう」

 先日の交わりを思い出したのだろう。タジの問いに答えた後、ラシードはほうっと熱く息を吐く。

「い、痛くないよね……?」
「それは大丈夫。身体は清められたがってるから。ほんと、頭がぐちゃぐちゃになるくらい、すっごく気持ちいい、よ……」

 ラシードの目がとろんと蕩けている。タジはそれを見てごくりと生唾を飲んだ。マティアス神父のことは親以上に信頼している。勿論兄のことも、だ。もうタジの心の中から不安が消えた。ただこの後に待っている快感を想像して、期待が膨らむばかりだ。





「では、まずは学びの時間から」

 全体の進行は毎回同じらしい。つまり、清めの時間は一番最後だ。今回の学びの時間では、口から聖液を受け入れ、腹の中から清めを受ける方法について学んだ。

 聖液はどこから吸収しても——つまり菊門だけでなく口や肌からも——清めの効果があるという。とはいえやはり不浄の穴を清めることと兼ねることができるため、菊門から頂戴するのがいいらしい。

 ただ、貴族の家に奉公に行くと、穢れを口に出したいと言われることも多いのだそうだ。つまり、清めのためというよりは主人の穢れを受け止めるため、口で搾る技を取得する必要があるというわけである。

「では、エリアスから年長順に並びなさい。順番に私のペニスを口に含み、舌や喉を使って快楽を与え聖液を搾ること。五分経てば次の者と交代だ。では始めよう」

 こうして一列に並んだ子どもたちが、順番にマティアス神父の前に跪き、ペニスを口に含んでいく。エリアスとニコはさすがの経験値で、喉奥まで深く飲み込み、五分経つ直前に聖液を出してもらっていた。ソラやラシード、フィリップは、なかなか口に含むことができず、神父の助言をもらいながら舌で丁寧にペニスの頭の部分、括れ、その裏のところを重点的に舐めていく。

「ソラ、もう少し吸い上げながら裏の筋を、っ、舐め上げて……括れは引っ掛けるようにして……そう、いいぞ……っ」
「ふぁい……っ」

「フィリップ、その小さな舌で割れ目の中の穴を優しく掻き混ぜられるかい……あぁそうだ、上手……あふれてきた分は飲んでいいからな……っ」
「ん、ぅ」

「ラシード、君は舌が大きいから頭全体を舌で包んで、ッ、そう……ゆっくりと円を描くように、舌のザラザラを押し付けながら磨きなさい……ああ素晴らしい……っ」
「ありあとうごらいまふっ」

 そしてタジの番が来た。

「歯を当てないように気をつけなさい。咥えるのは無理しなくていいから」
「は、い」

 そして、皆の唾液でべとべとに濡れたペニスを手で支え、ゆっくりと下から上に舐め上げる。前にラシードに出した聖液のおこぼれを貰った時よりも心臓がうるさい。

 このあと、このペニスを挿れてもらえるのだ。早く欲しい。これで掻き混ぜてほしい。

 ああ、あふれる露が甘い。美味しい。もっと、もっと出して。

 愛おしい。マティアス神父が、愛おしくてたまらない。

 タジの口技は当然拙かったが、マティアス神父に気持ちよくなってもらいたいという愛情にあふれていた。舌をねっとりと絡みつかせ、手で根本を扱く。唇は先端に甘く吸い付き、しきりに聖液をねだっていた。

「タジ……あぁ、そんなに美味しいかい……?」
「おいひい、れふ……んんッ」
「お゙ぉ゙ッ!吸い付きがたまらない、な!あ゙ーー、先をゆっくり舐め回して……ゔ、ぉ゙……ッ」
「ん゙ん゙っ、ん゙ん゙っ!」
「出そうだ……はあっ!裏の筋を強くッ、あ゙あ゙!」

 マティアス神父が一際大きく呻いた瞬間、五分を知らせる鈴が鳴った。離したくなくて、涙目で彼を見上げるが、そっと後頭部を撫でられてペニスを抜かれてしまった。

 血管を浮かせ、びくんびくんと大きく震えるペニス。それはサリオの舌の上で痙攣し、聖液をあふれさせた。悔しかった。あと一分あれば、タジが飲めていたのに。

 俯いてしまったタジを抱き上げ、マティアス神父が皆の方を向く。

「皆、よくがんばった。ラシードもタジも、これが初めてとは思えないほど上手だったよ。これからもしっかりと練習を重ねていくように」

 頷いた兄弟に微笑み、マティアス神父がタジの髪にキスをした。そして元気づけるように抱きしめ、背中をポンポンと叩く。

「特にタジ。君はテクニックは拙いけれど、誰よりも愛情があふれていた。私の反応を見ながら、私を気持ちよくさせようと、一生懸命大切に大切に舐めてくれたね。ペニスを舐めるときは、相手のことを一番に考える。それが一番大切なんだ。教えなくてもわかっている君は、本当に素晴らしい」

 そう言って、神父は口づけをしてくれた。聖液の代わりなのか、唾液を流し込んでくれる。

「タジがテクニックまで身につければ、その口に出すのを我慢できる者など一人もいないだろう。それほど素晴らしかった。正直、五分が過ぎても続けてほしかったくらいだ」

 そんな嬉しい言葉と共に。くらくらするほど美味しい唾液を飲み下し、タジは喜びのあまり涙を滲ませた。





 時間は過ぎ、報いの時間となった。神父は皆のペニスとふぐり、菊門に触れて確認して回った。自慰をしていないとわかれば額にキスをもらえる。タジもパンパンに勃起したペニスを撫でられ、ふぐりを転がされ、菊門の張り型を二、三回抽送されてから額にキスを受けた。

「皆、よくがんばった。今日は報いの時間は不要だな」

 マティアス神父の言葉に、全員が安堵の息を吐いた。自分たちが一回り成長したような、聖なる存在に近づけたような、誇らしい気持ちに笑顔が眩しく輝いた。

 つまり次は赦しの時間だ。この一週間、フィリップについては二週間も、穢れを溜め続けて燻った身体。その解放の時だ。

「では今から赦しの時間に入るが、この中に、継続して穢れを溜め続けたい者はいるかい?」

 神父の言葉が広い部屋に響く。静まり返る中、そっと手を挙げたものがいた。

「僕、もう少しがんばりたいです」
「ソラくん……」

 そう、ソラだった。言葉とは裏腹に、潤んだ瞳としっかりと勃起したペニスは解放を訴えている。

「ソラ、いいんだな?」
「はい……っ」

 ソラにとって、初めての二週間の禁欲だ。辛いだろうに、彼は断固として意思を変えなかった。

「ではソラ、がんばってみなさい。エリアスも引き続き禁欲だから、今日の赦しはニコとフィリップ、ラシードだね。ふむ、多いな……」

 三人を見遣って神父は顎を撫でた。

「よし。じゃあニコをソラ、ラシードをエリアス、フィリップは私が赦しを与えることにしよう。皆、いいかな?」

 神父は三ペアを作り、それぞれで穢れを解放しようと提案した。特に異論は出ない。ラシードなど、憧れのエリアスに触れてもらえるとなって、顔を真っ赤にしてペニスを勃起させている。

「サリオとタジには申し訳ないが、少し待っていてくれ」
「うん!」
「はい!」

 元気よく返事をして、タジは周囲を見回した。壇上のマティアス神父の元に急ぐフィリップ以外は、それぞれのペアの席に集まっている。隣のラシードは、エリアスに後ろから抱きしめてもらって夢見心地のようだ。

「ソラ、よろしくねー!」

 ニコは笑顔でソラに抱きついている。ソラもされるがまま、ニコの腰に腕を回した。

「それでは、始めよう」

 フィリップの貞操帯を外す金属音が聞こえ、マティアス神父はそう宣言した。

「あぁ……っ!」

 最初に声をあげたのは、壇上のベッドに座ったフィリップだった。二週間も我慢した上、マティアス神父の手で敏感になりきったペニスに触れられているのだ。当然、耐えられるはずもない。

「フィリップ、いい子だ。しっかり反省して、よく我慢できたな」
「あぁ、あぁ、マティアス、さまッ!マティアスさまあああッ!」

 健気に上を向くペニスを、マティアス神父の指の輪がゆっくりと上下する。それが傘の下のくびれに差し掛かると、フィリップは大きく仰け反ってびくびくと身体を震わせた。やはりそこは皆の泣きどころなのだ。ペニスの先の割れ目からはとめどなく穢れの上澄みが零れている。

「はーッ、はーッ、マティアス様ッ、俺、もう……っ!」

 涙に濡れた声で、フィリップが限界を訴える。神父は美しいフィリップの金髪に指を通し、微笑みを浮かべながら優しく撫でた。

「もうかい?まだラシードも、ニコも、出していないぞ?本当にいいのか?」
「あ、ぅ゙……!」

 親指の腹でくりくりとペニスの頭をくじりながら、少し意地悪なことを神父が言う。プライドの高いフィリップには効果覿面だ。出る寸前の快楽に蕩けた表情が、悔しげなものに変わる。ぐっと唇を噛み、拳を握った。

「ぁ゙……まだ、我慢、でき、る……ッ」
「そうか。よしよし、ゆっくりしてやろう」
「ふ、ああ……っ」

 神父の手が再び動き始めると、その表情は一瞬で崩れてしまう。穢れを出すまいと必死に堪えているペニスの穴を指で抉られ、足が何度も空を蹴っていた。美しい金髪を振り乱し、涙をあふれさせながら我慢をしているフィリップ。そのふぐりがきゅんきゅんと上がって、今にも穢れを放ちそうだ。

「ゔ~~~っ!んぁぁ~~~!」
「フィリップ、ああ、気持ちよさそうだね」
「ゔぐぅ!マティアス様ぁっ、もう出ちゃう、ゔぅッ!」
「もう少しだけ我慢できるかい。あと少し。ほら、フィリップはここが好きだろう?ここまでがんばった分、たくさん撫でてやろうな」
「あ゙ーーーッ!そこ、やだぁ!やだやだッ!ああッ、出ちゃう!出ちゃうの!あ゙あ゙ぁ゙!」

 やはりあの括れがいいらしい。小刻みに段差を巻き込み、神父の指が上下すると、フィリップの腰が大きく突き上がり始めた。へこへことマティアス神父の指にペニスを打ち付けている。

「もう、もう、出ちゃ……っ!」

 フィリップがぎゅっと目を閉じ、背筋を反らせた。両脚がピンと伸び、つま先が丸まる。ぶるぶると身体が震え、噛み締めた唇の端から涎が滴り落ちた。ぐんっとふぐりが持ち上がり、ペニスの穴がくぱりと開く。穢れが出る。タジがこくりと生唾を飲んだ瞬間——。

「我慢だ」
「いや、あああああッ!」

 マティアス神父の手が離される。それを追うように持ち上がった腰が、刺激を求めてカクカクと動いていた。

「もう少し可愛いフィリップの姿を見させてくれないかい」
「ぁ゙……マティアスさまぁ……っ」

 切なさに涙が止まらなくなったフィリップが、横に座っているマティアス神父に擦り寄る。それを宥めながら、神父は震える太ももをゆっくりとさすった。



「ソラ、舐めてほしいな~」

 掠れた声が聞こえ、タジがそちらを向くと、ソラの首に腕を回し腰を揺らしてねだるニコの姿が見えた。タジのうなじがざらりと粟立つ。

 ソラは頷き、ニコの脚の間に身を入れた。ピンと勃ち上がっているニコのペニスを両手で支え、桃色の舌が覗く。

「ぁ、ソラくん……」
「ああッ!ソラ、きもちいっ!」

 タジの呟きはニコの嬌声にかき消された。目の前で、ソラがニコのペニスを頬張っている。じゅぷ、じゅぷ、と濡れた音が響き、濃い桃色のペニスがソラの口に消えては現れていた。

「あ゙ーーっ!すごいっ、あったかくて、ぬるぬるして、きもちッ!先っぽぐりぐりしてっ、強く吸って!」
「んん、ぅ」
「あ゙っあ゙っ、先っぽ気持ちいよぉぉ!ソラ、もっと、ッ!裏の筋の、とこもッ、ん゙ん゙ッ!あ゙ーーー、ちんちん溶けるっ!すごい!あ゙あ゙っ、気持ちいいぃッ!」

 ニコのあけっぴろげな物言いにタジが思わず赤面する。年上なのに随分と子どもっぽくて低俗だ。しかしニコが言っていると思うと不思議と不快感はない。

「ソラ、じゅって吸って!ああ、そうッ!ちんちんの先っぽ、割れ目ぐりぐり抉って、おしっこの穴ほじって!あ゙あ゙ッすごいッ、もう出ちゃう出ちゃう!あ゙ーーー、喉狭いッ!ちんちん痺れる、ぅ!」

 限界が近くなったらしく、ニコがソラの後頭部を引き寄せ、思い切りペニスを突き入れた。ソラの顔はニコの赤毛の陰毛に埋もれ、喉はペニスで広げられて膨れている。ニコは遠慮なくそのままガツガツと腰を振り、喉を犯していた。

「あーー、出る!出る出る!僕の穢れ飲んでっ、ソラ!」

 咽せそうになっているソラの頭を抱き込んだまま、ニコが腰を思い切り押し込み、絶叫した。ソラの喉仏が大きく上下していて、直接穢れを注がれているのだとわかる。

「あっあっあっ……止まんないっ、すごい、ああ……きもちい……まだ出てる……ぁ……」
「げふっ、ごふっ」
「あぁ、もっと、ちんちんの中まで全部吸って……」

 咽せて思わずペニスを吐き出したソラの頬に、ニコがペニスを擦り付ける。その姿は、もはや「堕ちている」ようにさえ見えた。なんだかソラが蔑ろにされているようで、タジが少しの憤りを覚えた頃には、ソラとニコは身体を離していた。

「ソラ、乱暴にしちゃってごめん。僕、快楽に呑まれやすいみたいで……ソラの口の中が気持ち良すぎて訳わかんなくなっちゃった」

 ニコがソラを抱きしめ、労わるように頭を撫でた。

「ぁ、うん……大丈夫だよ」

 ソラは怒ることもなく、照れたように笑って首を振る。自分だけが苛ついているようで、タジはふいと顔を背けた。

「ラシード、まだ緊張してる?」
「ううん……エリアスさんとくっつくと、落ち着く……」
「そうかい?よかった」

 視線の先ではエリアスと兄が抱きしめ合っていた。ラシードが甘えるように胸に顔をうずめている。赦しの時間が始まってから、二人はただ抱き合っていたようだ。真っ白なエリアスの肌と褐色のラシードの肌が重なっているのは、どこか芸術的だった。

「そろそろペニス触ってあげようか」
「ぁ、でも、そんな……っ、あぁっ」

 しっかりと首をもたげているラシードのペニスをエリアスの細い指がゆっくりと包む。それだけでラシードは仰け反って悶えた。視線はエリアスに吸い込まれるように、ただその美しい顔を見つめている。

「ラシードはどこが好きかな」
「ぁ、わかりませ……っ」
「じゃあ順番に触ってみようか」

 ラシードの耳元でエリアスが囁く。あまりの興奮で、ラシードの目は今にもこぼれ落ちそうなほどに潤みきっていた。

「まずはふぐり。ここにいっぱい穢れが詰まってる」
「ふ、あ……」
「優しく転がされるとぞくぞくするよね。私もここ好き」

 片手で下から持ち上げ、包み込んで揉みしだく。ペニスの先から蜜を滴らせながら、ラシードは喉を晒した。

 エリアスの指がふぐりの下、少し膨らんだところをぐっと押し込む。ぎゅっと腿が合わさって、先端からぴゅっと蜜が飛んだ。

「ここも気持ちいいよね。お尻の中を触られた時みたいでしょう?」
「あぁっ!ああだめ、そこ……ッ!」
「ラシードはお尻も弱いんだね。これだけで鳥肌を立てて、すごく可愛い」
「あ、ぁ……」

 ラシードが瞼を閉じ、唇を噛む。ぶるりと身体が震え、ペニスから白濁の穢れがとろりと零れ出た。

「あれ?甘く出しちゃったのかな。そんなに気持ちいい?」
「ぁ、きもちい……で、す……エリアスさんの指、が……」
「ふふ、嬉しいな。でもまだまだ触ってないところがあるよ」

 エリアスはくすりと笑い、ペニスの幹をそっと握った。そこは早く穢れを吐き出したいと意気込んで、血管を浮かせている。根本を指の輪でぎゅっと絞り、そのままゆっくりと上に昇っていく。

「あ、あ……」
「ラシードのは僕のより太いね……ドクドクいってる」
「ゔ~~~……エリアスさん、早く……っ」
「ん?早く、何かな?」
「あ゙あ゙……ッ!早く、早く、もっと、先っぽも……!」

 ラシードが焦れたように腰を振る。

「ラシードは、先っぽが好きなんだね。ここは?この傘の下の、裏のところ」
「お゙、ぁ゙っ!」

 エリアスが人差し指で裏の筋を擦った。途端にラシードの身体が跳ね、またとぷりと白濁が漏れる。両脚が閉じたり開いたりと、快感でじっとしていられないようだった。

「そ、こ……!気持ちい、です……!」
「私もここ触られるとすぐ穢れが出るんだよ。お揃いだね」
「は、ああっ!ゔーーー!」

 エリアスはしつこく、くちくちと裏の筋を責めていた。しかしラシードが少し刺激に慣れ始めると、次は指で輪っかを作り、ペニスの段差にはめる。

「あ゙……!」

 まだ動かされていないのに、ラシードの腰は勝手に突き上がった。教えられずとも、男としての身体はどうすべきかわかっているのだ。

「ここ、引っ掛けられると腰が抜けそうにならない?」
「ん゙ぉ゙……っ!ふ、ぉ゙ぉ゙ッ!」

 小刻みに指の輪が上下する。ラシードの座っている椅子が激しく音を立てた。身体の痙攣が止まらないのだ。ガクガクと腰を揺すり、何度も仰け反って感極まった声を漏らす。明らかにそこはラシードの弱点だった。

「エリア、スさあああんッ!だめです、だめだめ……ッ!あ゙ーーーッ!」
「何がダメ?気持ちよくない?」
「あっあっあっ!気持ち良すぎてッ、だめなのっ!ああ出る!出ちゃう!出ちゃうよおおっ!」

 ラシードが赤子のように泣き喚く。必死に首を横に振り、訪れそうな解放に抵抗していた。早く穢れを出したいだろうに、どうして耐えているのだろうとタジは首を傾げる。

「まだ出したくないのかな?」
「ぁッ!エリアス、さんに、もっとぉ、触って、ほし、から……ッ!あ゙あ゙だめだめ、待ってぇ!」
「ラシード、君本当に可愛いね。私にもっと触れてほしいんだ」
「あ゙、あ゙、エリアスさ、ん……」

 二人は見つめ合い、ゆっくりと唇を重ねた。その二人の姿は愛し合っていた頃の両親の姿となぜか重なり、タジはなんとも言えない気持ちになった。

「じゃあ、敏感な先っぽ、少し触るね」
「あ゙、ぅ……は、い……」

 ラシードの返事を待って、エリアスの手のひらがペニスの先端、皮から飛び出して真っ赤に張り詰めた傘の部分を覆った。瞬間、ラシードは声もなく弓形に背を反らせる。

「ーーーーーッ!」
「痛くない?」
「ーーーッ!ーーーッ!」

 ラシードはただ目を見開いてぶんぶんと首を振った。それは止めてと言っているのか、それとも痛くないと言っているのか。エリアスは後者と受け取ったようだ。手のひらがゆっくりと円を描き始める。

「そーっとするからね。ほら、くちゅくちゅ言ってる」
「ーーーーーッあ゙!」
「ここ、じっとしてられないくらい辛いのに、泣きそうになるくらい気持ちいいでしょ?先っぽをこんな風にくるくるされると、生意気なニコもフィルも泣きじゃくってしまうんだ。もちろん、私もだけれど」

 エリアスの言葉はラシードには届いていないようだった。兄は涙をあふれさせながら、虚な目で虚空を見つめ、ただ背を反らせびくびくと身体を震わせている。投げ出された足は時折り突っ張ったり、蹴るような仕草を見せていた。

 タジは、泣きじゃくるエリアスの姿を想像してごくりと生唾を飲んだ。あんなに大人で理性的な人が、あられもない姿で乱れるというのか。そして、尊敬してやまない兄が目の前で見せる赤子のような姿に、タジの心臓がドクドクと跳ねた。

「先っぽだけだと穢れが出そうにないでしょう?悪いことをすると、マティアス様がこうやって先っぽだけを弄って、私たちに罰を与えることがあるんだけれど、これ辛いよねぇ」

 エリアスの手の速度が上がった。ラシードは狂ったように絶叫した後、急に静かになった。失神してしまったのかとタジが慌てると、ちょろちょろと細い水音が聞こえる。

「あ、小水の方が先に出てしまったね」
「は……ぅ……」

 粗相を間近で見られ、ラシードの顔が羞恥に真っ赤に染まる。その場から逃げようと藻搔くのを、エリアスはぎゅっと押さえ込んだ。

「大丈夫、先っぽをされると大体漏らしちゃうから。これも穢れのうちなんだから、出してもいいんだよ」
「ゔ、ぅ゙……」
「ごめんねラシード、恥ずかしかったね」

 エリアスに頭を撫でられ、ラシードは赤ちゃん返りをしてしまったようだった。胸に顔を埋め、泣きじゃくっている。そして目の前にある胸の突起を見つけ、ちゅうちゅうと吸い付いた。

「あ、こら、ラシード……っ」
「ん、んっ」

 綺麗な桃色の乳首はふっくらと膨れ、ラシードに吸われたことで嬉しそうに固くそそり立った。エリアスの声に色が混ざり、熱い吐息が漏れる。

「私、乳、弱いから……だめだよ、ラシード」
「んぅ……!」

 引き剥がそうとするも、ラシードは頑なだった。こうなれば先に穢れを吐き出させるしかないと、エリアスがペニスをぎゅっと握る。そしてラシードの弱点である裏の筋と括れをまとめて扱き始めた。

「ああっ、ん゙ん゙ッ!あ゙ーーッ!」

 効果はてきめんだった。胸から口を離し、ラシードが天を仰いで絶叫する。エリアスの手にペニスを押し付けるように大きく腰をグラインドさせていた。

「いい子だ、ラシード。溜まった穢れ、いっぱい出そうね」
「ゔ、あ゙!エリアスさんっ、エリアスさ、ん゙ん゙!」

 エリアスの手が激しく上下する。ラシードも大きく腰を振る。頂は目の前だった。

「ほら、出して」
「あ゙……!」

 エリアスがラシードの脚を割って身を入れた。限界を迎えているペニスに顔を寄せ、大きく口を開けてラシードを見つめる。このまま出してしまうと、美しいエリアスの口や顔に穢れがかかってしまう。ラシードもそれをわかっているのだろう、顔を歪めて我慢しているのが見てとれた。

「大丈夫。そのまま、私に穢れをちょうだい」
「あ゙あ゙ぁ゙……っ!」

 その誘惑は絶大だった。ラシードの身体が大きく震え、遂にペニスから穢れが噴き出す。白く粘ったそれが、何度も何度もエリアスを穢した。美しい銀髪も、透き通るような肌も、形のいい唇も、真っ赤な舌も、ラシードの白濁にまみれていく。

「は、ッあ゙!あ゙あ゙っ、あっあっあっ!」

 穢れを纏うエリアスも美しくて、ラシードはうっとりと見惚れている。穢れが止まる頃には、エリアスの顔はべっとりとラシードの穢れで覆われていた。それを指で掻き集め、口に入れて飲み込んでいく。ラシードは止めることもなくそれを見つめている。自分の穢れを飲んでくれているのだ。愛しくて愛しくて、胸が張り裂けそうだった。





「皆気持ちよさそうだね、フィリップ」
「あ……ぁ……」

 ニコとラシードが穢れを出すのを見届け、マティアス神父が語りかける。フィリップはもう何度も何度も穢れを出す直前で寸止めされていた。我慢の限界をとうに超えている彼は、口からもペニスからも涎を滴らせている。

「たくさん我慢した分、気持ちがいいだろう?穢れを吐き出したいと身体が訴えているのがわかるかい?」
「はあぁぁぁ……っ」

 するり、と、マティアス神父の指がペニスをなぞり上げるだけでフィリップの身体は燃えるように赤くなった。ふぐりがきゅんきゅんと持ち上がっている。

「フィリップ、皆が君のことを見ている。皆の前でもう一度我慢してみようか」
「ぁ……やだ、がまん、やだ……」

 我慢と聞いて、虚だったフィリップの目に光が戻る。首を必死に横に振って、何度も嫌だと訴えた。しかし神父の手はペニスを掴んでゆっくりと動き出す。

「ほら、ペニスが気持ちいいね。フィリップは頭を揉まれるのが好きだったな?たくさんしてやろう」
「あ゙あ゙あ゙ッ!我慢やだあああッ!出したい、出したいです!」
「フィリップなら、もう一度だけ我慢できるだろう?もう一度だけ。皆に君の成長した姿を見せつけるんだ。しっかりお腹に力を入れて、穢れをふぐりの中に押し留めなさい」
「ゔ……ッ、ぐぅぅ!」

 薄桃色の先端を手のひら全体で揉みくちゃにされ、フィリップが涙を散らしながら歯を食いしばっている。タジから見てももう限界だった。いつ穢れが噴き出てきてもおかしくない。

「ゔ~~~っ!ゔ、ゔ、ゔ……ッあ゙ーーーだめ!だめだめだめ!もう出る、ぅ!」
「我慢だ。もう少し。がんばれ」
「あ゙ーーーー無理ッ!無理れす!出ます!ごめんなさいっ、ごめんなさいッ!ゔ、あ゙ーーーーーッ!」

 泣きじゃくりながら謝って、フィリップが大きく仰け反る。穢れを出そうとペニスを高く突き上げ、硬直した。その瞬間、神父の手が離れる。

「あ゙ーーーーーッ!やだやだ、もう出る、のに!もう来てる!来てるのっ!」

 届かなかった頂を追い求めるように、フィリップは必死に腰を振った。しかし神父は触れてくれない。神経が焼き切れそうなほどの狂おしい快感と、二週間たっぷりと煮詰められた穢れが、ぐるぐると胎の中で滾っている。

 どれだけ腰を振っていきんでも、その穢れは出てこなかった。フィリップの声はどんどんか細く、言葉は懇願に変わっていく。

「マティアス様、もう無理なの……もう出したい……出させてください、おねがいします……っ」

 見ていて心が痛むほどだった。白く華奢な身体は朱に染まり、ペニスもふぐりも限界までパンパンに腫れている。ひたすら腰を揺らしながら、マティアス神父の手を掴み、必死に指を吸ってねだっていた。

「よし、よく我慢したな。ペニスを突き出しなさい」
「あっあっ……」

 ついに許しが出た。フィリップは言われるがまま腰を突き出し、マティアス神父の手がそこに触れるのをじっと見つめている。

 小ぶりなペニスは神父の手にすっぽりと包まれた。それだけでフィリップが細く嬌声を漏らす。もうどんな刺激もたまらない様子だった。

 神父の手がゆっくりと上下する。根本から絞り上げ、括れをひっかけ、頭を揉みしだく。一往復もしないうちにフィリップの四肢が痙攣し始めた。神父の手の中からペニスの頭がぴょっこりと飛び出る。手は皮をずり下げながら裏の筋を擦り、また根本へと帰っていく。

「あ゙ーーーッ!お゙ーーーッ!」

 フィリップが神父の手に抽送するかのようにガクガクと腰を揺らした。

「よし、フィリップ、出しなさい」
「あっあっあっ!あああああっ!」

 ガタン、とベッドのフレームにフィリップの足が当たった。背骨が折れそうなほどに仰け反る。そしてくぱりとペニスの口が開いた。ふぐりが上がる。急速に穢れが昇ってくる。もう、出る——。

「あ゙……ッ?!」

 本当に寸前と思われるところで、またもや神父の手が離れた。フィリップは困惑した表情を浮かべたまま、固まっている。

 ——とぷ、とぷ。

 勢いなく穢れが漏れ出ていた。しかしフィリップの顔に快感はない。


「ぁ゙……ゔ……?んぐ、ぅ……」

 それは漏れ続ける。快感を取り上げられたのだと知って、絶望の表情に変わっていく。ぽたり、と涙が太ももに落ちた瞬間、神父の手がペニスを掴んだ。そのまま絞り上げるように大きく速く扱く。

「ゔ、あ゙あ゙あ゙あ゙ん?!や゙ッ、あっあっあっあっ!」
「ふふ、可愛いぞ、フィリップ。最後まで出しなさい」
「ぇ、ああああッ!ん゙ッ、ぐ!!」

 急な刺激にフィリップは目を白黒させた。そして瞬く間に追い詰められ、ペニスからぴゅっぴゅっと穢れを吐き出す。ようやっと訪れた頂に、フィリップは声も出せず浸っていた。

「……っ!……っ、はあっ!」
「よしよし。大好きな頭の方も擦ってやるぞ」
「ひぎっ?!ぎゃああああ!」

 出して終わりではなかった。神父の手がしつこくペニスの先をこねくり回す。フィリップはベッドに身体を沈め、刺激から逃れようと必死に這いずろうとした。しかしそんなことを神父が許すはずもない。体重をかけて押さえつけ、そのままペニスの先を揉みしだき続ける。

「ゔぐぅ……ッ!ん゙ーーーッ!」

 びくり、と大きくフィリップの身体が震える。そして透明の液体が高く噴き上がった。

「ん゙ッ!ん゙ッ!ん゙ん゙ッ!」

 ぶしゅっ、ぶしゅっとそれが漏れるたびにフィリップが短く喘ぐ。

「わー!おめでとうフィル!初めての潮吹きだね!」

 ニコが嬉しそうにはしゃぐが、当のフィリップはそれどころではなさそうだった。ベッドのシーツがぐっしょりと濡れるほど潮を漏らした後、力無く四肢を投げ出したまま失禁していた。脇にあった手拭いで神父がフィリップを清める。

「フィリップ、よくがんばった。ふぐりも空っぽだな」

 神父がふぐりを転がすと、フィリップが微かに鼻を鳴らした。

 と、ここで呼ばれたわけでもないのにエリアスとニコが祭壇に上がっていった。ニコがフィリップを抱き上げ、エリアスが手早くシーツを取り替える。三人が祭壇を降りると、改めてマティアス神父が皆に向き直った。

「さて、次は清めの時間だ」

 タジの肩がぴくりと揺れる。神父のまっすぐな視線が身体を貫いた。

「タジ、おいで」
「は、い……」

 一週間。待ちに待ったこの時間が、遂にやってくる。


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