最強の元トップランカー、転移後は仲間を集めます

おふとん

文字の大きさ
7 / 19

5-1 アークとの出会い

しおりを挟む
 アークは嘆く。
 「シュガーの親父、どこ行っちまったんだよ……」

 部隊長用の大きな部屋で1人、主人から与えられた太刀を手入れしながら呟く。この太刀は親父から貰った武器であり、お前にはこれが良いと与えられたものだ。

 太刀の名前は【百鬼】
 
 切れ味はもちろんのこと、魔力を込めると、力の増幅・反応速度上昇・生命力上昇と身体強化され、また味方に使用者の1割のステータスを反映、闘争本能を鼓舞し、士気向上するオマケまでついている業物である。

 「こうしてみると、昔を思い出すな」
 アークは昔、鬼人族の族長であった。鬼人族は一番強い奴が族長になり、アークは10歳の頃から長になる戦闘の天才であった。それ以降、自分より強い奴はいなく、その環境に飽きていた20歳の頃にシュガーに出逢ったのだ。

「俺はシュガー、ここで一番強い奴に会いにきた」
「俺がここの族長だ、一番強い」

 アークは一目見た時から勝てないと判断する程に、力量差が開いていることをわかっていた。それでも族長、戦わない訳にはいかない。それと同時に初めて会った強者の存在、高揚感が収まらない。

「俺は俺の組織に加わってくれる人材が欲しい、鬼人族は身体能力に優れていると聞く、お前が負けたら俺の下につけ」
「あぁ? 俺に勝てると思ってんのか、生まれてこの方無敗の俺に、今となってはここら一帯のトップだ」

「それならかなりの人数、俺の下についてくれるという事だな、嬉しい誤算だ」
「減らず口を……さっさとやろうぜ!」

 鬼人族は代表の戦闘時、つまり長が変わる可能性を帯びた闘いの場では、全員で観戦するしきたりがある。

「ボス、さっさと終わらせてくだせぇ」
「そんな冒険者風情のやつ、相手じゃねえよ!」
「うぉぉおお、やっちまえー!」

 代表戦で使用されるサークルに通され戦闘が始まる。

 戦闘は5分も経たずに終わった。

 ただ、戦闘の中身は濃く、剣を交え、魔法を撃ち合い、絶技のスキルが飛び交った。仰向けに倒れるアーク、一瞬の事で理解ができない周りの観衆、沈黙が漂う。

「お前、なかなか強いな。約束通り俺の下についてもらうぞ」
「あぁ、男に二言はねえ、むしろ俺からお願いしたいくらいだ、あんたに惚れたよ、その強さを一生をかけて横で見させてくれ」

 アークはシュガーから回復ポーションをもらい、それを両手でがっちりと受け取る。

「お前らきけぇ! 見ての通り俺は負けた、それも手も足も出ない完敗だ。そして! 鬼人族の規定に従い、シュガーの親父を族長とし、またこれからは親父の傘下に入る! 文句ある奴は出てこい!」

 アークの一声で沈黙が解かれる。

「うぉぉおおお! 新しい族長だぁぁああ!」
「アーク族長が負けるなんて、信じられない!」
「シュガーの親父! 俺達もついていくぜえ!」

 こうしてシュガーはアークと出逢い、数百人の部下まで獲得する事になる。

「そうだ、今の戦闘でお前の大太刀壊しちまったな、代わりといってはなんだがこれを使え、大太刀よりは小ぶりだが、昔俺が使っていたものだ。出逢いの記念の品とでも思ってくれ、剣の質は保証するし、お前にはぴったりだ」

「これは……、すごいな……。大幅な身体能力向上以外に、仲間にまで影響する効果まで付いてるじゃねぇか……」
 その日はアークが初めて負けた日であり、初めて尊敬する人を見つけた忘れられない日になった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

部屋で寝てたら知らない内に転生ここどこだよぉぉぉ

ケンティ
ファンタジー
うぁー よく寝た さー会社行くかー あ? ここどこだよーぉぉ

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

処理中です...