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和くん、その人は誰?
一般的に見ても僕は美人と言われてるのは理解している。
ただ人には好みがある事は分かっている。
――和くんが僕の顔が好みなら……
和くんから、可愛い、綺麗にと言われたことは有るから嫌ではないはず……
けれど、それは一般的に見ての事で和くんの好みではないのかもしれない。
「はぁ~」
トイレの手洗い所にある鏡に映る自分の姿を見て僕は、和くんの好みの顔になりたいと思う。
「大月藍、きみは自分の顔に不満でもあるのか?」
鏡の中で目が合ったその人は3年の雫先輩だった。
「なんで、3年が1年の階のトイレに来てるかが不思議なんですけど」
雫先輩は、わざわざ僕の隣で手を洗いながら口角を上げた。
「3年が1年の階のトイレに来てはいけないとの校則はないからね……」
品行方正に見えるこの男は至極真っ当な事を言っているけれど、僕は知っている『腹黒』だと言うことを。
「なにが校則はないだよ、その校則を無くしたの雫先輩じゃん」
一瞬、表情を崩した雫先輩は何が面白いのかクククと、よくある悪役のボスみたいな笑いを浮かべていた。
僕には雫先輩の頭の中は理解できないし、する気もない。
これ以上、付き合うのはメンドクサクなりそうだったから僕は、雫先輩にバイバイと言うとトイレから離れた。
なぜ僕が先輩に、ため口が使えるのかと言うと2番目の兄の絢兄の親友で面識があるから。
何度も家にも遊びに来ているから気を抜くと、ため口になってしまう。
絢兄が、来年から藍が入学するから俺の目が届かないのは心配と雫先輩にボヤいて、他学年の階への往き来は必要最低限との校則が無くなった。
僕の家族は僕に甘過ぎる……その中でも絢兄は群を抜いている。
そんな事を考えていると教室から和くんの笑い声が聞こえた。
誰かが和くんから、あんなに楽しそうな笑い声を引き出したんだと思うと胸の当たりがモヤモヤとする。
そんな事を感じさせないように……何事もないように自分の席へと付くと、僕の席の回りに何人かが集まってくる。
和くん笑ってる……可愛いなぁ~
それにしても、和くんの隣にいる人は誰?
今まで一緒に居るところを見たことない人だ……
和くん……あんな感じの人が好きなのかな……
僕とは正反対、雄みが強い感じ……
考えるだけで悲しくなる。
「らぁ~ん話聞いてる?」
甲高い声が僕の耳に不快な音を伝える……
それとは別に、和くんの楽しそうな声が僕の耳を刺激する。
なんだこれ、泣きそうだ……
ギリリと奥歯が音を立てるのと同時に、頭からジャージが被せられた。
「藍……まだ腹痛いの?さっきトイレ長かったもんな……全部出しきれてないのか?……そっかそっか、それじゃもう1回行こうぜ」
そう言いながら僕の手を引いたのは奏多だった。
――教室を出るまでは声を出すなよ。
奏多が回りに聞こえないように僕に伝える。
僕は引かれるままに奏多に着いて行く。
あまり人が来ない空き教室に置いてある椅子に座ると奏多は大きなため息を付く。
「おい藍、そんな顔を教室でするなよ、藍は王子様なんだろ?」
あの教室から連れ出してくれた奏多には感謝してる……感謝してるけど言い方にムカつく。
「僕は、王子様になりたいなんて言ったことない」
そんなのは周りの勝手な決めつけだ。
「藍が、そんな顔で泣いたら周りも気になるだろ?ほら、あれだ藍の泣き顔が癖な人の癖心をくすぐる可能性があるし。」
そんな顔って、どんな顔?癖心って何?でも奏多がそう言うくらいなんだから酷い顔なんだろうな。
「そんなに辛いなら、もう諦めたらどうだ?藍にそんな顔をさせているのは和哉なんだろ?」
はぁ?はぁぁぁ?
僕の思いを諦めろだって?
奏多が何を言ってるのか意味が分からない。
「嫌だよ」
僕の返事を聞いた奏多は何故か爆笑しながら僕の背中を何度も叩いた。
「やっと、いつもの藍っぽい顔付きに戻ったな。」
――あっ……気にしてくれただけか……奏多の言葉で冷静になれた。
「ありがと……」
あの時、止まらなくなった涙が見られないようにジャージで隠してくれたのか。
それだけ、ぐちゃぐちゃな顔をしてたのが分かる。
よくある漫画のストーリーなら僕が奏多に惚れてハッピーエンドなのかもしれない。
けれど僕と奏多はお互いに、そんな気持ちが皆無だ。
何故ならば、奏多の心を奪っているのは雫先輩だからだ。
僕も奏多も中々、振り向いてもらえない相手に心を寄せている。
――どうしたら1番になれるんだろう。
「そうだ藍、さっき和哉と話してた人は和哉の中学の時の同級で和哉に、この学校を教えた友達らしいぜ」
えっ?
僕と和くんが再び出会う事ができた、きっかけを作ってくれた人に僕は勝手に焼きもちを、焼いていたなんて。
穴があったら入りたい……
むしろ埋めてほしい……
「とりあえず、藍は保健室で顔をなんとかしてこいよ、マジでヤバいぞ……絢さんが見たら、めんどくさい事になる」
絢兄の名前を聞いて、あながち間違ってないと思い僕は保健室へと向かった。
ただ人には好みがある事は分かっている。
――和くんが僕の顔が好みなら……
和くんから、可愛い、綺麗にと言われたことは有るから嫌ではないはず……
けれど、それは一般的に見ての事で和くんの好みではないのかもしれない。
「はぁ~」
トイレの手洗い所にある鏡に映る自分の姿を見て僕は、和くんの好みの顔になりたいと思う。
「大月藍、きみは自分の顔に不満でもあるのか?」
鏡の中で目が合ったその人は3年の雫先輩だった。
「なんで、3年が1年の階のトイレに来てるかが不思議なんですけど」
雫先輩は、わざわざ僕の隣で手を洗いながら口角を上げた。
「3年が1年の階のトイレに来てはいけないとの校則はないからね……」
品行方正に見えるこの男は至極真っ当な事を言っているけれど、僕は知っている『腹黒』だと言うことを。
「なにが校則はないだよ、その校則を無くしたの雫先輩じゃん」
一瞬、表情を崩した雫先輩は何が面白いのかクククと、よくある悪役のボスみたいな笑いを浮かべていた。
僕には雫先輩の頭の中は理解できないし、する気もない。
これ以上、付き合うのはメンドクサクなりそうだったから僕は、雫先輩にバイバイと言うとトイレから離れた。
なぜ僕が先輩に、ため口が使えるのかと言うと2番目の兄の絢兄の親友で面識があるから。
何度も家にも遊びに来ているから気を抜くと、ため口になってしまう。
絢兄が、来年から藍が入学するから俺の目が届かないのは心配と雫先輩にボヤいて、他学年の階への往き来は必要最低限との校則が無くなった。
僕の家族は僕に甘過ぎる……その中でも絢兄は群を抜いている。
そんな事を考えていると教室から和くんの笑い声が聞こえた。
誰かが和くんから、あんなに楽しそうな笑い声を引き出したんだと思うと胸の当たりがモヤモヤとする。
そんな事を感じさせないように……何事もないように自分の席へと付くと、僕の席の回りに何人かが集まってくる。
和くん笑ってる……可愛いなぁ~
それにしても、和くんの隣にいる人は誰?
今まで一緒に居るところを見たことない人だ……
和くん……あんな感じの人が好きなのかな……
僕とは正反対、雄みが強い感じ……
考えるだけで悲しくなる。
「らぁ~ん話聞いてる?」
甲高い声が僕の耳に不快な音を伝える……
それとは別に、和くんの楽しそうな声が僕の耳を刺激する。
なんだこれ、泣きそうだ……
ギリリと奥歯が音を立てるのと同時に、頭からジャージが被せられた。
「藍……まだ腹痛いの?さっきトイレ長かったもんな……全部出しきれてないのか?……そっかそっか、それじゃもう1回行こうぜ」
そう言いながら僕の手を引いたのは奏多だった。
――教室を出るまでは声を出すなよ。
奏多が回りに聞こえないように僕に伝える。
僕は引かれるままに奏多に着いて行く。
あまり人が来ない空き教室に置いてある椅子に座ると奏多は大きなため息を付く。
「おい藍、そんな顔を教室でするなよ、藍は王子様なんだろ?」
あの教室から連れ出してくれた奏多には感謝してる……感謝してるけど言い方にムカつく。
「僕は、王子様になりたいなんて言ったことない」
そんなのは周りの勝手な決めつけだ。
「藍が、そんな顔で泣いたら周りも気になるだろ?ほら、あれだ藍の泣き顔が癖な人の癖心をくすぐる可能性があるし。」
そんな顔って、どんな顔?癖心って何?でも奏多がそう言うくらいなんだから酷い顔なんだろうな。
「そんなに辛いなら、もう諦めたらどうだ?藍にそんな顔をさせているのは和哉なんだろ?」
はぁ?はぁぁぁ?
僕の思いを諦めろだって?
奏多が何を言ってるのか意味が分からない。
「嫌だよ」
僕の返事を聞いた奏多は何故か爆笑しながら僕の背中を何度も叩いた。
「やっと、いつもの藍っぽい顔付きに戻ったな。」
――あっ……気にしてくれただけか……奏多の言葉で冷静になれた。
「ありがと……」
あの時、止まらなくなった涙が見られないようにジャージで隠してくれたのか。
それだけ、ぐちゃぐちゃな顔をしてたのが分かる。
よくある漫画のストーリーなら僕が奏多に惚れてハッピーエンドなのかもしれない。
けれど僕と奏多はお互いに、そんな気持ちが皆無だ。
何故ならば、奏多の心を奪っているのは雫先輩だからだ。
僕も奏多も中々、振り向いてもらえない相手に心を寄せている。
――どうしたら1番になれるんだろう。
「そうだ藍、さっき和哉と話してた人は和哉の中学の時の同級で和哉に、この学校を教えた友達らしいぜ」
えっ?
僕と和くんが再び出会う事ができた、きっかけを作ってくれた人に僕は勝手に焼きもちを、焼いていたなんて。
穴があったら入りたい……
むしろ埋めてほしい……
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