【BL】正統派イケメンな幼馴染が僕だけに見せる顔が可愛いすぎる!

ひつじのめい

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2章

その頃の車内では《空視点》

 もうすぐ高速に入るよ。

 レンがそう話した時には間違いなく楓は起きていた……

 行けるSAがあれば行ってみたいと話していたから。

 だから今、この状態が不思議で仕方ないルームミラーで後部座席に目を向けると翠先輩の肩に頭を預けて楓は気持ち良さそうに眠っている。

「レン……後ろ……」 

 俺の言葉にレンはルームミラーへと視線を動かすと、切れ長の目が楽しそうに細まる。

「高速は景色が単調だから眠くなったかな?目を閉じていると年相応に見えるのは……新たな発見で面白い……」

 レンの言葉に楓の事は好きだけれど……
 レンの彼氏としては少し……いやかなり面白くない。

「レンは俺の彼氏だよな?」

 ――言った後で後悔した……レンの気持ちは分かっている……
それでもΩのレンがαに少しでも興味を向くのが嫌だった。

 レンの返事を聞く前に後部座席から視線を感じた時。

「楓は俺のだから、わたす気はないですよ。」

 いつもは爽やかが歩いているような翠せんぱいとは思えない声色に、何かを言いたいのに声を出すことが出来ない……

 そんな翠せんぱいの声を聞いてレンが少し笑みを含ませ……口を開く。

「小野寺くんも、まだまだ青いね。」

 レンの言葉に、好青年な翠せんぱいが嫌悪感の含むハァ?と言ったのは聞き間違いであってほしい。

 レンの方へと視線を向けるとあきらかに口元が緩んでいる……

 レンとは長く一緒に居るから分かる……今の状況を凄く楽しんでいる。

 だからさぁ~
 翠くんは大人しく僕の隣にだけ居ればいいんだよ……
 僕だけを見ててよ……

 ん?……えっ?

 こんなに甘い楓の声は聞いたことがない……っていうか……車内!普段の楓なら人前でこんな事は言わない……恐る恐るルームミラー越しに後部座席に目を向けると、楓は翠せんぱいの肩に頭を預けながら気持ち良さそうに眠っている。

 えっ……人間って、こんなにハッキリと寝言を言う?

 翠せんぱいは恥ずかしそうに顔を赤らめているし……

 さっきまでの翠せんぱいの威圧感も楓の言葉でこんなにも薄れて、表情すら変わるのかと思うと、楓が不安に思っているだけで、はたからみたら全然問題ないじゃないか。

 ちゃんとお互いがお互いを大好きなのが分かる。

 うわぁ~甘酸っぱい。

 楓が起きてきた時に、俺は真っ直ぐに顔が見れなそう……

「空……」

 名前を呼ばれてレンの方へと顔を向けると、もう何も言うなと言っているような表情を浮かべていた。

 レンが何を言いたいのかは、なんとなく……察しがつく……

 結局のところ2人の事は2人にまかせた方がいいに決まってる。

 楓から聞いていた、僕だけが翠くんを好きな気がするとは……楓の思い込みだろうし、はたから見たら翠せんぱいの独占欲は楓の上をいくんじゃないか?

 ――2人ともハイスペに見えて不器用なんだな……

 人を好きになると、臆病になるのは俺も経験があるから分かる。

 レンが、あまり構いすぎるなと言いたい気持ちも分かるけど……大人のレンとは違い俺や楓はまだ成長過程だからこそ負担にならない程度にはアドバイスしたい。

「空、相模くんSAに寄りたいと言ってたよね?次のSAが現地に近い最後のSAだから休憩しよう。」

 そう話すレンを見ながら、俺が免許を持っていたら運転を替われるのにと思った。

 お盆休みと言うにはまだ早く、SAの駐車場は余裕で止めることができ、着いたことを知らせようと後部座席に目を向けると、翠せんぱいも眠っている。

 そんな2人を見て俺がスマホのカメラを起動させたのは無意識の行動で、後で楓に送ったら楓がどんな表情を浮かべるか楽しみで仕方がない。

 周りの意見をたけを信じて楓をΩだと思っていた、楓が本当はαだと聞いた時は……少しだけ昔を思い出して怖かった……でも今、後部座席で寝息を立てている2人をみると、どこにでも居る普通の高校生にしか見えない。

 ――楓、翠せんぱいSAに着きましたよ、少し休憩しませんか?

 俺の言葉に先に目を覚ましたのは楓だった。

 自分の状態に気付いてみるみる顔を赤らめている姿は、翠せんぱいを観察している時とは違いαに、こんな素直な表情を引き出す事が出来る翠せんぱいは凄いと感じた。

 ここでの休憩したら、ホテルで荷物を置いて海水浴になりそうだ……レンを少しでも休憩させないと一緒に遊べない……。

「なぁ楓……少し長めに休憩してもいいか?」

 俺の言葉に何かを察した楓は、満面の笑みで頷いた。

 翠せんぱいはと言うと、まだ夢の中らしく本人もきっと無意識なんだろうけれど、楓と手を絡ませながら繋いでいた。

「翠せんぱーい着きましたよ!」

 少しだけ大きめな声で声をかけると、ビクッとした後に俺がよく知る好青年な翠せんぱいに戻っていた。

 ――そっか……楓の前では、あの姿はまだ見せてないのか……確かに好きな相手に全てをさらけ出すには勇気がいるよな……

 頑張れ翠せんぱい……

 その気持ちが分かるからこそ、俺は心のなかで翠せんぱいにエールを送った。
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