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第8章 呪われた世界
8. 世界の真相
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まず――サナトリオルムとは何者なのか?
彼についての記録はあまり残されていない。何か不都合なことが書かれていたために、抹消されたのかもしれない。
だが、彼について書かれた書物は少ないながらも存在し、そのひとつはベルムデウス家に所蔵されている。
彼について書かれた手記を、一族の当主たちは代々受け継いできた。
それは、四代目当主ノクティス・ベルムデウスが、古代人の遺跡で偶然発見したものだ。
サナトリオルム――
邪悪な悪霊。
魔術を極めた魔術師が秘術によって霊魂のみの存在となり、不死となった。
人間の魂を糧とする。
この世界がサナトス――古代の言葉で『死』と呼ばれているのは、サナトリオルムに由来している。
争いのない日々が長年続いた時代があった。
だがいつも、そんなものは長くは続かない。
『死』がなければサナトリオルムは餓えてしまう。
やつは腹を満たすため、地上に『死』をもたらした。
多くの人々が犠牲となった。
――と、その手記には記されていたが、その先のページは破り取られていたため、事の詳細は不明だった。
ベルムデウス家は備えた。平和な時代が続いた先にある、何かを恐れることが重要なのだと、代々の家訓としてまで受け継いできた。
今からおよそ七百年前――何十年も争いのない平和な時代が続いた。
人々は戦争を忘れ、平和な世界で自由を謳歌した。
そして、それは起こった。
どこからともなく魔獣の群れが押し寄せた。
魔獣は凶暴な上に強大な力を持っていて、多くの人々を殺し、家々を破壊した。
人々は力を合わせて魔獣に戦いを挑み、多大な犠牲を出しながらも勝利したが、それは厄災の始まりに過ぎなかった。
魔獣の死体はあっという間に膿み腐り、街には疫病がはびこった。大地は腐り、作物は枯れ果てた。
地獄はこれだけでは終わらない――
かつては手を取り合って魔獣と戦った人々が、限られた食料を奪い合う……各地で生き残りをかけた戦争が起こったのだ。
多くの血が流れた。
手記の記述を再び起こる事象と捉え、備えていたベルムデウス家は生き残り、当主は一国の王となった。
そして、魔獣たちの出現から始まる厄災を乗り越えた後、ベルムデウス家の家訓は変わった。
『炎、戦争、勝利』だ――
サナトスには戦争が必要なのだ。
私たちは戦争を仕掛ける。
あの厄災を再び起こさせないために――
ベルムデウスは侵略者の仮面を被った救済者なのだと、サナトリオルムの存在とともに代々の当主たちに受け継がれてきたのだ。
平和が続けば、戦争よりも悲惨な『厄災』が訪れる。
この世界は、呪われている。
サナトリオルムという人の魂を喰らう悪霊に、呪われているのだ……
彼についての記録はあまり残されていない。何か不都合なことが書かれていたために、抹消されたのかもしれない。
だが、彼について書かれた書物は少ないながらも存在し、そのひとつはベルムデウス家に所蔵されている。
彼について書かれた手記を、一族の当主たちは代々受け継いできた。
それは、四代目当主ノクティス・ベルムデウスが、古代人の遺跡で偶然発見したものだ。
サナトリオルム――
邪悪な悪霊。
魔術を極めた魔術師が秘術によって霊魂のみの存在となり、不死となった。
人間の魂を糧とする。
この世界がサナトス――古代の言葉で『死』と呼ばれているのは、サナトリオルムに由来している。
争いのない日々が長年続いた時代があった。
だがいつも、そんなものは長くは続かない。
『死』がなければサナトリオルムは餓えてしまう。
やつは腹を満たすため、地上に『死』をもたらした。
多くの人々が犠牲となった。
――と、その手記には記されていたが、その先のページは破り取られていたため、事の詳細は不明だった。
ベルムデウス家は備えた。平和な時代が続いた先にある、何かを恐れることが重要なのだと、代々の家訓としてまで受け継いできた。
今からおよそ七百年前――何十年も争いのない平和な時代が続いた。
人々は戦争を忘れ、平和な世界で自由を謳歌した。
そして、それは起こった。
どこからともなく魔獣の群れが押し寄せた。
魔獣は凶暴な上に強大な力を持っていて、多くの人々を殺し、家々を破壊した。
人々は力を合わせて魔獣に戦いを挑み、多大な犠牲を出しながらも勝利したが、それは厄災の始まりに過ぎなかった。
魔獣の死体はあっという間に膿み腐り、街には疫病がはびこった。大地は腐り、作物は枯れ果てた。
地獄はこれだけでは終わらない――
かつては手を取り合って魔獣と戦った人々が、限られた食料を奪い合う……各地で生き残りをかけた戦争が起こったのだ。
多くの血が流れた。
手記の記述を再び起こる事象と捉え、備えていたベルムデウス家は生き残り、当主は一国の王となった。
そして、魔獣たちの出現から始まる厄災を乗り越えた後、ベルムデウス家の家訓は変わった。
『炎、戦争、勝利』だ――
サナトスには戦争が必要なのだ。
私たちは戦争を仕掛ける。
あの厄災を再び起こさせないために――
ベルムデウスは侵略者の仮面を被った救済者なのだと、サナトリオルムの存在とともに代々の当主たちに受け継がれてきたのだ。
平和が続けば、戦争よりも悲惨な『厄災』が訪れる。
この世界は、呪われている。
サナトリオルムという人の魂を喰らう悪霊に、呪われているのだ……
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