【サラリーマン下剋上物語】 企業人 

蔵屋

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第一巻

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 現代に行きる企業人は、戦国時代の武将達から多くの学ぶべき事がある。
 例えば甲斐の虎と言われる武田信玄である。
 戦国最強と評された武田信玄の強さの秘訣や、意外な一面を知れる逸話を紹介する。
生涯の出来事だけでなく、その背景にあるエピソードを知ることで、武田信玄の魅力がより深く感じられる筈だ。
 
 武田信玄の軍略のベースとなった「風林火山」

風林火山ふうりんかざん」は、武田信玄が軍旗に掲げたと伝わる言葉で、彼の戦略を象徴するフレーズとして広く知られている。
 正確には以下の4つの文章が軍旗に記されており、それらを略したものが』風林火山』である。

疾きこと風の如く、
徐かなること林の如く、
侵掠すること火の如く、
動かざること山の如し。

 中国の兵法書孫子はそんしの一節から引用されたもので、武田信玄はこれを軍略の指針としたのだ。
 その意味は「動くときは風のように素早く、構えるときは林のように静かに、攻めるときは火のように激しく、守るときは山のように動かず」ということだ。
 
 現代でも「風林火山」は、ビジネスやスポーツの戦略論として引用されることが多々ある。
 
 武田信玄の菩薩寺である恵林寺にも『風林火山』の屏風が飾られているのだ。
   
 武田信玄の強さの本質は、戦国最強と評される騎馬隊ではなく、緻密な情報収集に裏付けられた巧みな戦術にあった。
 武田軍で主に情報収集を担ったのが​、「 三ツ者みつもの」や「透波すっぱ」と呼ばれる忍者集団だ。

 当時、三ツ者は敵の情報を調べたり、周囲の敵を偵察したり、敵地に潜入して軍勢や補給路の様子を探るなど、幅広い活動を行っていた。​
 現代に於ける産業スパイである。
 また、大企業於ける派閥争いだ。
 この派閥争いは民間企業だけではなく、官庁や桜の塔と言われる警視庁や警察庁に於いても然りである。

 さて、武田の三ツ者である。中でも特徴的なのが、女性の巫女で構成された「歩き巫女あるきみこ」という集団である。

 歩き巫女とは、神社に所属せずに旅をしながら、人々の願いごとを聞いて祈祷や占いをして暮らしていた女性のことだ。

 戦国時代は一般人の移動が制限されていたが、歩き巫女は聖職者として何処でも受け入れられ、怪しまれることなく情報収集できたのだ。

 武田信玄は彼女たちの自由に移動できる特性と社会的信用に注目し、諜報技術を習得させて、情報網の一翼を担わせたのだ。
 
 これまで紹介してきた武田信玄の人物像からは想像しにくいような、意外なエピソードも残っている。

 それは、武田信玄と家臣・春月源助しゅんげつ げんすけの間で起きた些細な事件であった。
 武田信玄と春月源助は、主君と家臣という関係を超えた親密な仲だったとされる。
戦国時代には、命を懸けた主従関係がやがて恋愛に発展することもあり、特に若く美しい側近が仕える中で、こうした絆が築かれることもあった。
 ある時、武田信玄が弥七郎やしちろうと密会したことを知った春月源助は、不機嫌になる。
 これを知った春月源助は機嫌を損ねた。恋人の浮気を知ったときの心情は、昔も今も変わらないのかもしれない。
 武田信玄は慌てて釈明の手紙をしたため、「弥七郎とは何もなかった」「もし偽りがあれば神罰を受けてもよい」と、必死に弁明した。

 この手紙は現存しており、東京大学史料編纂所に所蔵されている。
 
ー(武田信玄の意外な一面が垣間見える手紙に関するエピソード)ー
  (武田信玄の名言)
 戦国時代の武将の中でも人気の高い武田信玄は、現代に生きる人々の心にも響く名言を残しているのだ。
ここでは、その中でも特に有名な名言を紹介する。

 「人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり。」

(武田信玄の統治哲学を象徴する言葉)

「人こそが国を守る城であり、石垣であり、堀である。人には情を持って接し、思いやりのないやり方を避けよ」という意味だ。
つまり、どれほど立派な城や石垣を築いても、最終的に国を支えるのは『人材』であるという哲学思想を表している。

 家臣や民を大切にし、恩義をもって接すれば自然と味方になるが、粗末に扱えば敵に回る。戦国時代に於ける人材と信頼の重みを端的に示した名言と言えるであろう。

 「我、人を使うにあらず。その業を使うにあり。」

 この言葉は、「人そのものを使うのではなく、その人が持つ『能力』を活かすことが大切だ」という意味を持つ。

 武田信玄は、家臣や部下の才能を見極め、それぞれの適材適所に配置することで組織を最大限に機能させた戦国武将である。

 誰かを無理に変えようとするのではなく、その人の特性を活かすという信玄の柔軟なリーダーシップが表れている。

 現代の企業経営やチーム作くりにも通じる考え方であり、「人を活かす」ことの重要性を説いた、先見性のある名言と言える。

「為せば成る。為さねば成らぬ成るわざを、成らぬと捨つる人の儚さ。」

 この言葉は、「やればできるのに、やらないまま諦めてしまう人の弱さ」を指摘した名言である。

 努力を重ねれば成し遂げられることでも、最初から無理だと決めつけてあきらめてしまう人間の弱さと向き合った言葉だと言える。

 信玄は実際の戦や政治においても、一見不利な状況でも諦めず、工夫と努力を重ねることで道を切り開いて来た。
 そんな彼の信念が、端的に表現された一言といえる。
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