105 / 114
第百四巻
しおりを挟む【女性達の性事情】
梅の季節も終わり桃の節句になった。
洋子は真希の幸せだけを願っていた。地元の島根県ではいい思い出は一つもなかった。
せめて自分のお腹を痛めた子には人一倍、幸せになって欲しい。
そう願うのは母親として当たり前のことであった。
洋子は真希から上田との破廉恥なセックスの話を聞いていた。しかしその話を承諾したのであった。
土曜日の夕方、洋子と真希は帝国ホテルのスカイレストラン・フレンチにいた。
上田と三人で大阪の夜景を眺めながらフレンチ料理を食べていた。
フランス・シャンパーニュ地方のエノテカは最も高級なシャンパンである。
三人はシャンパングラスで乾杯をした後に一緒に飲み始めたのであった。
帝国ホテルで提供するコース料理はシェフおすすめのフルコースメニューを用意している。
その為オーダーする時に聞かれるのは、基本的にドリンクとメインディッシュのみである。
洋子と真希はメニュー表に書かれているフランス語に目を通していた。
アミューズ Amuse-bouche。
ひと口サイズで食べられるような食前の一品。和食でいう先付、突出し、お通しのようなものである。
オードブル Hors-d’œuvre
メインディッシュの前に提供される少し軽めのお料理で、所謂前菜のような一品である。
スープ Soupe
フランス料理では、とろみのあるスープまたはサラリとしたスープのどちらもポタージュと言われる品である。
メインディッシュ Plat principal
コースの主役となる魚または肉を使ったお料理。魚料理はポアソン、肉料理はヴィアンドと呼ばれるものだ。
フルコースの場合は、魚料理と肉料理の間に口直しのそソルベが提供される。
デセール Dessert
食後のデザートとして甘いスイーツが提供される。お店によってはチーズの盛り合わせなどのフロマージュに替えられる場合もある。
パン Pain
スープまたはメインディッシュと一緒に用意されるブレッドである。
飲み物 Boissons
ボワソンとはすべての飲み物を指す総称である。食前酒のことをアペリティフといい、食後は「コーヒー(Café)」「紅茶/テ(Thé)」など具体名で案内されることが一般的である。
フランス料理の食べ方であるが、洋子も真希もよく心得ていた。
フランスのコース料理は一品ずつ提供される為其々の食べ方にマナーや注意点がある。
食前酒
席についたタイミングで、食前酒を聞かれることがある。アルコールが飲めない場合は、断るだけでも問題ない。食欲を高めるためのお酒なのでアルコール度数が軽いものが多い。殆どのフレンチ店では、代わりにソフトドリンクやノンアルコールを勧めてくれるから安心だ。
シャンパン:champagne(シャンパーニュ)
白ワインのカクテル:kir(キール)
ジントニック:gin tonic(ジントニック)
甘いソーダ:soda(ソーダ)
炭酸水:eau gazeuse(オー・ガズーズ)
ミネラルウォーター:eau plate(オー・プラット)
「結構です、いりません:Non merci.(ノン メルスィ)」
“s’il vous plaît(シル・ヴ・プレ)” は、フランス語で 「お願いします」 や 「どうぞ」 にあたる丁寧な表現だ。「Un champagne, s’il vous plaît.(アン シャンパーニュ、シルヴプレ)」「Une eau plate, s’il vous plaît.(ユヌ オー・プラット、シルヴプレ)」など、「アン/ユヌ」の使い分けもで出来ればスマートである。
前菜(アミューズ・オードブル)
前菜は、季節の野菜や魚介、パテやテリーヌなど、素材の味を引き立てる軽やかな料理が中心である。分量は少なめであるがメイン料理へ向けて食欲を高める役割がある。
また、ナイフとフォークは外側から使い始め、料理は一口大にして上品に頂く。美しい盛り付けと、食材の組み合わせやソースの香りを楽しみながら、ゆっくり味わうのがマナーである。
洋子も真希も食べ方は上品である。それはこれから医学界で妻として生きていくための最低限のマナーなのだから。
スープ
前菜の後には、温かいスープまたは冷製スープが提供される。スープはすすらないように、スプーンで少しづつすくって口へ流し入れるように頂くものだ。熱いスープの時に、冷ますために息を吹きかるのはマナー違反である。
メインのお料理(ポアソン・ヴィアンド)
メインディッシュは、席について注文する場合もあるが前菜を頂いた後に決めても構わない。ハーフコースの場合は「魚料理」か「肉料理」を選んで、肉料理の場合は焼き加減を伝えれば良い。フルコースであれば、魚料理も肉料理も両方用意されることが多い。お店によっては、牛・豚・鴨、白身魚・サーモンなど複数から選べる場合もある。
メインディッシュ
魚料理:Poisson
切り身を裏返さないで食べるのがマナーだ。魚と付け合わせが同じタイミングでなくなるようにバランスよく食べるのがコツである。お皿に綺麗に飾り付けられているソースはお料理に付けて構わない。
肉料理:Viande
はじめにお肉をすべてカットしておくのはやめること。魚料理と同様、付け合わせとバランス良く食べるのがコツである。左端からお肉を切ると食べやすい。左利きの場合は右側から切ること。
肉料理の焼き加減
レア(表面だけ焼いて中身が赤い):
Saignant
ミディアムレア(中が赤~ピンク):À
point(ア・ポワン)
ミディアム(中が薄いピンク) :Rosé(ロゼ)
ウェルダン(中も火が通っている):Bien cuit(ビアン・キュイ)
ワイン
メインディッシュにワインを合わせる場合は、メインを決めたタイミングで一緒にオーダーするのがベスト。
白ワインか赤ワイン、種類など、ソムリエやウェイターと相談しながら注文すると自然である。
ウェイターがワインを注いでいる時にワイングラスには触れない。乾杯する時にワイングラス同士は当てずに、持ち上げるだけが本来のマナーである。飲む前にぐるぐると回す必要もない。
パン
一口サイズにちぎって食べる。オードブルやメイン料理とともに頂く。スープやお皿の周りのソースを、パンですくって食べても大丈夫。ただし、お皿が真っ白になるまで拭いきってしまわずに適度に留めること。
デセール
フランス料理では、デセールは味覚を整えて食後の余韻を楽しむ大切な時間とされている。フォークとスプーンが用意されている場合は、基本的にフォークで支えながらスプーンで頂く。アイスやムースなど柔らかいものはスプーンのみで問題ない。ゆっくりと味わいながら、香りや温度の変化も楽しむ、豊かな食後のひと時である。
食後のドリンク(カフェ・テ)
食後には、コーヒーまたは 紅茶が提供される。カップの持ち手が左側にある場合は右側に回してから持ち上げて飲むこと。左利きの場合は逆になる。フランス料理のドリンクは「ボワソン」「ソフトドリンク」といった総称は使われない。選ぶ時は、以下のような具体的な名称を伝えること。
コーヒー:Café
紅茶:Thé
ハーブティー:Infusion
オレンジジュース:jus d’orange
りんごジュース:jus de pomme
コーラ:|Coca】コカ》
炭酸水:eau gazeuse
ミネラルウォーター:eau plate
食後酒(コニャックなど):Digestif
フランス料理のコースは、形式に少し戸惑うこともあるがペースやマナーを気にしすぎずリラックスして食事することが最も大切であると言える。
「このお肉、とても美味しいですわぁ」
真希が言った。
「良かったよ。君に喜んで頂けて(笑い)」
上田がそう言った。
「今日は君にとっておきのサプライズがあるんだよ」
「え?そうなんですか。どんなサプライズなのですか?」
「それは部屋に戻ってからのお楽しみだよ」
「なんだか、ドキドキしちゃうわぁ」
「ママ、何とか言ってよ」
「真希、そんなこと言われてもママには分からないわよ」
三人は談笑しながら贅沢ななフレンチを楽しんでいた。
0
あなたにおすすめの小説
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
