「君を愛することはない」と言った旦那様が、毎晩離してくれません。 ~白い結婚のはずが、契約書にない溺愛オプションが追加されている件について

ラムネ

文字の大きさ
19 / 20

第十九話 小さな氷の王子様と、二度目の奇跡

しおりを挟む
時は流れ、シエルが誕生してから五年が経過した。

季節は春。 オルブライト公爵邸の庭園には、色とりどりの花が咲き乱れ、穏やかな日差しが降り注いでいる。 しかし、その平和な風景とは裏腹に、屋敷の中ではいつものように「熱い」攻防が繰り広げられていた。

「リリアナ、行かないでくれ」

「アレクシス様、仕事に行ってください」

玄関ホールにて。 この国の筆頭公爵であり、冷徹無比な「氷の公爵」として恐れられるアレクシス様が、私の腰にしがみついて駄々をこねていた。 その姿は、威厳の欠片もない甘えん坊の大型犬そのものだ。

「今日のお前は、一段と可愛い。その新しいドレス、私の瞳の色と同じサファイアブルーだろう? 私への愛のメッセージか? そんな可愛い妻を置いて出勤などできるわけがない」

「ただの偶然です。それに、今日は重要な会議があるのでしょう? 遅刻しますよ」

「会議など凍らせてしまえばいい。……リリアナ、補充が必要だ」

彼は私の首筋に顔を埋め、深呼吸をした。 五年経っても、この人の溺愛ぶりは衰えるどころか、年々加速している気がする。 使用人たちも、もはや「またか」という顔で、素知らぬ顔をして掃除を続けている。

「……パパ」

その時、頭上から冷ややかな声が降ってきた。

「見苦しいです。いい加減にしてください」

階段の上に立っていたのは、五歳になったばかりの息子、シエルだった。 プラチナブロンドの髪をきちんと整え、子供用の公爵家の正装を着こなした彼は、その愛らしい外見とは裏腹に、父親譲りのアイスブルーの瞳で冷徹にアレクシス様を見下ろしていた。

「シエルか。……パパは今、ママ成分を摂取中だ。邪魔をするな」

「摂取しすぎです。ママが困っています」

シエルはため息をつき、階段を優雅に下りてきた。 その歩き方、立ち居振る舞いは、五歳児とは思えないほど洗練されている。 まさに「小さな公爵様」だ。

「それに、今日の会議は国境警備に関する重要なものです。筆頭公爵が遅刻すれば、国の威信に関わります」

「……お前、本当に五歳か? 中におっさんが入っているんじゃないか?」

アレクシス様が渋い顔をする。 無理もない。 シエルは、一歳で魔法を発現させて以来、驚異的なスピードで成長を続けていた。 三歳で文字を読み書きし、四歳で初等魔法理論をマスターし、今ではアレクシス様の公務の内容まで理解しているという、正真正銘の神童なのだ。

「パパこそ、中身が三歳児に入れ替わったのですか? ……ほら、早く行ってください」

シエルがパチンと指を鳴らした。

ヒュオオオ……。

アレクシス様の足元から小さな氷の道ができ、玄関の扉へと強制的に誘導する。

「なっ、シエル! 私に魔法を使うとは生意気な!」

「パパ譲りの才能です。感謝してください」

シエルは涼しい顔で言った。 アレクシス様は「くっ、可愛くない! リリアナに似ればよかったのに!」と捨て台詞を吐きながら、しぶしぶ馬車へと乗り込んでいった。

「……はぁ」

馬車が見えなくなると、シエルは大人びたため息をついた。 そして、くるりと私の方を向き、にっこりと微笑んだ。 その笑顔は、先ほどの冷徹さが嘘のように、天使そのものだった。

「ママ、大丈夫? パパにしつこくされて疲れなかった?」

「ふふ、ありがとうシエル。助かったわ」

私がしゃがんで腕を広げると、シエルはトテトテと駆け寄り、私の胸に飛び込んできた。

「ママ、大好き」

「私もよ、シエル」

ギュッと抱きしめる。 甘いミルクの香りと、日向の匂い。 天才で大人びていても、やっぱりまだ五歳の子供だ。 このギャップがたまらなく可愛い。

「今日は僕がママを守ってあげるからね。パパがいなくても寂しくないよ」

「頼もしいわね。じゃあ、今日は一緒にお茶にしましょうか」

「うん! 僕、ママの作ったクッキーが食べたい!」

私たちは手を繋いで、サンルームへと向かった。

          ***

サンルームでのティータイム。 シエルは、私の焼いたクッキーを頬張りながら、最近読んだという『古代魔法史』の本について熱心に語ってくれた。

「……だからね、古代の氷魔法は、攻撃よりも防御に使われていたんだって。パパみたいに『凍らせて砕く』なんて野蛮な使い方は、本来の使い方じゃないと思うんだ」

「まあ、手厳しいわね」

「だってパパの魔法は大雑把だもん。僕はもっと繊細で、美しい魔法を使いたいな。……ママのために花を咲かせるような氷魔法とか」

「素敵ね。楽しみにしているわ」

私が紅茶を飲もうとした、その時だった。

フワッ。

視界が揺らいだ。 手元のカップが遠ざかるような感覚。

「……っ」

「ママ?」

シエルの声が遠くに聞こえる。 軽いめまいだ。 最近、少し疲れが溜まっているのかもしれない。

「ごめんね、少し……目が回って……」

私がテーブルに手をつくと、シエルが血相を変えて立ち上がった。

「ママ! どうしたの!? 顔色が白いよ!」

「大丈……夫……」

言いかけた時、強烈な眠気とめまいが同時に襲ってきた。 体が重力に引かれるように、ゆっくりと傾いていく。

「ママ!!」

シエルの悲鳴。 そして、私の体が床に倒れる直前、ふわりと冷たい空気が私を包み込んだ。

ガシャーン!

何かが割れる音。 でも、痛みはなかった。 私が目を開けると、そこには信じられない光景があった。

私の体の周囲に、氷でできたクッション――無数の氷の羽毛が敷き詰められ、私を空中で受け止めていたのだ。 さらに、倒れそうになった椅子やテーブルも、瞬時に凍結して固定されていた。

「……シエル?」

見上げると、シエルが小さな手をかざし、必死の形相で魔力を放出していた。 その額には玉のような汗が浮かんでいる。

「セバスチャン!! 誰か来て!! ママが倒れた!!」

彼の叫び声に応じて、屋敷中から使用人たちが駆けつけてきた。

「奥様!?」 「若様、これは……!」

「動かさないで! 今、僕が氷で安定させているから! 早く医者を呼んで! パパにも連絡して!」

五歳とは思えない的確な指示。 セバスチャンが「はっ!」と敬礼し、即座に行動を開始した。

私は薄れゆく意識の中で、シエルの小さな手が私の手を握りしめているのを感じた。

「ママ……死なないで……僕が守るから……」

その手が震えていることに気づき、私は安心させようと微笑んだ。 大丈夫よ、シエル。 ただの貧血……だと思うから。

          ***

一時間後。 公爵邸の寝室は、五年前のあの日――私の妊娠が発覚した日と同じような騒ぎになっていた。 いや、今回はさらに騒々しい。 なぜなら、ここには「小さな氷の公爵」も加わっているからだ。

「パパ、遅い!!」

転移魔法で帰宅したアレクシス様に向かって、シエルが怒鳴った。

「ママが倒れてから三十分も経っているよ! 何やってたの!?」

「す、すまん! 会議中だったんだ! 知らせを聞いて、城の壁をぶち抜いて飛んできたんだぞ!」

アレクシス様は肩で息をしながら、ベッドに駆け寄った。

「リリアナ!! 無事か!! また誰かに毒を盛られたのか!?」

「……落ち着いてください、二人とも」

私はベッドの上から苦笑した。 枕元には、五年前と同じ主治医の先生が、ニコニコとした顔で立っている。

「公爵閣下。……まずは深呼吸を」

「呼吸などしている場合か! 妻が倒れたんだぞ! 原因はなんだ! 過労か? ストレスか? それとも……」

「アレクシス様」

私は彼の手を取り、そっと自分のお腹に当てた。

「……え?」

アレクシス様が動きを止める。 その横で、シエルもキョトンとして私のお腹を見つめた。

「……あのね、アレクシス様。シエル」

私は二人の顔を交互に見て、幸せを噛み締めながら告げた。

「新しい家族が……来てくれたみたいです」

シン……。

部屋の時が止まった。

「……か、ぞく?」

アレクシス様が、壊れたレコードのように繰り返す。

「はい。妊娠三ヶ月だそうです」

「……」

「……」

アレクシス様とシエルは、顔を見合わせた。 そして、同時に私のお腹を見た。

「……赤ちゃん?」

シエルが、恐る恐る尋ねた。

「そうよ。シエル、お兄ちゃんになるのよ」

「……お兄ちゃん……」

シエルの瞳が、キラキラと輝き始めた。 そして、次の瞬間。

「やったああああああああ!!」

シエルがバンザイをして飛び跳ねた。

「僕、お兄ちゃんだ! 弟かな!? 妹かな!? どっちでもいいや、絶対に可愛いよ! ママ似なら最高だし、パパ似でも僕が鍛えてあげる!」

「こらシエル、ベッドの上で跳ねるな。……ママに響く」

アレクシス様がシエルを抱き止めたが、彼自身の顔も崩壊していた。 目尻が下がりきって、だらしない笑顔になっている。

「……リリアナ」

彼は再び私の前に跪き、お腹に顔を寄せた。

「……ありがとう。また……こんな奇跡をくれるなんて」

「ふふ、今回はつわりも軽いですし、きっと親孝行な子ですよ」

「ああ。……シエルもいい子だが、この子もきっといい子だ」

アレクシス様は、感極まって泣きそうになっていた。 五年前と同じだ。 この人は、どれだけ時が経っても、家族のことになると涙もろい。

「パパ、泣かないでよ。男でしょう?」

シエルが背中を叩く。

「うるさい。これは心の汗だ。……それにしても、シエル」

アレクシス様は涙を拭い、シエルに向き直った。

「お前、ママが倒れた時、魔法で助けたそうだな」

「うん。……とっさに体が動いたんだ。ママを怪我させちゃいけないと思って」

「……よくやった」

アレクシス様は、シエルの頭をガシガシと撫でた。

「見事なコントロールだったとセバスチャンから聞いたぞ。……パパより上手かもしれん」

「えへへ……」

シエルは照れくさそうに笑った。 普段は大人びていても、パパに褒められるのは嬉しいのだ。

「よし、今日はお祝いだ! 屋敷中の飾り付けを……いや、国中に知らせよう! 花火を上げろ! 宴の準備だ!」

「待ってくださいアレクシス様。まだ安定期前ですから、大騒ぎは……」

「なら、内輪だけで祝おう。……今日は私が腕を振るう」

「えっ、料理を?」

「ああ。リリアナが食べやすい、特製滋養スープを作ってやる」

アレクシス様はやる気満々で袖をまくり上げた。 実は彼、シエルの離乳食作りをきっかけに料理に目覚め、今ではシェフ顔負けの腕前を持っていたりする。 「氷の公爵」の意外な特技だ。

その夜、公爵邸は温かな喜びに包まれた。 シエルはずっと私のお腹に張り付いて、「早く出ておいでー」「お兄ちゃんだよー」と話しかけていたし、アレクシス様はそれを見ながら、また泣いていた。

          ***

それからの数ヶ月は、まさに「姫」のような生活だった。 いや、前回以上の「女王」待遇かもしれない。

シエルがいるおかげで、アレクシス様の過保護が分散されるかと思いきや、二倍になっただけだった。

「ママ、動かないで! その本、僕が取ってあげる!」 「ママ、足元が冷えるよ。氷魔法で床暖房にするね!」

シエルの魔法活用術がすごい。 彼は五歳にして、氷魔法を生活に役立てる術をマスターしていた。 夏は涼風を送り、冬は適度な湿度を保つ。 アレクシス様の「破壊的」な魔法とは違い、シエルの魔法は繊細で優しい。

「……将来は、魔法工学の研究者になれるかもね」

私が言うと、アレクシス様は不満げに言った。

「いや、シエルは次期公爵だ。政治を学ばねばならん」

「僕はどっちもやるよ。パパみたいに、脳筋にはなりたくないし」

「誰が脳筋だ」

そんな軽口を叩き合えるのも、家族の絆があればこそだ。

そして、季節は冬へと移り変わった。 出産予定日は、雪の降る季節。

ある雪の日の午後。 私はサンルームで、編み物をしていた。 生まれてくる赤ちゃんのための、小さな帽子と靴下。

「……ふぅ」

お腹が随分大きくなった。 シエルの時よりも重い気がする。

「ママ、大丈夫?」

シエルが心配そうに覗き込んでくる。 彼は最近、私のそばを片時も離れない。 幼稚園(貴族の子弟が通うスクール)へ行く時間以外は、ずっと私のボディガードをしている。

「ええ、大丈夫よ。……シエル、楽しみね」

「うん。……でも、少し心配」

「心配?」

「ママ、シエルの時、痛かった?」

彼は真剣な目で聞いてきた。 どうやら、出産が命がけだということを、本で読んだらしい。

「そうね……痛かったわ。でもね、シエルの顔を見たら、全部吹き飛んじゃった」

「……ふーん」

「だから大丈夫。パパも、シエルもついていてくれるもの」

「うん。僕がついてる。……もし赤ちゃんがママをいじめたら、僕が怒ってやるんだ」

「ふふ、いじめないであげてね」

その時。 ズシン、とお腹に重い衝撃が来た。

「……あ」

「ママ!?」

「破水……したみたい」

「!!」

シエルは一瞬固まったが、すぐにキリッとした顔になった。 パニックにならず、冷静だ。

「セバスチャン! 準備をして! ママ、動かないで。僕が運ぶから」

「えっ、シエル、無理よ。重いもの」

「魔法を使えば平気だよ」

シエルは両手をかざした。 すると、私の座っていたソファごと、ふわりと浮き上がったのだ。 氷の台座が形成され、私を乗せたまま滑るように移動を始める。

「すごい……」

「パパを呼んでくる! ママはそのまま寝室へ!」

シエルは私を寝室に送り届けると、転移の魔道具(アレクシス様から奪ったらしい)を使って消えた。

数分後。 アレクシス様が、シエルを抱えて転移してきた。

「リリアナ!!」

「早すぎます……」

「シエルがいきなり執務室に現れて、『パパ、出番だ!』と胸ぐらを掴まれたんだ!」

アレクシス様は苦笑しながらも、すぐに私の手を取った。

「……始まるんだな」

「はい」

「よし。……今回は、私たち二人で支えるぞ」

アレクシス様が右手を、シエルが左手を握ってくれた。 大きくてゴツゴツした手と、小さくて柔らかい手。 二つの温もりが、私に勇気をくれる。

分娩は、シエルの時よりもスムーズだった。 アレクシス様の鎮痛魔法に加え、シエルが「ママ、がんばれ」と冷やしたタオルで汗を拭いてくれたり、水を飲ませてくれたりしたおかげだ。

そして、数時間後。

「オギャァァァァァッ!!」

元気な産声と共に、新しい家族が誕生した。

「……女の子です!」

助産師さんが抱き上げたのは、透き通るような白い肌の女の子。 髪は私と同じ栗色で、瞳の色は……まだ分からないけれど、きっと綺麗な色になるだろう。

「……女の子……」

アレクシス様は、震える手で赤ちゃんを受け取った。

「……リリアナに似ている」

彼はポロポロと涙を流した。

「栗色の髪だ。……私に似なくてよかった……」

「何を言っているんですか。パパに似ても美人になりますよ」

私は笑って言った。

「……妹だ」

シエルが、ベッドの端から背伸びをして覗き込んだ。

「わあ……ちっちゃい。柔らかい……」

シエルは、恐る恐る赤ちゃんの頬をつついた。

「初めまして。お兄ちゃんだよ」

すると、赤ちゃんがキャッキャと手足を動かし、シエルの指をぎゅっと握った。

「……!」

シエルが顔を真っ赤にして、目を見開いた。

「握った! 僕の指、握ったよママ!」

「シエルのことが好きなのね」

「……可愛い。世界一可愛い」

シエルは、とろけるような笑顔を見せた。 これは……将来、極度のシスコンになる予感がする。

「名前は決めてあるのか?」

アレクシス様が聞いた。

「はい。……『フローラ』はどうですか?」

「フローラ……花の女神か」

「ええ。シエルが空なら、この子には大地に咲く花のように、愛らしく育ってほしくて」

「いい名前だ」

アレクシス様は満足げに頷いた。

「フローラ・フォン・オルブライト。……私の愛しい姫君だ」

こうして、オルブライト公爵家に、新しい姫君が加わった。

          ***

それから数年後。 エピローグ。

公爵邸の庭園には、美しい薔薇が咲き誇っていた。 そこには、幸せな家族の姿があった。

「待てー! フローラ、そっちは池があるぞ!」

十歳になったシエルが、四歳のフローラを追いかけている。 シエルはすっかり美少年に成長し、社交界では「次期氷の公爵」として令嬢たちの憧れの的だ。 しかし、本人は妹のフローラに夢中で、他の女性には目もくれない。

「キャハハ! お兄様、遅いですわ!」

フローラは、栗色の髪をなびかせて走り回る。 彼女は、私に似て植物魔法の才能があった。 走った後に小さな花がポンポンと咲くので、足跡を辿ればすぐに見つかるのだが。

「……元気だな、あいつらは」

テラスで紅茶を飲みながら、アレクシス様が目を細めた。 彼は三十代半ばになったが、その美貌は衰えるどころか、渋みと色気が増して、ますます「魔性の公爵」となっていた。 ただ、私に向ける視線だけは、出会った頃よりもずっと甘く、溶けている。

「ええ。……平和ですね」

「ああ」

彼は私の手を握り、指に嵌められた指輪に口付けた。 あの結婚記念日にくれた、蔦とサファイアの指輪だ。

「……リリアナ」

「はい」

「愛している」

「はい。私もです」

私たちは微笑み合い、そして庭で遊ぶ子供たちを見守った。

契約から始まった結婚。 「愛することはない」と言われた絶望的なスタート。 継母のいじめ、王女の妨害、離縁の危機。 たくさんの嵐を乗り越えて、私たちは今、ここにいる。

契約書なんて、もうどこにもない。 あるのは、目に見えないけれど、決して切れることのない「愛」という名の絆だけ。

「パパ! ママ! 見て! フローラが四つ葉のクローバー見つけたよ!」

シエルが手を振っている。 フローラが小さな手でクローバーを掲げている。

「行こう、リリアナ」

「はい、アレクシス様」

私たちは立ち上がり、子供たちの元へと歩き出した。 これからも、どんな嵐が来ようとも、この手だけは離さない。 永遠に続く、私たちの幸せな物語。

(完)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】この運命を受け入れましょうか

なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」  自らの夫であるルーク陛下の言葉。  それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。   「承知しました。受け入れましょう」  ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。  彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。  みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。  だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。  そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。  あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。  これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。  前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。  ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。     ◇◇◇◇◇  設定は甘め。  不安のない、さっくり読める物語を目指してます。  良ければ読んでくだされば、嬉しいです。

頑張らない政略結婚

ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」 結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。 好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。 ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ! 五話完結、毎日更新

婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい

神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。  嘘でしょう。  その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。  そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。 「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」  もう誰かが護ってくれるなんて思わない。  ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。  だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。 「ぜひ辺境へ来て欲しい」  ※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m  総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ  ありがとうございます<(_ _)>

これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?

桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」 卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。 生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。 (……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)

白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。  無言で睨む夫だが、心の中は──。 【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】 4万文字ぐらいの中編になります。 ※小説なろう、エブリスタに記載してます

悪役令嬢はあなたのために

くきの助
恋愛
「キャロライン=ガンボール=ハーフナー伯爵令嬢!お前は次期侯爵夫人に相応しくない!」 夏の長期休暇前の学園パーティーでそう宣言したのは私の婚約者アラン=マルルロード=モリス侯爵令息だ。 ざわついていた会場が嘘のように静まり返る。 「お前との婚約を破棄する!」 スラリとした長身。 少しクセのある美しい黒髪。 前髪は流れる様に左右に分かれ、間からは額と黒にも見える濃い群青の瞳がのぞいている。 そしてスッと通った鼻筋。涼しげな薄い唇が私に婚約破棄を言い渡した。 いつも何処かでわかってた。 これは全部夢でいつか醒めるのだと。 とうとうその時が来たのだと、心から納得している自分がいる。 私みたいな田舎貴族がこんな素敵な人と婚約など。 アラン様の隣には艶やかなライトブラウンの髪の美しい令嬢が寄り添っている。 私のくすんだブルネットの髪とは大違い。 彼の想い人は彼女だと知っていた。 ほら、二人並べばこんなにもお似合い。 先日ハッキリと言われたばかりではないか。 想い人がいるがそれはお前ではない、と。 諦めよう 私がいくら頑張っても、きっと真実の愛にはかなわない。 夢はもう醒めたのだ。 自分に見合った場所で生きていこう。 私に王都は眩しすぎる。 「仰せの通りに。」 丁寧にカーテシーをして、私は会場を後にする。 こうして私の身の程知らずの恋は終わりを告げたのだった。

婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?

すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。 人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。 これでは領民が冬を越せない!! 善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。 『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』 と……。 そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。

あなたのことなんて、もうどうでもいいです

もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。 元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

処理中です...