悪役令嬢はあなたのために
「キャロライン=ガンボール=ハーフナー伯爵令嬢!お前は次期侯爵夫人に相応しくない!」
夏の長期休暇前の学園パーティーでそう宣言したのは私の婚約者アラン=マルルロード=モリス侯爵令息だ。
ざわついていた会場が嘘のように静まり返る。
「お前との婚約を破棄する!」
スラリとした長身。
少しクセのある美しい黒髪。
前髪は流れる様に左右に分かれ、間からは額と黒にも見える濃い群青の瞳がのぞいている。
そしてスッと通った鼻筋。涼しげな薄い唇が私に婚約破棄を言い渡した。
いつも何処かでわかってた。
これは全部夢でいつか醒めるのだと。
とうとうその時が来たのだと、心から納得している自分がいる。
私みたいな田舎貴族がこんな素敵な人と婚約など。
アラン様の隣には艶やかなライトブラウンの髪の美しい令嬢が寄り添っている。
私のくすんだブルネットの髪とは大違い。
彼の想い人は彼女だと知っていた。
ほら、二人並べばこんなにもお似合い。
先日ハッキリと言われたばかりではないか。
想い人がいるがそれはお前ではない、と。
諦めよう
私がいくら頑張っても、きっと真実の愛にはかなわない。
夢はもう醒めたのだ。
自分に見合った場所で生きていこう。
私に王都は眩しすぎる。
「仰せの通りに。」
丁寧にカーテシーをして、私は会場を後にする。
こうして私の身の程知らずの恋は終わりを告げたのだった。
夏の長期休暇前の学園パーティーでそう宣言したのは私の婚約者アラン=マルルロード=モリス侯爵令息だ。
ざわついていた会場が嘘のように静まり返る。
「お前との婚約を破棄する!」
スラリとした長身。
少しクセのある美しい黒髪。
前髪は流れる様に左右に分かれ、間からは額と黒にも見える濃い群青の瞳がのぞいている。
そしてスッと通った鼻筋。涼しげな薄い唇が私に婚約破棄を言い渡した。
いつも何処かでわかってた。
これは全部夢でいつか醒めるのだと。
とうとうその時が来たのだと、心から納得している自分がいる。
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