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第一章
男爵
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舞踏会に出ていた男爵は、ダンスフロアで周囲の視線を全て奪った彼女を見て、鳥肌が立った。ターンのたびに舞い上がる黒髪。軽やかなステップで重さを全く感じない、すらりとした肢体。彼女の全てに目を奪われた。
ーー彼女が欲しい。
その思いだけを胸に、男爵は城を抜け出した。そして、家に帰るなり、あの一室に駆け込み、閉じこもった。
その目にはすでに理性など見えない。求めるままに、引き出しの中身をばらまいた。床に散ったのは幾つもの灰色の球。
あの男は、この球に魔力と意思を込めれば、なんでも願いを叶えてくれると言った。現に、今まで欲しいと思った女は全て手に入った。しかし、今回はそれよりも確実に。絶対に逃してはならない。あの美しい女は、自分の手元にどうしても欲しい。
だからこそ、男爵は、ありったけの球を転がして、そのすべてに命じる。
「私の求める者を――!」
ぐわり、と部屋の空気が歪む。
同時に、部屋に散らばった無数のガラス玉が割れる。そして、そこから黒い、獣のような何かが飛び出した。
それは、男爵を一瞥し、外へと出ていく。
無数の黒い獣が、街中に散った。それを見た男爵は、不気味に笑う。
しかし、次の瞬間、体をくの字に折り、膝を突いた。
「ぐっ……、が、はっ……」
赤黒いものが、床に散った。
「あーあ。だから言ったのに」
床に伏し、苦しむ男爵を見て、フェネックは言った。
「クリプスト男爵。あなたがいけないんだよ」
どす黒い血の湖が広がる。床でもがく男爵には答える事はできない。
「あの子は、あなたの手には負えないって言ったの忘れたの?」
見下ろすフェネックの視線は冷たい。
「……苦しい? だけど、すぐに楽になるよ」
フェネックはうすく笑って言う。
「ほら、きたよ」
フェネックの言葉に反応するように、人間のものとは違う、奇声のような悲鳴のような音が聞こえる。そして、黒い獣のようなものが一匹、部屋に入って来た。また、悲鳴のような音が響き、そして、突然、部屋が明るく、熱くなった。部屋にあった書類の一部が燃え上がった。同時に黒い獣のようなものが消える。
そのときには、フェネックの姿は消え、床に伏す男爵だけが残されていた。
勢いを増した炎が男爵を取り囲んだ。
------
ラウルたちが駆け付けた時には、屋敷中に火が回っていた。
「――ルシス!」
ラウルはついて来たルシスに命じた。
「わかってる!」
ルシスはそう返すと、すぐに詠唱にはいる。ルシスがしようとしているのは精霊召喚だ。五大魔導家のみがもつ、五大精霊の召喚術。普通の魔術は契約した精霊の力を借りて事象を起こすだけ。しかし、精霊自身を召喚すれば、さらに大きな力が使える。ただし、それができるのは、聖五家でも一部の司教だけであり、ルシスにはそれが可能だった。
しかも、ルシスの家門、アルア家は水の精霊をもつ。つまり、ルシスは水の精霊を召喚して、一気に火を消すことができるのである。
しかし、ルシスはすぐに気付いて、叫んだ。
「ラウル、駄目だ! これは水じゃ消せない」
「何!?」
ついで、立ち上る炎を見つめていたギアツも気付く。
「ラウル、これは、妖魔の放った火です。ルシスでは、……私たちでは無理です」
妖魔の炎は、自然の火とは違うらしい。その炎自体が妖魔に似た魔力を持ち、精霊の力では打ち消さないのだという。詳しくは、ラウルにはわからなかったが、ギアツが言うからには精霊の力では炎は消せないのだろう。
「それじゃ、どうしたら……!」
しかも、炎の勢いが強すぎて、入るにも入れない。中から人が出てこないという事は、まだ中にいるという事だ。しかし、妖魔の力は、ヒトには打ち消せない。
ラウルが悩んだのも一瞬だった。火を消すことが出来なくても、中の人を助けることはできる。そう判断して、ルシスに目を向けた。
「ルシス、消さなくてもいい。炎を抑えることはできるか?」
「……たぶん」
「ルシス、精霊で出来る限り炎を押さえろ。ヴィット、アイアス! ルシスが炎を押さえている間に、俺達で中の人を連れ出す。ギアはルシスの援護を」
「わかった!」
ルシスは答えて、再び詠唱に入った。それを見たラウルはアイアスとヴィスコンティを連れて屋敷の入口に向かう。
ラウル達が入口にたどり着いた瞬間、ルシスの精霊召喚が完成する。水の精霊が屋敷を包み、完全に消せないながらも火の勢いを幾分か押さえた。そして、ラウル、アイアス、ヴィスコンティが中に屋敷に飛び込んだ。
炎は男爵の屋敷を焼き尽くして、やっと鎮火した。
突入したラウルたちは、奥の部屋に監禁されていた女性たちや、家の使用人たちを助けだした。確認をすると、犠牲者は男爵だけだという事が分かった。男爵だけは、いくら探しても見つからなかった。探せなかったのは、出火元と見られる火の勢いが一番強かった部屋だ。そこで1人分の遺体が見つかった。
他の者たちは、多少の火傷はあったものの皆無事だった。今、アイアスとヴィスコンティがその者たちを、近くの教会まで送っている。そこで、詳しく話を聞くつもりだった。
ラウル、ギアツ、ルシスは現場に残り、検分をしようと、アイアスたちが呼んで来るはずの役人を待っていた。そんな状況だったが、ラウルは何か嫌なものを感じていた。何となく、まだ終わっていない気がしたのだ。
「ギア、これは本当に、妖魔の仕業なんだな?」
ラウルの問いに、ギアツはうなずく。
「はい。原因はまだわかりませんが、間違いなく、妖魔の火です。でも、なぜここで……」
ラウルはギアツの問いには答えず、無造作に歩き出す。
「ラウル、どこに?」
「導師様のところへ行ってみる。何か関係があるのかもしれない」
ラウルが、そう言った時、部下の兵士が近付いて来るのが見えた。
まだ何があるか分からないので、現場には近付かないように言っておいたはずなのに、だ。ラウルは眉を顰めた。
「何ごとだ?ここには近付くなと言ったはずだ」
「すみません。ただ、ラウル様に来客が……」
「来客?」
兵士について焼け落ちた屋敷を出ると、屋敷を出たすぐのところに確かに知っている者がいた。それがあまりに意外な人物だったため、ラウルは目を見張り、足を止めた。その者は、ラウルを認めると必死の形相でこちらに駆け寄って来た。側にいた兵士が持ち場に戻っていくのを見届けると、焦るように切り出した。
「ラウル、お願いだ。助けてくれ!」
「クラスト? どうしたんだ?」
思わぬ言葉に、ラウルは困惑した。しかし、クラストは構わない。
「デティが、消えたんだ」
深刻そうに話したクラストに、ラウルは首をかしげる。
「……帰ったんじゃないのか?」
クラストの過保護っぷりは周知の事実だ。デティが愛想をつかせて、呆れて先に帰ってしまうことも十分考えられる。それでなくても、舞踏会はそろそろお開きの時間のはずだ。しかし、クラストは首を振った。
「違うんだよ! 控えの間から、気配が突然消えてしまったんだ!」
「何を言って……」
クラスト必死さに首をかしげるラウルだったが、その時、突然、何か獣ような叫び声が街中に響き渡った。そして、次の瞬間には、水が湧くように、たくさんの黒い獣のようなものが現れた。
それは、普段デティがかっていた妖魔、そのものだった。
「何!?」
「妖魔が何故……!」
混乱しながらもラウルは即座に剣を構える。
敷地内にいたギアツとルシスも離れているのは危険と判断して、ラウルの側に寄ってくる。その二人もクラストの姿に一瞬驚いたようだが、問うている暇は無い。
周りに突然現れた妖魔をけん制するように構えた三人の後ろで、クラストは顔色を失った。
「……まずい。デティが」
その呟きを聞き、ラウルは思わず答えた。
「デティは大丈夫だ。まずいのは俺たちの方だ」
デティには、妖魔を払う力がある。そのための聖霊もいる。クラストに直接言えないが、ラウルはそう言外に含んでいた。一方で聖霊がいない自分たちは妖魔に対する術がない。しかし、クラストは首を振る。
「違う……」
「何が!」
「……デティは、今、聖霊をもってない。聖霊は、遣いに出ているから」
「なっ……!?」
三人は言葉を失った。クラストがなぜそれを知っているかも問題だったが、それよりも、デティに聖霊が付いていないとしたら……。
「くそっ!」
ラウルは剣を振る。デティを助けたいのもそうだが、自分達も妖魔に囲まれているのだ。
なす術がない。そう思った時だった。
突然、風が起こったかと思うと、一番前にいた妖魔に当たり、その妖魔を砕いた。
何が起こったのかわからずにいたラウルたちに、突然、“声”が聞こえた。
《私をお使いください》
「あなたは……」
ラウルの呟きに、それは答えた。
《私は、聖霊グロリアス。デティの聖霊でございます。導師様の命で参りました。》
ーー彼女が欲しい。
その思いだけを胸に、男爵は城を抜け出した。そして、家に帰るなり、あの一室に駆け込み、閉じこもった。
その目にはすでに理性など見えない。求めるままに、引き出しの中身をばらまいた。床に散ったのは幾つもの灰色の球。
あの男は、この球に魔力と意思を込めれば、なんでも願いを叶えてくれると言った。現に、今まで欲しいと思った女は全て手に入った。しかし、今回はそれよりも確実に。絶対に逃してはならない。あの美しい女は、自分の手元にどうしても欲しい。
だからこそ、男爵は、ありったけの球を転がして、そのすべてに命じる。
「私の求める者を――!」
ぐわり、と部屋の空気が歪む。
同時に、部屋に散らばった無数のガラス玉が割れる。そして、そこから黒い、獣のような何かが飛び出した。
それは、男爵を一瞥し、外へと出ていく。
無数の黒い獣が、街中に散った。それを見た男爵は、不気味に笑う。
しかし、次の瞬間、体をくの字に折り、膝を突いた。
「ぐっ……、が、はっ……」
赤黒いものが、床に散った。
「あーあ。だから言ったのに」
床に伏し、苦しむ男爵を見て、フェネックは言った。
「クリプスト男爵。あなたがいけないんだよ」
どす黒い血の湖が広がる。床でもがく男爵には答える事はできない。
「あの子は、あなたの手には負えないって言ったの忘れたの?」
見下ろすフェネックの視線は冷たい。
「……苦しい? だけど、すぐに楽になるよ」
フェネックはうすく笑って言う。
「ほら、きたよ」
フェネックの言葉に反応するように、人間のものとは違う、奇声のような悲鳴のような音が聞こえる。そして、黒い獣のようなものが一匹、部屋に入って来た。また、悲鳴のような音が響き、そして、突然、部屋が明るく、熱くなった。部屋にあった書類の一部が燃え上がった。同時に黒い獣のようなものが消える。
そのときには、フェネックの姿は消え、床に伏す男爵だけが残されていた。
勢いを増した炎が男爵を取り囲んだ。
------
ラウルたちが駆け付けた時には、屋敷中に火が回っていた。
「――ルシス!」
ラウルはついて来たルシスに命じた。
「わかってる!」
ルシスはそう返すと、すぐに詠唱にはいる。ルシスがしようとしているのは精霊召喚だ。五大魔導家のみがもつ、五大精霊の召喚術。普通の魔術は契約した精霊の力を借りて事象を起こすだけ。しかし、精霊自身を召喚すれば、さらに大きな力が使える。ただし、それができるのは、聖五家でも一部の司教だけであり、ルシスにはそれが可能だった。
しかも、ルシスの家門、アルア家は水の精霊をもつ。つまり、ルシスは水の精霊を召喚して、一気に火を消すことができるのである。
しかし、ルシスはすぐに気付いて、叫んだ。
「ラウル、駄目だ! これは水じゃ消せない」
「何!?」
ついで、立ち上る炎を見つめていたギアツも気付く。
「ラウル、これは、妖魔の放った火です。ルシスでは、……私たちでは無理です」
妖魔の炎は、自然の火とは違うらしい。その炎自体が妖魔に似た魔力を持ち、精霊の力では打ち消さないのだという。詳しくは、ラウルにはわからなかったが、ギアツが言うからには精霊の力では炎は消せないのだろう。
「それじゃ、どうしたら……!」
しかも、炎の勢いが強すぎて、入るにも入れない。中から人が出てこないという事は、まだ中にいるという事だ。しかし、妖魔の力は、ヒトには打ち消せない。
ラウルが悩んだのも一瞬だった。火を消すことが出来なくても、中の人を助けることはできる。そう判断して、ルシスに目を向けた。
「ルシス、消さなくてもいい。炎を抑えることはできるか?」
「……たぶん」
「ルシス、精霊で出来る限り炎を押さえろ。ヴィット、アイアス! ルシスが炎を押さえている間に、俺達で中の人を連れ出す。ギアはルシスの援護を」
「わかった!」
ルシスは答えて、再び詠唱に入った。それを見たラウルはアイアスとヴィスコンティを連れて屋敷の入口に向かう。
ラウル達が入口にたどり着いた瞬間、ルシスの精霊召喚が完成する。水の精霊が屋敷を包み、完全に消せないながらも火の勢いを幾分か押さえた。そして、ラウル、アイアス、ヴィスコンティが中に屋敷に飛び込んだ。
炎は男爵の屋敷を焼き尽くして、やっと鎮火した。
突入したラウルたちは、奥の部屋に監禁されていた女性たちや、家の使用人たちを助けだした。確認をすると、犠牲者は男爵だけだという事が分かった。男爵だけは、いくら探しても見つからなかった。探せなかったのは、出火元と見られる火の勢いが一番強かった部屋だ。そこで1人分の遺体が見つかった。
他の者たちは、多少の火傷はあったものの皆無事だった。今、アイアスとヴィスコンティがその者たちを、近くの教会まで送っている。そこで、詳しく話を聞くつもりだった。
ラウル、ギアツ、ルシスは現場に残り、検分をしようと、アイアスたちが呼んで来るはずの役人を待っていた。そんな状況だったが、ラウルは何か嫌なものを感じていた。何となく、まだ終わっていない気がしたのだ。
「ギア、これは本当に、妖魔の仕業なんだな?」
ラウルの問いに、ギアツはうなずく。
「はい。原因はまだわかりませんが、間違いなく、妖魔の火です。でも、なぜここで……」
ラウルはギアツの問いには答えず、無造作に歩き出す。
「ラウル、どこに?」
「導師様のところへ行ってみる。何か関係があるのかもしれない」
ラウルが、そう言った時、部下の兵士が近付いて来るのが見えた。
まだ何があるか分からないので、現場には近付かないように言っておいたはずなのに、だ。ラウルは眉を顰めた。
「何ごとだ?ここには近付くなと言ったはずだ」
「すみません。ただ、ラウル様に来客が……」
「来客?」
兵士について焼け落ちた屋敷を出ると、屋敷を出たすぐのところに確かに知っている者がいた。それがあまりに意外な人物だったため、ラウルは目を見張り、足を止めた。その者は、ラウルを認めると必死の形相でこちらに駆け寄って来た。側にいた兵士が持ち場に戻っていくのを見届けると、焦るように切り出した。
「ラウル、お願いだ。助けてくれ!」
「クラスト? どうしたんだ?」
思わぬ言葉に、ラウルは困惑した。しかし、クラストは構わない。
「デティが、消えたんだ」
深刻そうに話したクラストに、ラウルは首をかしげる。
「……帰ったんじゃないのか?」
クラストの過保護っぷりは周知の事実だ。デティが愛想をつかせて、呆れて先に帰ってしまうことも十分考えられる。それでなくても、舞踏会はそろそろお開きの時間のはずだ。しかし、クラストは首を振った。
「違うんだよ! 控えの間から、気配が突然消えてしまったんだ!」
「何を言って……」
クラスト必死さに首をかしげるラウルだったが、その時、突然、何か獣ような叫び声が街中に響き渡った。そして、次の瞬間には、水が湧くように、たくさんの黒い獣のようなものが現れた。
それは、普段デティがかっていた妖魔、そのものだった。
「何!?」
「妖魔が何故……!」
混乱しながらもラウルは即座に剣を構える。
敷地内にいたギアツとルシスも離れているのは危険と判断して、ラウルの側に寄ってくる。その二人もクラストの姿に一瞬驚いたようだが、問うている暇は無い。
周りに突然現れた妖魔をけん制するように構えた三人の後ろで、クラストは顔色を失った。
「……まずい。デティが」
その呟きを聞き、ラウルは思わず答えた。
「デティは大丈夫だ。まずいのは俺たちの方だ」
デティには、妖魔を払う力がある。そのための聖霊もいる。クラストに直接言えないが、ラウルはそう言外に含んでいた。一方で聖霊がいない自分たちは妖魔に対する術がない。しかし、クラストは首を振る。
「違う……」
「何が!」
「……デティは、今、聖霊をもってない。聖霊は、遣いに出ているから」
「なっ……!?」
三人は言葉を失った。クラストがなぜそれを知っているかも問題だったが、それよりも、デティに聖霊が付いていないとしたら……。
「くそっ!」
ラウルは剣を振る。デティを助けたいのもそうだが、自分達も妖魔に囲まれているのだ。
なす術がない。そう思った時だった。
突然、風が起こったかと思うと、一番前にいた妖魔に当たり、その妖魔を砕いた。
何が起こったのかわからずにいたラウルたちに、突然、“声”が聞こえた。
《私をお使いください》
「あなたは……」
ラウルの呟きに、それは答えた。
《私は、聖霊グロリアス。デティの聖霊でございます。導師様の命で参りました。》
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