ハンカチーフから始まる恋

月城 雫

文字の大きさ
1 / 10

1話

しおりを挟む
ここはクラブ トラベ-ト。
営業時間は夜の21時~2時の5時間。
あたしはここで働くホステス綾音 本名 永峰 春。
よく言われる夜の蝶です。

あたしはここで本名の春から芸名綾音に変わる。
そして綾音のあたしは今日もお客様をお迎えして精神誠意 接客するのだった。

今日最初のお客様は奏君。
店の近くのホストクラブでNo.1ホストを張っていると聞いた。
ここには癒やしを求めに来てる。とも言っていた。
「奏君いらしゃいませ。今日は早いね。」
いつもならもう少し遅い時間に来るから聞いたら
「今日は遅番で店には0時に行けばいいし綾音さんに会いたくて早めに来たんだぁ。」
「まぁ‼ありがとう。」
あたしは満面の笑みを浮かべて喜んだ。
「綾音さんにそんなに喜んで貰えたなら良かった。」
そう言って笑ってくれる奏君を見てあたしも嬉しくなった。
それからもあたしと奏君はおしゃべりしながら楽しく飲んで300万その場でポンっと置いて「また癒やされに来るね。」そう言って店を後にして行った。
あたしは心の中で(頑張れ‼)と拳を上げエールを送った。

さて次のお客様来るまで休憩室で雑談に混じろうかな。

休憩室に行くと日陽里 凜華 アリス がいた。
「日陽里 凜華 アリスおはよ。」
「綾音 おはよ‼」
「今日も綾音は忙しくなりそうだね。」
と日陽里。
「そんな事ないと思うよ。」
あたしは営業LINEはしない。
でもお礼のLINEは必ずすると言うスタンスでやってきてる。
あたしがお客さんの立場だったら来て来てLINEばかりして来られたら行きたくなくなるから。
だからその日その日で忙しかったり忙しくなかったりする。
「3人こそ忙しくなるんじゃない?今月は抜かれるかもね…」と言うあたしに
「それはない。」と凜華。
「うちも綾音には勝てる気がしない。」
とありす。
「そんな事ないよ。日陽里も凜華もアリスも頑張ってるのあたしは知ってるもん。」
とあたしは負けじと言った。
「そんな事言って綾音 店に新人で入って半年でNo.1になって2年ずっとNo.1じゃん。」
と日陽里が言うのに合わせてうなずく2人…
「それはお客様に恵まれたからであってあたしの実力じゃないよ。」
ってあたしが言うと一声にブーイングの嵐。
困ったあたしは笑うことしか出来なかった。

その時「おはようございます。」とゆりあがニコニコしながら入ってきた。
「おはよう。」
「おはよう。ゆりあちゃん今日も元気だね。」
「おはよう~ゆりあちゃん」
「おはよう~ゆりあちゃん元気あっていい‼」
とあたしも言いながらグッと親指をゆりあちゃんに向けて立てた。

ゆりあちゃんはあたしに向かって笑顔でウインクで返してくれた。

後に続きかほちゃんとりさちゃんも入ってきた。
かほちゃんは何も言わず自分のロッカーに向かっていった。
いつものことだがちょっとピリ付いている。

それを払拭するように明るい声で「おっはようございまーす。」
とりさちゃんが挨拶をみんなにした。
みんな一声に「りさちゃんおはよう‼」
とまたわいわい声を弾ませて話しだした。

その楽しげな声を聞きながらあたしは次のお客さんのための準備を始めた。
次のお客さんは大田潤也さん。
大田潤也さんから今日の夕方頃『今日夜行くからね。』と陽気なLINEが来た。
大田潤也さんは今日で3回目のお客さんで一回目は接待で来ていた。
その時にあたしの事を「気に入った‼」と言ってくれたお客さん。

準備し始めてから30分して「綾音さんお客さんです。」とボーイの亮矢が呼びに来た。
あたしはすかさず「亮矢君 大田さん?」って聞いた。
そしたら「はい。」との返事。
あたしは「分かった。ありがとう。」と笑顔でいい
他のみんなにも「じゃあ行ってきます。」と言ってホールに向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

冷徹公爵の誤解された花嫁

柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。 冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。 一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

愛はリンゴと同じ

turarin
恋愛
学園時代の同級生と結婚し、子供にも恵まれ幸せいっぱいの公爵夫人ナタリー。ところが、ある日夫が平民の少女をつれてきて、別邸に囲うと言う。 夫のナタリーへの愛は減らない。妾の少女メイリンへの愛が、一つ増えるだけだと言う。夫の愛は、まるでリンゴのように幾つもあって、皆に与えられるものなのだそうだ。 ナタリーのことは妻として大切にしてくれる夫。貴族の妻としては当然受け入れるべき。だが、辛くて仕方がない。ナタリーのリンゴは一つだけ。 幾つもあるなど考えられない。

記憶を無くした、悪役令嬢マリーの奇跡の愛

三色団子
恋愛
豪奢な天蓋付きベッドの中だった。薬品の匂いと、微かに薔薇の香りが混ざり合う、慣れない空間。 ​「……ここは?」 ​か細く漏れた声は、まるで他人のもののようだった。喉が渇いてたまらない。 ​顔を上げようとすると、ずきりとした痛みが後頭部を襲い、思わず呻く。その拍子に、自分の指先に視線が落ちた。驚くほどきめ細やかで、手入れの行き届いた指。まるで象牙細工のように完璧だが、酷く見覚えがない。 ​私は一体、誰なのだろう?

処理中です...