地獄の様な人生。

月城 雫

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出産1ヶ月前から入院し、そして出産、大事な龍太との別れ。

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祖母が退院してきてから、最後の妊婦検診で妊娠中毒症と診断されたあたしはその日から、国立の高知病院に入院する事になった。
絶対安静ではなかったが「必要以上に動かないで下さい。」と先生に言われ、あまり動けなかったが、それなりに龍太の事を考えれたり楽しく過ごしたいた。
その間にレントゲンを撮って、先生に「肩が引っかかって出てこないかも知れないので帝王切開でだしましょう。」と言われ、あたしは分からず、「はい。」と答えていた。
そうしている内に1ヶ月が過ぎていって、2000年5月19日に帝王切開で3680gmで龍太は産まれた。
産まれてすぐには、龍太は泣かず、あたしが「龍、泣き~龍太泣け~。」と言っていたら龍太は今起きたかのように泣き始め、あたしも嬉しくなって泣いた居たらお腹を縫合していた先生に「丹羽さん泣かないで下さい。縫えません。」と言われたので泣きそうなのを一生懸命押さえた。

龍太が産まれてから10日間は幸せ絶頂だった。
最初の内は子宮収縮剤を投与されてすぐ龍太に授乳だったので、お腹の下腹部が激痛で、でも龍太の前では笑顔で居たくて3日間は引きつった笑顔で接してたと思う。
普通分娩なら、子宮は自然に元に戻るらしいのだが、帝王切開だと元の大きさに戻るかは分からないため子宮収縮剤を使うと看護師さんから聞いた。

龍太はあまり泣かなかったので、母乳あげる時も飲んでくれるか心配だったが飲んでくれていた。
4日目から一緒に過ごす時間も増えて嬉しかった。
龍太が産まれて10日間いっぱい写真撮った。
10日過ぎたら、会えなくなるわけでは無かったけど、あたしが会いに行かないと会えなくなるのが離れ離れになるのが決まっていた。
それも、児相が独断とあたしへの偏見で施設に預けないと思って自分が嫌になった。
10日間で2回いい事があって1回目は龍太の1番最初の欠伸を見る事が出来てしかも写真に収める事に成功したのが嬉しかった。
2回目はお締めを変えようとしてお締めを外した瞬間にオシッコされた事。
あたしもびちょびちょになったしシーツも濡れたけどあたしは笑ってしまった。
笑い終わったあたしはナースコールを鳴らして、看護師さんを呼び、龍太とシーツと自分がオシッコまみれになったことを伝え、シーツと龍太の着替えを持って来てもらって龍太を赤ちゃん専用のベッドでお締めから服を着替えさせながら「やったなぁ~。」と言いながら龍太をくすぐって初めて褒めた。
赤ちゃんは失敗して学んでいくから。
で、(赤ちゃんは泣くのが仕事。)だからもっと泣いてくれると良かったんだがあまり泣かなかった。

そうしてる内に10日間が過ぎていった。
あたしは退院の日かなりナーバスになっていた。
その日は、高知の美園ベビーホームに龍太を預けるのに行った。
龍太は人見知りが酷かったのだが、赤ちゃんの時はそんな事も無く、美園の先生からも「龍太君は元気にしてますよ。この前も、泣いている子が居たら慰めてくれてました。」と言われて嬉しかったし、その場に居れなかった事が悲しかった。

あたしは龍太を産んでから、少しの間、身を隠すのに龍太に会いに行くのを止めた時期が3ヶ月間あってその間に、龍太はあたしの事を忘れたのか?
次会いに行った時から半年ぐらいあたしが施設に入ろうとした瞬間からすごい声で泣く様になり、心配したあたしは先生に「泣かせない方がいいですか?」と聞くと先生は「泣かせた方がいいです。」と言ってくれたのであたしはその日から毎週施設の方に行くようにしてその間龍太は泣き通しだったがあたしは嬉しかった。
まだ気持ちを声に出せない赤ちゃんの龍太があたしに対して言いたい事を泣いて教えてくれてるのだと考えたから。
その最中、たまたまお締めを変えさせてもらえる機会をもらって変えたのだがその時も龍太は泣いて泣いてあたしのみぞうちを蹴飛ばした事もあったが、そんなに今は嫌なんだなぁと思っただけで上に吊るしてあったアンパンマンを指差し「龍、アンパンマンだよ~見ててもらおうね。」と言って笑っているうちにお締め替えをやり終えた。
龍太は不満だったかは定かではないが、あたしは龍太と一緒なら何でも楽しかった。
あたしの希望は龍太が少し大きくなったら一緒に住みたいと思って居て何回も市営のマンションとかにトライしたんだが一度も叶わなかった。
あたしには、それが今でも心残り。
ヘルニアで歩けなくなったあたしだが、今は県外で頑張っている龍太に誇れる親でありたい。
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