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エピローグのその先で
明日香の手料理
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さて、何を作ろうか。
時刻はすでに22時近い。この時間に食べれるヘルシーなもので尚且つ男子の胃袋を満たせるメニューを明日香は考える。
オムライスは、2人分だとご飯が足りない。お米がないとなると麵にするしかない。1人だけなら冷凍うどんで済ませるところだが、一颯にはおそらく足りないだろう。
後の候補はパスタしかない。
野菜室を開くと、ちょうどよくナスとしめじが入っていた。
明日香は頭の中で一颯の嫌いなものを思い出す。ナスもしめじも嫌いではなかったはずだ。
ナスとしめじとベーコンの醤油パスタにすることに決め、明日香は手早く料理を始めた。
一颯はソファーに腰かけ、キッチンの方を伺う。
トントンと包丁の音が聞こえ、明日香が料理を始めたことがわかる。
何をしていいかわからず、一颯は手持ち無沙汰だった。
他にすることがなさ過ぎて、一颯はスマホをいじる。
適当に漫画アプリを開き、更新された漫画を読み始めるが、中々内容に入っていかない。
それもそのはずだ。
7年前に明日香が引っ越して以来、5年前のランチ以外にも明日香に会える機会は何度もあった。
地元に帰ってきていたことがあったことも知っているし、東京に来る機会も何度もあった。
スマホに連絡先は入っているのだから、会おうと思ったら会えた。
毎回、会えるタイミングの時に、明日香のLINEを開いては文章を打とうとしては、結局何も送らずに閉じた。
それが、いきなり目の前に明日香が現れた。
慌ただしさですっかり飛んでいたし、話してみると昔に戻ったようで普通に会話が続いたが、時間が経ってくると急に気まずくなる。
その上、ここは明日香の家だ。しかもこれからここに泊まる。
ぐるぐると思考を続けているうちに、おいしそうなにおいが漂ってきて一颯の腹の虫がぐぅと鳴いた。
「できたよ~」
明日香の声に呼ばれ、一颯は思考を放棄し、ダイニングテーブルに着く。
「はい、ナスとしめじとベーコンの醤油パスタ。ちゃちゃっと作ったものだから、味薄かったりしたら自分で調節して」
パスタの入った皿と共に醤油と塩コショウの瓶が置かれる。
「いただきます」
初めて食べた明日香の手料理はものすごく美味しく、一颯はあっという間に完食した。
「美味かったぁ~。料理結構するんだな」
あっという間に食べてしまい、まだ食事をしている明日香に一颯は話しかけた。
「んー1人の時はここまでちゃんとしたものは作らないけどね。まぁ一通りは作れるよ」
「へぇー、あきさんとかに作ってるの?」
「それはほとんどない。彼氏に作ることが多かったかな」
サラッと明日香が口にした“彼氏”という単語に一颯は固まる。
「私少食だし、さっぱりしたものが好きだから、食べやすくて尚且つおなか一杯になるレシピずいぶん考えたんだよね。これもその一つ、醤油系であんまりこってりしてないけど、野菜いっぱいでボリュームあるし。彼氏のは麺多めにしとけばいいし。あ、一颯足りた?」
「……ああ、うん。腹いっぱい」
「良かった~」と言いながらもぐもぐと食事を続ける明日香は一颯の様子が変わったことに気づいていなかった。
時刻はすでに22時近い。この時間に食べれるヘルシーなもので尚且つ男子の胃袋を満たせるメニューを明日香は考える。
オムライスは、2人分だとご飯が足りない。お米がないとなると麵にするしかない。1人だけなら冷凍うどんで済ませるところだが、一颯にはおそらく足りないだろう。
後の候補はパスタしかない。
野菜室を開くと、ちょうどよくナスとしめじが入っていた。
明日香は頭の中で一颯の嫌いなものを思い出す。ナスもしめじも嫌いではなかったはずだ。
ナスとしめじとベーコンの醤油パスタにすることに決め、明日香は手早く料理を始めた。
一颯はソファーに腰かけ、キッチンの方を伺う。
トントンと包丁の音が聞こえ、明日香が料理を始めたことがわかる。
何をしていいかわからず、一颯は手持ち無沙汰だった。
他にすることがなさ過ぎて、一颯はスマホをいじる。
適当に漫画アプリを開き、更新された漫画を読み始めるが、中々内容に入っていかない。
それもそのはずだ。
7年前に明日香が引っ越して以来、5年前のランチ以外にも明日香に会える機会は何度もあった。
地元に帰ってきていたことがあったことも知っているし、東京に来る機会も何度もあった。
スマホに連絡先は入っているのだから、会おうと思ったら会えた。
毎回、会えるタイミングの時に、明日香のLINEを開いては文章を打とうとしては、結局何も送らずに閉じた。
それが、いきなり目の前に明日香が現れた。
慌ただしさですっかり飛んでいたし、話してみると昔に戻ったようで普通に会話が続いたが、時間が経ってくると急に気まずくなる。
その上、ここは明日香の家だ。しかもこれからここに泊まる。
ぐるぐると思考を続けているうちに、おいしそうなにおいが漂ってきて一颯の腹の虫がぐぅと鳴いた。
「できたよ~」
明日香の声に呼ばれ、一颯は思考を放棄し、ダイニングテーブルに着く。
「はい、ナスとしめじとベーコンの醤油パスタ。ちゃちゃっと作ったものだから、味薄かったりしたら自分で調節して」
パスタの入った皿と共に醤油と塩コショウの瓶が置かれる。
「いただきます」
初めて食べた明日香の手料理はものすごく美味しく、一颯はあっという間に完食した。
「美味かったぁ~。料理結構するんだな」
あっという間に食べてしまい、まだ食事をしている明日香に一颯は話しかけた。
「んー1人の時はここまでちゃんとしたものは作らないけどね。まぁ一通りは作れるよ」
「へぇー、あきさんとかに作ってるの?」
「それはほとんどない。彼氏に作ることが多かったかな」
サラッと明日香が口にした“彼氏”という単語に一颯は固まる。
「私少食だし、さっぱりしたものが好きだから、食べやすくて尚且つおなか一杯になるレシピずいぶん考えたんだよね。これもその一つ、醤油系であんまりこってりしてないけど、野菜いっぱいでボリュームあるし。彼氏のは麺多めにしとけばいいし。あ、一颯足りた?」
「……ああ、うん。腹いっぱい」
「良かった~」と言いながらもぐもぐと食事を続ける明日香は一颯の様子が変わったことに気づいていなかった。
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